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第5話 レムリアとアトンランティス


<第5話>



「そうね、この辺の話もサクッとしておきましょうか」


そう言って語り始めたのは。

昔々、人間の誕生する以前に地球上に二つの勢力が存在し、それらがお互いバランスをとりながら地球上に人類の意識のプロトタイプを作るように動いていた、という謎の話から始まる。

よくわからんので話半分に聞いておくが。


「仮に、そうね、あなたの記憶で言うなら古代大陸、レムリアとアトランティス、と言ったほうが理解が早いかしら」


「それ嘘大陸じゃないので?」


「仮の名前です、勢力1と勢力2、でもいんですけどこれだとイメージが掴みにくいと思うので、あなたの潜在意識にある最も合う概念で説明してますよ。

それに、体外離脱とかしたり、生死の境を彷徨ったりして幽霊になって私たちのところにきて、この二つの勢力の話を見聞きしてから、古代大陸を語り始めたものたちは大勢いますから、地球人からするとその名前の方がしっくりくると思います」


ひまし油が大好きな、某ケーシーさんもここでその話を聞いたのか?プラトンとかそういうのもそうなのか?

なら、俺もそんな本を書いて一儲けできるのではないか?

そう考えると一言一句聞き漏らすまいと説明を聞くのにも身が入る


「この古代大陸は半非物質だから私たちと同じ、恒星人が住むところと同じようなもので作られてたの、地球の元素ではないのよね。それに、アトランティスは地球以外の、別宇宙から来た半非物質元素で作られてるから普通の人には認識できないし。霊感があるとか幽霊が見える人も全員が感じられるわけでもないのよ」


古代大陸が存在した話でびっくりしたが、

霊体と同じようなものでできてたなら、確かにその証拠が残ってなくても問題ないような気がしてきた。なるほどなるほど。


そこからさらに女上司の話は続く


レムリアとアトランティス、それらの勢力は地球上で様々なパターンを実行し、人間の「意識のパターン」をシミュレーションしていた。

それの理由は、人類という知的生命体を生み出し、それらが宇宙を認識できるくらいにまで意識と頭脳を成長させなければならないから。


そのために二つの異なるパターンの勢力が生まれ、それがレムリア、アトランティス、となったらしい。

そのパターンを持つ人類が生み出されて、二つの魂の性質が地球人として繁茂することに。その二つは2万6千年ごとに勢力を入れ替えるようになっていて、それによって停滞して衰退する流れを止め、人類の進化が加速するようになっていた。

最初はレムリアが中心となって人類のパターンが動いていたが、その後アトランティスになり、現在に至る。


五行思想の陰陽の話みたいだな

陰陽が動くことで世の中が存在し、安定したら停滞したら終わるというあれ。


この、レムリア、アトランティスの人類の精神パターンは人類の精神構造の基本的なプログラムみたいなもので、パソコンのOSみたいなものらしい。


今、その流れがアトランティスからレムリアへと移行中でその際に色々と半非物質な世界では摩擦が起こってしまう。


例えるなら、会社で使ってるパソコンのOSが今までWindowsだったのが、Macになってしまうので、データを全部新しいバージョンに変換してMacでも使えるようにしていく状態がレムリアとアトランティスが入れ替わるようなイメージに近いらしい。


それは大変だ。

なんとなく理解できるし、混乱が起こるのもわかる。



国家でも思想の異なるものが分離する際には必ず争いが起こるように、エネルギーの質が異なるものが入れ替わる時は大きなストレスが人類社会に訪れ、それらが争いとなって表に出てきやすくなっていく。


WindowsからMacに切り替えたりすると、そりゃ現場は混乱するしイラついて暴れる奴も出てくるだろうな。

と話を聞きながら納得してしまうが、それが現実の世界、俺たち地球人の生活にも影響が出てくるという。

確かに、なんとなく政情不安定だったり、人々の精神が変になってるところ、行き過ぎなところなども感じられるようになってきた気もしなくもないな。

SNSの個人攻撃なんかも酷いもんだし。これもこのせいかよくわからんが。



レムリア、アトランティスはただのOSみたいなものなので、その摩擦を、争いをどうにかする機能はないとか。

そこで、古代大陸は第三勢力を生み出し、入れ替わりを、摩擦を軽減させるようにする方法を生み出した。


その第三勢力が「メガラニカ」と仮に名前をつけられたグループで、これらはアトランティス、レムリアと同じものから生まれてても性質が中立で中庸。

しかし、エネルギーが偏ってる場合は他の勢力からは中庸には見えない。偏ったエネルギーに味方する「敵」とみなされ争いが起こる要因となっていく。


思想でも左に強い人と右に強い人からすると、思想が右の人で、少し左よりになってるだけで極左」と見られるようなもんかな。

とそんなことを考えつつ。


メガラニカの中庸の情報は安定してきた状態なら必要なのだが、まだ荒れてる状態だとさらにそれを加速させるので、できれば人の無意識レイヤーにメガラニカの視点を入れたくない。


なので、アーレンたちは人類が死んだ後にその情報を回収する。

アトランティスがわにある基本情報をレムリアに書き換えて、再構成してまた地上へと送り出して新たなレムリアを基本情報に持った地球人が増えていくようにし、メガラニカの影響を受けないように素早く人類の根底のレイヤーが安定することを目指しているということだ。





「ここまでは理解できた?」


あまりにも情報量が多くてよくわからん。

これ、つまり輪廻転生とかそういう話につながるんじゃないのか?

とかそんなことを考えてしまうが、俺は特に悟りたいわけでもないのでまぁそれはそれとして


「なんとなく」


とわかったふりをして続きを聞くことにする。

スマホに録音とかできたら面白そうだったのに、今回は机に置きっぱだったので持ってきてない。


「そういう背景があってね。大体この辺聞いた人は急に『目覚めた!』とか言って人を導き始めたりするんだけど、そういう気はある?」


「ないです」


「そう、そっちで人の意識改革してもらってもよかったんだけど」


「そういうのはなんかスピリチュアルな人がいつも「アセンションがくる」とか言ってやってる気がするのでパスです」


「じゃあ、ここからが本番なのだけれど。

そんな地上に残された人の情報、幽霊回収してるアーレンちゃんはメガラニカの影響を見ることができてて。

死者がそれの影響を受けないように、避けながら情報回収作業をしているの。

それで、そのメガラニカの影響を感じ取る部分が、なぜかあなたのレムリア情報に混じっちゃって。二人で一人前の性能になっちゃったのよね」


「つまり?」


「あなたと、アーレンちゃんがペアになってないと、アーレンちゃんがお仕事できなくなっちゃったということ」


その話を聞くために宇宙創生の話から聞かされてたのか俺は。

途中から輪廻転生とか魂とか人類の意識の、なんか大事なところまで聞かされてたような気もするが。


「最初からそれを言ってくれれば今までの説明はなくてもよかったのでは?」


「理由とかどうでもよくて、アーレンちゃんのお手伝いしてくれるの?」


「一応、自分の命の恩人ですからね。

そういう恩は返しておかないと寝覚が悪くなる」


そういうと、その女性は両手を合わせてなんか嬉しそうにクネクネして


「いい人でよかったわねーアーレンちゃん」


とアーレンに声をかけるが、表情が暗いまま「はい」とか呟いてるだけで反応は良くない



「ということで、これからイチロさんはアーレンちゃんとバディになるから、あとは若い二人で仲良く話をして行ってね」



と言われ、その部屋から外へと自動的に排出されるように床が動き塔の外まで導かれていく。


外に出ると、またアーレンが土下座して


「ごめんなさい、こんなことに巻き込んでしまって」


とくるので


「こういうのも運命みたいなもんだ、しょうがないさ」


と返すとガバッと起き上がって俺の手を握り締め


「イチロさんがいい人でよかった・・・」


と言って泣き始めてたりする。

最初会った時のクールなイメージが今回で全て壊れさっていったが、ここまで喜ばれると何か怖い気もするが。




「多分、イチロさんは今回の話の重要性がわかってないと思います」


いきなりダメ出しか。


「人の意識改革のお手伝いだろ?別に死んでるわけではなくて、アーレンと仕事の時だけ幽霊になればいいから体力もお金も時間も使わないっぽいし別に協力するくらい問題ないぞ」


「宇宙創生の話すっ飛ばしたでしょ、そこが大事だったのに」


「そんなに大事なところだったのか、あれ」


「そうです。

簡単に言うと、私とイチロさんがしくじると

双子宇宙の均衡が崩れてしまう恐れがあるから、結構やばいんですよ」


「そんな重要な仕事をやってる割には、ミスしてるじゃないか」


「これは、不可抗力です。2回目は仕方ないですけど。

だから、イチロさんを巻き込むのは本当に申し訳なくて」


「別に今更幽霊だから死んだりしないんだろう?」


と聞くと真顔で、何言ってんのみたいな表情になって


「死にますよ」


「え?」


「半非物質だって死にますから」


「それ困るが、今から断ろうかな」


「それは勘弁してください、私が困ります」


「そんな危険な仕事なん?」


「時と場合によっては。だから、ひたすら謝っているんじゃないですか。

これからの仕事は気を抜いてはいけませんよ」


「そう言われても、何やればいいのかわからんがな」



その後、仕事についての話をする前に「ちゃんと肉体に戻れるのか」について聞いてみると


「ポータルで半非物質状態で向こうへと送り出した後に、現地でスーツを蒸着することで肉体が再生されるようにしてます」


「スーツ?蒸着?」


「前回UFOを使って地球へ行って、地球上で元素を集積し肉体再生しましたけど。

あれは大きいのと、照射タイミングがズレるといけないのでタイミング合わせが面倒でした。

一度きりならあれでもよかったんですが、今後しょっちゅう行き来するならもっと楽にしないといけません。

なのでイチロさんが一人入れるような形のスーツを作り、それを半非物質体に蒸着してもらうことで肉体が再生される、ということが可能になりました」


「蒸着って?」


「イチロさんの記憶にある情報で、最も短時間でスーツを纏う手法が蒸着でしたから」


「宇宙刑事か・・・」


「前回地球に送ったUFOがそのまま母艦のように半非物質形態で常時近くにいますから、いつでもどこでも可能ですよ」


「まさにコンバットスーツか」


「一度それで戻ってみます?」


「掛け声とか必要なん?」


「そんなの必要ないですけど、あったほうが落ち着くなら言っても支障はないと思います」


そうか、ちょっと言いたい気もするけど。


今回の「仕事」については、別次元で行う話なので時間の経過なども肉体の消耗なども一切ないはずなので、俺は日常の仕事をしつつ同時に行うことができると言われ安心する。


とりあえず、

詳しい話はまた明日にでも、という話をして元に戻してもらうことに。


「では、またすぐ呼び出すかもしれませんが、一旦肉体がに戻れることを確認してください」


と言われ、ポータルを用意される。


中に入りながら「蒸着!」とか言ってみると、さっき座っていた会社のデスク前に戻ってきた。

が、なんか視界が違うぞ。

ヘルメットのバイザー越しのような視界。

そして下を見ると

手が、体が、銀色のメタリックなものに覆われている!

これは、本当にコンバットスーツ蒸着したのか?

これ脱げるのか?


一瞬焦った後に、それらは細かい粒子となって消えていき、普通の仕事で身につけているスーツ姿へと変化していった。


焦った、あのまま生活しないといけないのかと思った。


目を閉じて、改めてさっきまでのことを思い出してみる。

今回は記憶がある。

さっきまでの話の内容も思い出せる。


うーん、


これを記録して本にするか、それともとりあえず家に帰るか。

腹も減ったような気がするし。

と考えていたら、たまたま同じフロアに同期のメイコがいるのが見えた。

自分の身長が高いのを気にしてるが、明るく話しやすいので俺はちょくちょく飯食いに行ったり会社の話をすることもあったりするが、男女の関係までは行ってない。


飯でも誘ってみるかな


と、俺にとってはそんなオカルトな話よりも目先の女子との会食の方が大事なので、さっき聞いた話は気にしないことにした。


アーレンから仕事の話が来たらやればいいんだろうし。

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