第二話 太陽
研究と称して私は、地球の童話を読み続けている。
今日は…というかいつも、この家は星空に囲まれていて、この星空は童話ととても相性がいい。
星明りで読む童話…、とても穏やかで優しい時間が流れる最高のひとときかもしれない、とふと思う。
「やっぱり、この家は居心地がいいな」
ミカエルも無言で頷いている。おそらく、ミカエルも地球の文明を“研究”している。
しばらくして私は、ふと、つぶやいた。
「そういえば…、地球上では太陽をモチーフにした童話ってあまり見ないわね」
「確かにそうですね。寒さをしのいだり、暗闇を照らしたり…。
とても身近で有用な割には、作品数は少ない気がしますね」
そう言って、ミカエルは一旦研究を中断して、モニターで調べ始めた。
「イソップ童話の“北風と太陽”、韓国の昔話の“お日さまとお月さま”、
ギリシャ神話のイカロスの翼、あたりが地球上では有名みたいですね。
他は…、“天照大神”やエジプト神話の“ラー”などの神様や、
“天岩戸神話”等の神話になっているみたいですね」
最近のモニターはAIが用いられとても優秀なようだ。早速回答がでてきた。
「やっぱり、意外と数が少ない気がする…。何か理由があるのかな」
「月と比較して…、圧倒的な力を持っているからかもしれませんね。
神話が中心となって童話は少なめになっている気がします。
逆に、月は模様や満ち欠けなど親しみがあって童話が多いみたいですね…。
それにもしかしたら、昼間は農作業など仕事をしているってことが大きいかもしれませんね」
ミカエルの言葉はいまいち納得できないけれど、そういうものかもしれない。
私は、ふーんと返した。
「もしかしたら、太陽を直接目で見てはいけない…、そんな教育的な意味合いもあるのかな」
「童話に太陽の話があったら、直接見ちゃう子供もいるかもしれないですね…。
確かに、一理あるかもしれないです…」
そんな話をしながら、私たちは“研究”を続けた。
童話だけではない。小説だって研究するし、動画だって研究する“必要”がある。
地球の全てを“観察”し“研究”する“必要”があるのだ。それが“観察”の仕事なのだから。
天界からの問い合わせに答える時間はない。
あー、忙しい。あー、忙しい。
「地球の研究ってとっても忙しい仕事よね」
ミカエルはくすっと笑って答えた。
「はい。とっても楽しい…じゃなかった、とっても興味深くて大変な仕事です」
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