第十話 ダイヤモンドの星
ホープ様は、早速きょろきょろと忙しそうに辺りを見回している。好奇心が抑えられないみたい。
そんな様子を微笑ましく見ていたいと思いながら、私も辺りを見回した。
様々な星が展示されている。
カリクローと呼ばれる、小惑星でありながら、土星のような「環」を持つ星。
アロコスと呼ばれる、雪だるまのように二つの球体がくっついた形の天体。
タイタンと呼ばれる、メタンの海と大気を持つ星。…。
実に様々だった。地球と似たような組成を持つ星だってある。
そんな中、ホープ様が気になる星を見つけたようだ。
「ねぇ、あの星…、気になる…。行ってみない?」
早速、その展示に近寄ってみる。
「ダイヤモンドの星」展示にはそう記載されていた。座標も書いてある。
ホープ様と目が合い、同時に頷いた。私たちは早速その座標にテレポートした。
とてもきれいな星だ…。星の光を受けて、きらりきらりと光り輝いている…。
大きな星であるにもかかわらず、星全体がダイヤモンドでできているようだった。
内部には時々、不純物もあるみたいだが、その不純物でさえ、不規則な光の屈折をうみ、さらなるきらきらを演出しているみたいだ。
私は思わず、ホープ様の手を取り、指輪を渡すようなポーズをして見せた。
それは地球で流行している文化の一つで、ホープ様はとても喜んでくれるはずだと思った。
「わぁ、こんなに大きなダイヤの指輪…」ホープ様は少しうっとりとした表情で指と星を交互に見ている。
「星程の大きさのダイヤモンド…、何カラットだろう…」
その言葉に私は少し笑みを浮かべてしまった。
「記念に写真をとりましょう!」星をしばらくゆっくり眺めた後、私は話しかけた。
ホープ様は黙って頷いた。私はすぐに、神の力を使ってこの様子を写真に残した。
ホープ様の指に大きなダイヤモンドがくっついている、そして、私はその手を優しく握る、そんなふうに見える写真だ。
私の生涯の記念になるだろう…、私はそんなことを思っていた。
「この星、ダイヤモンドってことは…、炎で燃えるのかな…」
私の幻想的なプレゼントの有効期限が切れて、恐ろしい妄想に移ってしまったみたいだ。
ホープ様のそんな物騒な発言に、私は笑いをこらえられなくなった。
「多分…、燃えないと思いますよ」
ホープ様は、すぐに消化できるよう準備したうえで、神の力で火をつけようとする。
そもそも火が付かなかった。
「この星には、酸素が無いみたいですね。だからダイヤとして存在できるのですよ。多分」
「そっか…、でも、このダイヤが燃えたら…、多分、もっときれいよね…」
このきれいで大きくて貴重なダイヤモンドでさえ、よりきれいな光景のためには燃やしてしまう。
そんな恐ろしい妄想に笑いながら、確かにそうですよね、と私は返した。
ホープ様といると、やっぱり楽しいな。
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