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第7話 異世界転生はあの世の話?

<第7話>


ポータル通って恒星人のところへと到着すると、それぞれの宗派、思考によって分けられ、異なる塔へと迎え入れられる。

俺が最初に連れて行かれた巨大な塔の内部みたいなところが数千と存在し、それぞれに適切な人たちが誘導される。


「昔は、1つで良かったのに、宗派が別れたりすると同じ宗教系でもいくつも塔が必要になって行って、面倒なんですよ」


「仏教だったらとりあえずブッダだしとけばいいんじゃないの?」


「大日如来がいいとか、菩薩がいいとか、南無阿弥陀仏がいいとか、いろいろあるんでブッダじゃない人がいい方もあるんですよ」


宗教って面倒だな。


「俺みたいなあまり宗教にハマってない奴らは?」


「先日案内したような公園のようなところに連れていくことが多いですね。そこで私たちが導いてきた後に専門の係から説明を受けて、あの世生活をエンジョイしてもらうようにしてます。

死後の生活の入る前のオリエンテーションみたいなことをするところで私たちとは違うガイド役の人たちが働いてます」


ウサミミのアーレンのような青い人たちは誘導係。

ウサミミのピンクの人たちがガイド、説明係らしい。


係によって色分けされているのか。

あくまで俺の視点ではだが。


他の人には、適した姿に見えていると言うことなので、公園のベンチでピンクのウサ耳つけた人が熱心に老人と話してる様子は、本人からすると天使とかあの世に先に入った人から話を聞いてる感じになってるそうな。


そして、この受け入れ施設を超えたあとは情報生命体になるのでバーチャルな世界で好きなことをして生活できるようになる。

以前動画配信サイトでお尻に目が行ってついついアニメ映画で見たことある、楽園追放みたいなイメージなのだろうか。


生きてる時にできなかったことを、ここでひたすらバーチャルで行い煩悩や人生で染みついた欲望をここで払い落とすのだとか。

バーチャルといっても、情報生命体からすると本物の情報が投影されるので、本物と変わらない世界を経験できる。全ての快楽も思いのまま、酒池肉林もできるらしい。

今時は酒の池も、肉の林作っても誰も喜ばないと思うが。


人間の生体電流で波長が乱れてるところを調整している過程、それが死者の視点で見ると「今までできなかった欲を叶えてる状態」になるらしい。

なので生前自分の欲望の限りを果たしたものは、電流が乱れてないのですんなり次の段階に行ける。

天国に入れる人は人に優しく正しい人であるみたいな感じがあるけど、イメージとしては大金使って好き勝手遊び倒して人生に飽きたような、そんな人の方が素直に恒星人移行ができると聞くと、なんか既存の宗教かん、道徳とかが崩れていきそうな気はするな。

死後に閻魔様みたいな裁く人がいるわけでもなく、善悪で決まってるわけでもない。


地獄は?


と聞いてみると、基本的に地獄のようなところは存在しないのだが、自分は悪いことをしてるので罰して欲しいという人はそんな体験するらしい。

例えば、人は一度煉獄の炎で焼かれることで浄化されて天国に入る、と思ってる人たちは煉獄の炎で実際焼かれるというプロセスを体験できるそうな。そんな死んだ後も苦しいとか嫌だな。

人を騙すのが好きでたまらない、殺人が好きでたまらない、とかなると満足するまで騙すスリルを味わい尽くしたり、殺し合いを続けたりするので側からみると「地獄じゃないか」と思えるところはあるんだとか。


裁かれるわけではなく自らその道に入るのかー


なかなか、生きてる間に自分の生き方とか考えないとな。

情報生命体として生きる上で、その後に再構成する際には同じ波長で合わせないといけないらしく、一人の波長が乱れてしまうと他に影響が出るので。

肉体を持っていた時についた「急激な電圧の乱高下を産む可能性のある」欲望、肉体に関連する、精神に関連する欲望がここで限りなく本物にしか感じられないバーチャル体験により無理強いするのではなく、本人たちが「好きなこと」体験して解放される。


死んだあとは、この世でできなかったあらゆる快楽を楽しめると考えると、割と死後の生活も悪くない気がするな。


「じゃあさ、トラックで跳ねられて亡くなった無職ニートが、生まれ変わって無双してハーレム作っていくような世界もできるのか?」


「ええ、流行りの異世界系とか転生系の話ですね。

あれは、私たちからすると生前叶えられなかった承認欲求と性欲とを満たすために投影した世界ですよ」


「じゃあ、実際に転生して無双してヒャッハーしてる人らもここにいるのか」


「結構いますよ。本やアニメの影響もバカになりません。神から司令を受けたとかで異世界転生して無双するパターンは流行ってますね」


なんと、ああいう話はあの世、死後の世界の話になるのか


ちらっとそういう人の世界を見せてもらったが、キリト風のコート身につけた人物が美女をハベらかして無双してるシーンがちらっと見えたりした。

割と独創性のないテンプレ展開か。


「でも、その世界で充実して、まだ無双したい、終わりたくないと思ってたらおわらないのでは?」


「そういう人は、英雄の2度目の転生はスローライフで、とかやってるだけですよ。

たとえば、無職で転生する話のように、現世で満足に生きれなかった分、投影した異世界転生の人生を十分生き抜いた結果を得ていくと囚われたもの、生きてる時に体験できなかった悲しみ喜び、感動、そして欲望などが外れていってスッキリした波長になります。

普通は、やるだけやったら満足しますが、たまに欲しがりさんはいますね」


「それ小説にしたら、異世界転生したと思ってたら普通にただ死んでただけだった、ってオチになるんかね」


「情報生命体に転生するのでただ死んでただけではないでしょうけど」


「死後の世界で恒星人になってチート能力、ハーレム無双する!とかできるのか?」


「私たちに肉欲はないので、ハーレムの概念が異なると思います」


「概念は異なるけどハーレムはあるのか?」


「いい感じの電圧でお互い結ばれて一体化する感覚を共有できる相手が複数いればハーレムっぽくなります」


「俺とアーレンはそれできるのか?」


「私のこと愛してます?」


「いいや、見た目だけ好みなだけの、得体の知れない宇宙人だと思ってる」


「そんなんじゃ無理ですよ。

相手の電圧に合わせて自分の電圧も下げてエネルギーをロスしてでも相手に合わせてあげたい、という気持ちを持てるくらいじゃないと共有は無理ですね」


とか言ってうっとりした表情してたりするが。


今のどこにロマンチックがあったのか俺にはよくわからない。

なんか恋人の条件が電圧とかそんな感じなのか?


異世界転生ものは死後の世界で欲求不満を満たしてる人、という認識で今後見てみるとなんか物語が素直に楽しめなくなるな。




さて実際に仕事をしてみると、自然にお亡くなりになって天寿をまっとうするパターンは少なくて。病気や事故で亡くなる方が結構多い。


その「不慮の事故」やら自ら命をたったりすると、地磁気に生体電流の記憶が捕まる率が高くなるので優先してそちらを迎えに行ってるということ。


高校生でバイク事故で亡くなり、そのまま死んだことに気づかず学校に行ってる子を連れてきたり、

孤独死した、ゴミ屋敷に住んでる40代男性を連れてきたり。

自ら命をたった中学生を連れてきたり。


なんか結構精神的にくるなー


昼は会社で仕事して、ストレスもある状態で仕事終わりにこんなハードな現実を見ると心が病みそうだが。

アーレンは平気なのかと聞いてみると


「肉体がある状態では不幸だったかもしれませんけど、このあとは好きなことできるのですから、救いを得てるとも言えますし」


恒星人、宇宙人なので感覚が少し違うのだろうが、できればみんな生前も幸福でいられるとよかったのに。


と思ってしまう。

死後は救われると言ってもね。

よく考えると、俺もそれになりかけてたの思い出した。

今は生きてるから、そんなこと考える余裕は生まれるのだろうから、まだ生存の道があってありがたいもんである。


同期たちとメイコも含めて今度カラオケ行く約束してるので、人生楽しめる時は楽しんでおかねばとさらに思うようになってしまったな

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