第二十三話 悪魔退治
「あれっ?なんか生命体が増えている気がする」
私は、ルスリエに訪れてつぶやいた。
――あら、ホープじゃない。こんにちは。
「ルミエルー、こんにちは!」
ルミエルは、コンテスト中に多くの神様が訪れて魔王と戦っていったと教えてくれた。
私は話の流れで、コンテストの評価は上々だったことを伝えた。
「魔王が強すぎるってコメントがあって、少し笑っちゃった」
ルミエルもつられて笑っているようだ。
私は、精霊のくせが強すぎるというコメントや地球の方が人気だった事は、なんとなく内緒にした。
ルミエルがいうには、多くの神様が訪れては魔王に敗れていったらしい。
“そのおかげで生命体を増やせたわ”と言っていたが、私にはよく意味が分からない。
どういう意味だろう…。でも一応納得したかのように、頷いていた。
――でも、あまり生命体には関心を持ってくれなかった…。
ルミエルの声としては珍しく、悲しい声に感じられた。
コンテストの会話が落ち着いたところで、私は本題を切り出すことにした。
「あ、そうそう…」
私はルミエルに、恒星の観察の仕事のことや、時々恒星にエネルギーを与える必要がある事を伝えた。
――へぇ、恒星…、なるほどね。それに、そんな仕事があるんだー。
「でね、今、その星にエネルギーを奪う悪魔がいて、どうしようか考えているんだ。いつもなら天界にお任せしちゃうんだけれど」
――星のエネルギーを奪う悪魔がいる…。なるほど。それはそれはたっぷり蓄えていそうね…。
精霊のルミエルの美しい声が頭に響いてくる。私の話したことを理解するにつれて、声が高くなっている気がする。
何か悪だくみしているように聞こえるのは気のせいかしら…?それに蓄えるってなんだろう…?
――ヴァルちゃん。ちょっとこっちに来て。
何か、いいことを思いついた…、とばかりに魔王を呼び出した。魔王ヴァルグレアのことをちゃん付けで呼んでいるらしい…。
「何か用か」
いつの間にか、魔王が近くに来ていた。あまりにも唐突に気づいたから少し驚いてしまった…。
――悪魔が、恒星に住み着いているらしいの…。後は、言わなくてもわかるわよね。
「ああ、わかった」
――じゃあ、ヴァルちゃんをその星まで連れて行ってあげて。ふふっ、楽しみだわ。
「よろしく」
「えっ、あ、はい。ではすぐに行きましょう」
私は、軽く仕事の内容を説明してから“ヴァルちゃん”を連れて恒星までテレポートした。
魔王は早速悪魔を見つけ、連れてきた。
星のエネルギーを奪い、丸まる太った怠惰な悪魔だ。
大きい魔王と比較しても、高さが5倍ぐらい大きい。その上、横幅は高さと同じぐらいある…。
魔王に連れてこられているにもかかわらず、まるで無関心というように、動かずにいた。
時々目だけきょろきょろ辺りを見回しているのが、少し気持ち悪い…。
「なるほど…、これは肥えた悪魔だ。鍛えがいがあるな」
魔王のつぶやきに、私は思い出したかのように、星にエネルギーを追加した。
「よし、完了。ありがとう」魔王は黙って頷いた。
「その悪魔、どうするの?」私は疑問をぶつけてみた。
「なに、私の道場で鍛え上げるだけだ。よかったら見学していくといい」私はそのまま魔王についていくことにした。
よかったら、コメント、感想、ブックマーク、評価をぜひお願いします。




