第十九話 精霊の祈り
精霊は一人、冷たい石橋の手すりに座り込んで、考え込んでいた。
何が悪かったのだろうか…。
少女や男精霊が本当に悪かったのだろうか…。
人々のこの状況はやむを得ないんだろうか…。
女妖精が正しいんだろうか。
やっぱり私が起こしてしまったことが悪かったのだろうか…。
“あなたにはあなたの役割がある”という神様の言葉が、心に響く。
そうだ…。いいこと思いついた…。
精霊は、ふといい案を思い付き、氷の城に立ち寄った。
そうだ…、城を浮かせればいいんだ…。
「氷の城よ。持ちあがれ…」精霊は祈りを捧げた。
精霊は自身の力の限り強く祈り、氷の城を浮かせようとした。
小さく、氷でできているとは言え、城の大きさだ。
浮かせるには大きな力が必要だった。
精霊は力いっぱいの祈りを捧げていた。
やがて、土台となる地面とともに城はふわりと浮き始めた。
「まだだ、もっともっと高く!」
精霊はさらに力を込めて祈り、氷の城をさらに高く持ち上げた。
女妖精が何事かと氷の城から飛び出して、こちらを見下ろしている。
氷の城はさらに高く高く空へと舞い上がっていく。まるで、天空の城だ。
「もっと高く、もっと高く!」
精霊はさらにさらに高く、氷の城を持ち上げる。
どれくらいの時間が経過しただろうか…。
精霊は力を使いすぎて、少し気を失っていたようだ。
精霊が気が付いたときには、氷の城は上空高くに浮いており、一つの星となっていた。
「まだやらないといけないことがある…。もう少しだけ…」
精霊はその星に向かって、飛び跳ねた。
精霊は星にたどり着くと、自身の残りの力を振り絞って、炎に強い生命体を呼び出した。
生命体を呼び出し終えると、精霊は氷の城に住む少女や妖精たちに話しかけた。
「もう、少女を起こしても大丈夫よ。城の外にいる私の呼び出した生命体は炎に強いもの」
「…。大丈夫なの?少しふらふらしているようだけれど…」
女妖精は精霊の姿に少し心配したようだ。
「ええ、少し力を使いすぎちゃったみたい…。でも大丈夫。よくあることだから」
女妖精は精霊の指さす城の外を見た。楽しそうな生命体がずらりと並んでこちらを見ている。
まるで、少女はまだか、踊りはまだかと今にも聞こえそうな雰囲気だ。
「ありがとう」女妖精は笑顔で精霊に声をかけた。
精霊は無言のまま笑顔で頷いた。
女妖精はすぐに少女と男妖精を起こし、外に連れ出した。
少女と妖精は、すぐに外にいた生命体たちと仲良くなり踊り始めた。
やがて、赤や青、白の炎を主として、オレンジや緑、黄、紫と様々な色が混ざって星が燃え出した。
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