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聖女に転生しましたが、どうやらストーカーも一緒だったようです  作者: よるです。
三章【女王は同じ傷を持つものを愛す】
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メアリーアン

どうしてこうなったのか。


結奈(ゆいな)は苦虫を噛み潰したような顔で目の前の男を睨み付けていた。

男は綺麗な顔とは裏腹に眉をひそめながら面白そうにニタニタと口角を上げている。

そして、そんな結奈を嘲笑うかの如く、寝具はギシッと音をならす。




 ………… 




数十分前…


冷たい牢屋、薄暗い牢屋。

そんな空間に数ヶ月間閉じ込められ続けている結奈の心はこの牢屋と同じく冷たく、そして色褪せていた。

結奈はいつもどうり、何もない、代わり映えのしない天井を見つめ続けていた。

すると、重い扉を開ける音が聞こえた。扉の向こうには胡散臭すぎる笑みを浮かべるサーカンスがいた。

きっとこの笑みを見知らぬ人が見たらうっかり惚れてしまうだろう。

結奈は無表情でサーカンスを少しだけ見つめた後、小さく口を開いた。


「…本が読みたいです。本を下さい。無理なら一発芸でもやって下さい」

「相変わらずですね」


サーカンスは呆れたようにため息をついた。

そしてゆっくりと結奈の元へと歩みを進めた。 


「メルーナ様、私だってこんなことやりたくないんですよ?しかし、貴女が大人しく私のお願いを聞いて下さらないので、私は心が痛いですが貴女を無理矢理にでも従わせる事を決めたんですよ。

あぁ、心が苦しいです…」

「神様の物真似ですか?びっくりする程似てないですね」


結奈は怯えずサーカンスを馬鹿にした発言をする。


「そうやって偉そうな口を聞けるのも今だけですよ」

「こわーい」


結奈は感情がこもっていない声を上げる。

そうしている間にサーカンスは結奈の首、手、足を頑丈に押さえている鎖を外す。

鎖が外されは結奈は寝転んでいた硬いベッドから起き上がり両手を上に上げ身体を伸ばす。


「どうです?鎖がついていない久しぶりの身体は」

「物凄く軽いです。これからは鎖を着けずに過ごしましょうか」

「逃げるでしょう?」

「何度言わせるおつもりで?私はもう、どうだっていいんですよ、そんなこと」


結奈フッと鼻で笑う。

サーカンスはそんな結奈を軽く睨み付けながら結奈の肩に触れた。その瞬間、真っ暗な部屋から赤を基調とした部屋へと移り変わった。


「…目がチカチカする」

「目が退化したのでは?私が抉り取って差し上げましょうか?」


サーカンスは自身の部屋にある、ふかふかのベッドに座っている結奈の顎を無理矢理掴み上を向かせた。


「…痛いです。離してくださいません?」


結奈がイラついた様子でサーカンスに離してくれないかと問いかけたその瞬間、結奈の視界は大きく動いた。

結奈は一瞬自身の状況に理解が出来なかったが、目の前にあるサーカンスの顔を見てすぐに状況を察した。


結奈はサーカンスに押し倒されたのだ。


「…どういうおつもりで?」 

「純真無垢な聖女(アリス)にはこの後の展開は理解出来ませんか?」

「……きも」

「そりゃどうも」


サーカンスは結奈を見下し笑みを浮かべる。


「…ふはっ…私、ずっと気になっていたんですよ、やっぱり聖女は他の女とは違う感覚なのかを…

 最初は家畜か奴隷に襲わせる予定でしたが…貴女は私が嫌いなんでしょう?でしたら、私が直々に貴女の相手をした方が貴女的にもそれなりの傷にはなるでしょう?」


サーカンスは楽しそうに説明しだす。そんなサーカンスにたいし、結奈は化物を見るような目を向ける。


「…ごみ溜めにたかってろよ、ハエが…」


結奈は生まれて初めて、他人に対しこれ程の嫌悪感を抱いた。


「おぉ、怖い」 


余裕の笑みを浮かべるサーカンスに対し、結奈はもう一度醜い言葉を吐き捨てようとしたが、その言葉はサーカンスの一言により書き消されてしまった。




「…貴女、()()()()()()()()()()()()()()


ヒュッと空気を飲み込む音だけがなった。


「…どうしてバレたのか…貴女は今そう思っているでしょう?」


サーカンスは結奈の態度から図星なのを理解した。


「初めて見た時から、なんだか違和感を感じたんですよ…身体と魂…その二つが噛み合っていないことにね…」

「…………」


結奈の心臓は恐ろしいほどの速さで鼓動し、全身から汗が吹き出てくる。


「正直な話、私はどうだっていいんですよ、貴女が本物の聖女(アリス)であろうとなかろうと…祈っていただければそれでいいですからね。

しかし、貴女がまだ意地を張るおつもりであれば…この事を貴女の大切なお友だちにチクっちゃうかもしれませんね」

「…………」


結奈の顔は酷いほど青ざめ、口をハグハグと動かしている。


「…酷い顔ですよ…美しい美貌が台無しです…まぁ、その美貌は貴女の物ではありませんが」

「……誰のせいで」

「私のせいですね」


サーカンスそう言い結奈の腰に手を滑らせる。


「なッ!やめ―」

「隠していた正体が嫌いなヤツにバレた挙げ句、間髪開けずに嫌いなヤツに犯される…

可哀想な方…ですがわがままを言い私を馬鹿にしたのは貴女ですよ?今さら謝り後悔しても遅いですからね?」

「…ハッ…後悔なんてするもんか、発情犬が、キモいんだよ」


結奈は身体を捻り逃げようとする。

しかしサーカンスに首を捕まれてしまった。


「…馬鹿な女」


サーカンスは嘲笑いながら結奈の服に手をかける。

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