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太陽は今日も元気です  作者: よむよみ
第四章

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第十七話 女妖精の悲しみ

「あれ、いなくなってる…」

星の生命たちの見回りを終えた女妖精は、城が空っぽになっていることに気が付いた。

嫌な予感がした。村の方へ恐る恐る顔を向けた。村は赤と青の炎で燃え上がっている。

「やっぱり…」女妖精は悲しんだ。


ああ、なんてことだ。

なんでまた、起きだしてしまったのだ。


最初は小さなかわいい女の子だった。

いいえ、今もかわいい、かわいい少女なのだけれど。


「あら、赤ちゃんだわ」「ああ、そうみたいだな」

女の子は小さな籠に入れられて村の道端にポツンと置かれていた。間違いなく捨て子だった。

この村はとても貧しい。この星自体の生産性がひどく限られている。やむを得ない。

とてもよくあることだった。


「少しだけ幸せを見せてあげよう」

男妖精は暖かいミルク飲ませてあげた。

いつもなら、すぐ立ち去るところであったが、私たちはすぐに見入ってしまった。

とてもかわいらしく元気に手を動かし、笑ったのだ。

恐らくまだ目も見えていないだろう。でも笑ったのだ。


私たちは、その子を育てることにした。

食べ物も、服も、住処も用意した。笑顔のためならなんでも用意した。

そしてその子は笑顔で私たちをさらに魅了した。

とても元気いっぱいに、幸せを表現し始めた。

美しかった。私たちは育ててみてよかったと思った。


ある日、女の子は村に行きたがった。私たちは喜んでついていくことにした。

言葉は全く話せないはずだったが、身振り手振りで伝わったようだ。

お菓子をもらいとても喜んでいた。村の人たちもその笑顔に癒されていた。

ここまではよかった。

日が暮れて村の人が寒そうにし始めた時、悲劇は始まった。

女の子は火をつけた。正確には男妖精が火をつける手助けをした。

最初は村人も「すごいね」と喜んでいたが、あっという間に火の手が回ると、恐れをいだき逃げ始めた。

女の子も男妖精もその様子を見て、とても喜んでいるように見えた。私にはそれが悪魔に思えた。


その村は廃墟となっていた。

私はこの女の子も好きだったけれど、この村も好きだった。

恵まれない星に負けずに、未来につないでいるこの星の生命を応援していた。

しかし、この女の子はその調和を乱す存在になってしまったようだった。


「眠れ、眠れ」私は子守歌を歌い続ける事にした。

私は、男妖精と共にこの女の子をずっと眠らせることにしたのだ。

少しだけ女の子は成長し少女となり、気づけば村も復旧していた。

どうやら私の子守歌は寒さを呼び込むらしい。いつしか私たちの住処は氷の城になっていた。


でも…、私は何も後悔していない。この女の子も、この星の他の生命も好きなのだ…。


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