第二十話 星の太陽
精霊はふと神様の存在に気が付き、神様に声をかけた。
「神様、ありがとう。私だけではここまでできなかった。
こんなに高く城を持ち上げられなかったし…、それに星をこんなに大きく出来なかった…。
神様が助けてくれたんでしょう?」
――いいえ。あなたが星の意思を動かしたの。私は星の意思を手助けしただけに過ぎない。
神様のいつも通りの優しい声が、頭に響き渡る。
――よく頑張りましたね。
神様の誉め言葉が聞こえた。精霊には神様の笑顔が思い浮かんだ。精霊もつられて笑顔になった。
「ちょっと力を使いすぎたみたい。ちょっと休むね」
自身の力を使い果たしてまで、この星をよくしようとした精霊を、神様はいつまでも優しく見守っていた。
―
突然の出来事に、村の人々は、驚いて外に出てきていた。
今の季節は太陽からは遠く、時間は夜のはずなのに、辺りは昼のように明るかった。
これから寒い寒い冬が始まる季節のはずなのに、春のような暖かさが感じられた。
見知らぬ星が、この星を優しく照らしている。
その星は、紅や青、白を中心として様々な色で輝いている。
村人ははじめのうちは隕石かと思い少し警戒していたが、やがて慣れて新しい太陽として受け入れた。
この星は常に春のような暖かさが続くようになった。
「ありがたや、ありがたや。
何が起こったのかわからんが…、神様が我々の日頃の行いを見てくれたのじゃろうか…」
「ありがたい。いつまで続くかわからない。今のうちに食料をため込んでおこう」
春の陽気さが続く。村の復旧は短期間で完了し、以前よりも豊かな村として成長を遂げる。
以前のような厳しい寒さはこの星にはもう存在しない。
農地がどんどん増えて豊作が続く。
農業が盛んになり、多くの種類の作物も作られるようになった。もう食料に困ることは無い。
人口はどんどん増えた。
もちろん、他の生命体にも影響があった。
それまでせかされるように冬支度をしていた動物たちは、ゆっくり活動できるようになった。
野山にはたくさんの種類の動植物が増えていった。
太陽では、少女がいつも舞いを踊り、生命たちと楽しそうに遊んでいる。
太陽は、紅青白だけでなく様々な色で、いつまでも輝くだろう。
この様子に精霊はとても満足した。
「よかった…。みんな…、どの生命も嬉しそう。
それに、次来た時は、もっと繁栄していそうね」
力を回復した精霊は、心弾ませて、次の星に向かっていった。
神様と精霊の優しい冒険は続いていく。
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