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第17話 食欲<性欲

<第17話>


農作物は交易用と言われているが、ジューシーそうな果実とか、野菜とか結構食べられそうなものが実ってるように見えるが。

あれらは他の集落、地域へと出荷されていき、ここのヤギ足の人達は「プラント」というところで配給された食料を食べて生きているという。


俺もそれをもらえるらしいので、アーレンと一緒にプラントへ向かうが。

なぜか、


ヤギ足の女の子たちから熱い視線が向けられてるような気がしないでもない。

確かに集落にいると頭二つ分くらい背が高いので、俺からすると2.5mくらいの巨人がやってきたみたいな感じになるのだろうか。

顔立ちは地球人と変わらない。ツノがあったり下半身がヤギな以外は胸も普通にあったりなかったりするし、大きい子もいるし。上半身は人間と変わらない。

それらが強調される薄着で集落を徘徊してるんで性欲があってケモナーな感じの人からするとたまらん地域なのかもしれない。


が、俺はノーマルで、今は半非物質状態の体なので、肉体がないため性欲も減退中。

だからそんな視線を向けられても特に笑顔を返すくらいしかできないわけで。


すると、隣でアーレンがため息をついている。


「どうした、モテモテの俺の様子に嫉妬したか?」


「嫉妬という感情は26000年前にレムリアで消えました。

いや、思いの外イチロさんモテモテで困ったなと」


「なんで?」


「夜になったらわかります、まずは食事して落ち着いてからにしましょう」


と言われ、プラントにつく。


そこには蛇口のようなとこからお粥みたいなものがどろっと出てくる仕組みになっていて。

入り口で受け取った食器にそれを注いで、どこかの囚人映画とかでみたことのある長テーブルの好きなとこに座って食するのだ。

ハリウッド映画の刑務所のような雰囲気。

なんか、カレーを腹一杯食べる漫画とかでみたことあるな。


映画マトリクスの現実世界での食事風景じゃん


と思えるような、飾り気のない長テーブルでお粥を啜って、終わったらい食器を洗浄機に放り込んで退出する。


食事に全く娯楽要素もなく、ただの栄養補給のためのエリアという感じだ。


「なんで、この人たちこれで満足してるんだ?」


「食欲、食事に対しての欲求を減らすと人間の欲はどこに向くと思いますか?」


スプーンのような金属製の食器を宙でくるくる回しながらアーレンが聞いてくる。

俺はうっすら塩味の麦がゆみたいな味を噛み締めながら、


「人間の三大欲求だと、性欲、食欲、睡眠欲、か」


「食欲がなくなると、性欲と睡眠欲にその分が振り分けられますけど、睡眠欲ってあまりコントロールできないでしょ。

そうなると性欲に向くわけ」


「えっちな本とかえっちな二次創作とかえっちなビデオとかがたくさん出回るのか」


「・・・あなたの国じゃないんですから。

なんでこの人ら下半身真っ裸だと思ってるんですか」


「まさか、やる気になったらすぐ行動なのか?」


「そうです。その気になったら2秒で合体よ」


「アダルトビデオのタイトルにそういうのあった気がするな」


「だから、さっきイチロさんが愛想振り撒いてたけど。ここだったらお互いニコッと心通わせたら即合体、ですからね?そこ気をつけてくださいよ」


「そうか、そんなAVみたいな世界が存在したのか」


「だから、夜は一緒に寝ますからね」


「俺に嫉妬して欲情したのか?」


「なわけないでしょ。夜になったら、さっき笑顔を向けられた子たちが「交尾」しに押し寄せてくるから。わたしと行為中という感じにして誤魔化すのです」


「俺が相手してもいいんじゃないのか?」


「立ちます?」


「・・・獣の下半身はちょっと趣味じゃないな」


「ほら、そんな状態だと「不能」と判断されて集落から追い出されます」


「なんで」


「ここでは「生殖能力がないもの」は存在してはいけない集落なのです。きたものは子孫を残すことが必須」


「恐ろしいな」


「だから、夜はわたしに任せてください」


「うん、わかった」


なんだか、恐ろしくなってきたぞ。

知らない集落で知らない習慣があるというのが異世界感があるが。

そもそも、なぜにあんな質素な食事を強制されているのか。

詳しくはここでは話せないということだったので、集落を移動した時にアーレンに聞くことにしよう。



そして、その夜はアーレンが俺の耳を塞ぎ、目を塞ぎ。

きゅっと抱きしめた状態で一夜を明かすこととなる。


理由は、カーテンの向こう側で夜通し繁殖活動が行われていたからだ。


他所からの地域から来た住人、特に男は必ず襲われるらしく。子種をよこせと、なんか妖怪のような感じで夜這いにやってくる。

そのまま子供を作るために定住してしまう人もいるとかいないとか。


なんともはや、俺に性欲なくてよかったと思うくらい激しい状況。

AVだったらハーレムものっぽい展開になりそうだが。


で、俺はそんな音が聞こえないようにアーレンがしてくれて、そしていかにもその最中のような姿勢で二人ぎゅっとなった状態で夜を明かしていた。

なので、他のメス個体が入ってきても「なんだ行為中か」で出ていくようにしておいた次第。


カーテン開けて勝手に次々入ってくるので、プライバシーとかそういうの存在しない地域らしい。

しかし、多人数プレイはなくて必ず1対1なのが律儀なのか、何かそういう戒律でもあるのか。


アーレンの柔らかい体を感じつつ気持ちよく眠ることができたが、アーレンの方は寝不足になり。

翌朝はかなり理不尽な扱いを受けることになってしまった。





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