第二十一話 コンテストの振り返り
ホープ様も私も、本を読み終わっていた。いいお話だと思った。
もちろんコンテストの終了までにはまだ時間が残っていた。
残りの時間も、できるだけ多くの展示が見たいと思い、いくつかの展示を見て回った。
でも、本の印象が強く残っていて他の展示の事はあまり覚えていなかった。
ホープ様も、どこか上の空で、そんな様子だった。
コンテストが終わり、自分たちの展示も手っ取り早くかたずけて、家に帰ってきた。
少しすると、今回のコンテストの結果が発表された。私たちは家のモニターで見ていた。
優勝は、神々の多くの支持を受けた、本の星たちだった。
もちろん、私たちも当然その星たちを展示するモニターにいいねを押していた。
他の星にもいいねを押していたし高い評価をしていたけれど、きっとこの星たちが優勝するだろうなと話し合っていた。
「やっぱり、優勝は本の星だったね」
「ええ、そうですね」
「観察の神様も、精霊も…、とても素敵だった…」
ホープ様はとても感銘を受けているようだ。
「私たちの展示の結果も見てみましょう」ホープ様に話しかける。
自分たちの展示の評価を、モニターを囲んで見始めた。
ルスリエの評価を見て、一緒になって笑ってしまった。
「魔王が強すぎる」
「精霊のくせが強すぎる」
地球はルスリエよりも高く評価されていた。
大した工夫もせず展示しただけだったわりには、高評価に思えた。
ホープ様も私も、地球が高く評価された事がとても嬉しかった。一緒になって頷きあった。
地球もルスリエも悪くない順位ではあったが、本の星には及ばなかったのが、少し残念だった。
展示の評価が見終わると、感動の余韻に浸りたいとお考えなのだろう、ホープ様は早々に自室に戻っていった。
私は執務室の自分の椅子に座って、今回のコンテストについて振り返っていた。
多くの星が展示されていた。幻想的な星もあれば、神秘的な星もあった。
でも私には、ホープ様との思い出が一番に思い出された。
「楽しかったな」私は執務室の椅子で、自然と笑みを浮かべていた。
何度も何度も振り返っては、繰り返し笑みを浮かべていた。
ただ、一つおかしな点があることに気が付いた。本の星だ。
「少し気になるな…。後で調べてみようかしら…」
「それにしても…。惑星だけだと思っていたけど…、恒星でもよかったのね…。
知っていれば、地球の太陽も展示したかもしれないわね」
「ねえ、地球の皆さん。太陽をテーマとした物語だったら、本当はもっとずっと素敵な物語があるのでしょう?
たとえ無かったとしても、すぐにでも素晴らしい物語を作れるのでしょう?」
私はそっと、はるか遠くの青い星に向かってささやいた。
第四章 木枯らしの星で 完
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