第二十二話 恒星の観察
昨日のコンテストの余韻がまだ残っている。
私は、いつものように星の観察の仕事をぼんやりと続けていた。
「あっ、そういえば、せっかくだしあの仕事片づけちゃおう」
本の中の太陽を思い浮かべていたら、自分の仕事を一つ思い出した。
その仕事とは、恒星の観察。自分が“中堅”となったことで、新しく増えた仕事だ。
惑星にとって、恒星はとても大事な役割を持つ。
全ての生命の存続にかかわるといっても過言ではない。
そんな大切な恒星を末永く存続させるための観察だ。
本来観察の神様は、全ての生命に対して中立でいるため、ほとんどの場合見守るだけの立場をとる。
そんな観察の神様でも、全ての生命のために、恒星に対しては神の力の行使が許されている。
ただ、少し調整が難しい。恒星の光は強すぎても弱すぎても、惑星に大きな影響を与えてしまう。
だから、恒星の観察の仕事は、仕事がある程度理解してきたであろう“中堅”の仕事とされている。
「ミカエル、私、恒星の観察に行ってくるね」「はい!いってらっしゃいませ!」
私は、ミカエルに軽く挨拶した後、早速対象の恒星に向かった。
恒星は明るすぎてモニターではよく見えない。目視確認が基本。
間近で観察するとよくわかる。この恒星は、少し輝きを失っているようだった。
そのせいか、地表の生命体がよく見えた。炎に強い生命体たちだ。
炎に強い生命体は、おおむね二種類に分類される。
星のエネルギーを炎に変える生命体と、炎を糧に明るく輝いて生きる生命体だ。
天界では、どちらも思念体――地球の言葉で言うと幽霊ね――の一種と考えられている。
惑星の生命体と全く違う構造をしていて初めて見た時は驚いた。
本の中の太陽のように妖精がいることはとても珍しく、この星には妖精はいないようだ。
ただ、この星のどの生命体も少し弱っているように見えた。
「この恒星が輝きを失っているのは、星のエネルギー不足が原因のようね。
おかしいわね…、ついこの前もエネルギーを追加したのに…」
私は詳しく恒星の様子を観察してみた。
「あれっ。悪魔がいる…。えっと、悪魔がいる場合の対応は確か…」
神様はどんな生命体にも中立な神様ではあるが、エネルギーを奪う悪魔に対しては対処する。
生命体も星のエネルギーも神の力で用意している。それを奪う悪魔には罰を与えるのだ。
具体的には、悪魔を対処する特別チームに依頼するため、天界へ駆除申請を提出することになる。
私は、一旦家に戻った。
「ミカエルー。さっきの星、悪魔がエネルギーを吸収しているみたい。申請をださなきゃ…」
「ですね…。…。あっ、でも…、もしよかったらルミエルに聞いてみませんか?
悪魔の事なんだし、魔王に対応してもらった方が早いと思います」
ミカエルが、変な…、いや、面白そうな提案をしてきた。
「えっ魔王がそんな仕事引き受けてくれるの?でも面白そうだし、聞いてみようかしら…」
せっかくだし、試してみることにした。
ミカエルは、きっと対応してくれますよと笑顔で頷いている。とっても自信があるみたい。
私は、早速ルスリエのルミエルのもとへ向かった。
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