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第15話 半人半獣



<第15話>


ヤギ足の二人が、こちらにやってくるが砂の上なのでヒヅメが砂に取られて少し足もとがおぼつかない。

他の人が歩くのをみると、俺たちがスムーズに砂上を歩けていたのはチート能力的なものなのだろうと感じられる。


「君らはどこの部族だ?足の形が違うようだし見慣れない服だが?」


ロケットランチャーを抱えていた方の人物が頭巾を外しながら質問してくる。

頭巾の下は小さな羊のようなツノが頭に生えている、癖毛な赤毛の少年という雰囲気だ。

銃口をこちらに向けたロケットランチャーの引き金には指をかけたまま。

警戒は解かれていない。


見た目はまんまサテュロスだな。


もう一人も頭巾を脱いでこちらに近づいてきたが、こっちは少女らしい顔つき。

よくみると革鎧の胸の辺りの作りが異なっているのがわかる。

長い鎌を背に担いでいるが、何かあったらすぐに振り下ろせるように構えは解いていない。


今自分たちは二人の間合いに入っており、変な動きをした瞬間に首が飛ぶかロケット弾で粉々か。


とりあえず言葉は通じるようなので両手を上に上げて


「砂漠で迷っていたんだ、水脈を辿って集落に行こうとしてたところだ」


彼らは俺たちの足元をジロジロと見て

特に俺のスーツのズボンとアーレンのスカートをジロジロ見て何か考えてるようにして


「その軽装で砂漠を歩いてきたのか?」


確かにそう見られかねない。俺はスーツ姿に革靴だし、アーレンはサンダルなのだから。


なんて言ったものかなーとアーレンを見ると一つ頷いてから


「私たちの集落が壊されてしまい、それで着の身着のまま逃げてきたのです。

それで必死に逃げてたところ、水路を発見したのでそこを頼りにここまできました」


「あいつらにやられたのか?」


「はい、集落から逃げるときはギャロットに乗っていたのですが、それがさっきの機動歩兵にやられてしまい、逃げていたところです」


なんとも嘘をすらすらと語っているが。

ギャロットって、さっきのホバーバイクのことなんかな?


「そうか、それは大変だったな。近くに同じ種族はいないのか?」


「はい、私たちの種族はかなり特殊なので・・・」


「確かに、俺たちも近くで君たちみたいなのは見たことないな」


と言って少年と少女は目配せしてる。

というか、小柄だから若いと勝手に判断してるけど、この二人は少年と少女なんかな?


「このままここにいても危ないだけだ、これから俺たちの集落に来るといい、しばらく滞在もできるようにしてやろう」


そう言ってまた頭巾を被り直し


「この水路を辿っていくと、三キロくらいでたどり着く。先に行って長老に話しておくから後で来てくれ」


と言って二人はギャロットと言われる乗り物に乗ってさーっと集落の方向へ移動していった。

翻訳機能があるのか、勝手に馴染みの単位に距離が変換されて聞こえてきたけど。


一緒にのせてあげましょうか、とか連れていってあげますよ、とかないのか。

割と薄情な人らだな、とかアーレンにこぼすと


「得体の知れない人をのせて、ギャロット奪われたらダメでしょ。

それに、種族が違う相手に対して警戒するのは当たり前ですよ」


「種族、あれはサテュロスじゃないのか?」


「イチロさんの認識ではそれが近いでしょうね。このメガラニカにはあの種族が一番数が多くてたくさんの集落があります。それに、いろんな姿の種族がいるので私たちの姿を見ても驚かなかったのでしょうし」


「なんで彼らが一番多いんだ?」


「繁殖力が強いからですよ」


「ああ、なんか伝説でもそういう話あるよね。性欲が強いというか繁殖の神様的なノリがあったような。だから下半身真っ裸なのか?」


「いつでもどこでも、その気になったら繁殖ですからね。履いてる方が面倒なのでしょう。イチロさんのズボン見て何か怪訝そうな顔してましたもんね」


「あれ、砂漠を歩いてきたから足元確認してたんじゃないのか」


「繁殖に不似合いなズボンとか履いてるから、この二人は急に盛ったらどうするんだろう、変わった人だなと思われたんですよ」


「・・・価値観違うと見てる視点が違うんだな」


「私たちが男女だったのもあまり警戒されなかった理由ですね。彼らは男女での移動が基本ですから」


「それは、その気になったらすぐできるから、か」


「ええ、彼らの基準だと私たちはそういう関係に見えるわけです」


「価値観の違いではあるが、すごいな」


「そういう世界だと思って、そういう対応してください」


などと会話しながら、地下水路の整備用井戸を辿っていくと丘の下の方に集落が見えてきた。


小さなオアシス、池があってその周りに質素な木造の建物と畑のようなものが確認できる。

村の周囲には堀とバリケードのような塀が作られていて、環濠集落っぽい。

堀を隔てて橋がかかっていて、そこを通って出入りするようであるが

近づいてみるとそこの門は閉ざされていた。


見張りが俺たちの姿を見ると、一人が中に入っていき門を開けてくれる。

さっきの少年(と思うが)が話を通してくれていたのだろう。

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