ペアリング
二人はお洒落なレンガ道を、手を繋ぎなから楽しそうに歩みを進める。
「じゃあ!次はアクセサリー見に行こ!」
「うん!じゃあさ!次は私がリリーナちゃんに似合うアクセサリーを見つけるから!」
「本当?嬉しい!!じゃあさじゃあさ!お互いがお互いに、似合う【ペアリング】を探そうよ!」
「ペアリング?!い、良いの?!」
「もっちろん!」
「リリーナちゃん…♡」
結奈は宝物を見るかのように、目を細め、頬を染る。
「んふふ、ルーちゃんとのデート楽しいなぁ!」
「リリーナちゃん…嬉しい…私も、リリーナちゃんとのデート、とっても楽しいよ!」
二人はきゃっ!きゃっ!と笑い合う。
そんな様子の二人に町に出向いている人々は、眩しいと言わんばかりに、二人に見惚れ、見つめ続ける。
「何という美しさ…まるで絵画のようだ…」
「素敵…これが世に聞く楽園という物…」
「目がぁ!!目がぁ~~!!」
町中は騒がしくなるが、結奈とリリーナは二人の世界に入っているため、二人の耳には入ってこない。
「…………楽しそうだね…」
…勿論、不気味に二人…否…【結奈】をニタニタと見つめ続ける【一人の少女】の声にも、二人は気づかなかった。
………
「う~ん、どんなのにしよう…」
結奈は今、ジュエリーショップにて、指輪のあるコーナ-に一人佇んでいる。
店に入ってからすぐにリリーナとは一旦別れをし、お互いに似合う指輪を探し合っている。
(あんな自信満々に【リリーナちゃん似合うにアクセサリー見つけるから!】なんて豪語した癖に、全然決まんない…)
結奈は頭を抱えながら悩む。
(リリーナちゃんをイメージした宝石…黄色の宝石とか…?)
結奈はリリーナの瞳を思い出す。
リリーナの瞳は太陽のように輝き、暖かさを持つ、黄色の瞳。
リリーナのつり上がった猫目ととても相性が良い瞳だ。
(よし!黄色の宝石が付いた指輪を見つけるぞ!)
結奈は両手をグッと握り、気合いを入れる。
奈はメルーナの長いサラサラとした長髪を耳にかけ中腰になり、黄色の宝石が付いた指輪をじっくりと観察する。
(…まぁ、見たところで何も分かんないんだけどね…)
結奈は自身の意味のない行動に苦笑いを浮かべる。
「何かお探しで?」
「ヒャア?!!」
結奈は背後から声をかけられ、いきなり肩に手を置かれた事に驚きを表しながら、小さな可愛らしい悲鳴を上げる。
「驚かせてしまい申し訳ございません」
「えぇ?!あっ!いえいえ!大丈夫ですよ!」
結奈は自身に謝罪をする店員の下がった頭を上げさせる。
「すみません、どこか悩んでいる様に見えたもので…」
「あ、ありがとうございます!えっと、じゃあ…と、友達に黄色の宝石が付いた指輪を送りたいんですけど…何かおすすめってありますか?」
「そうですね…では、そのご友人はどのようなお方でしょうか?」
「えっと、彼女はとても明るく元気で、まるで太陽のような暖かさを持った…私の宝物です…♡」
結奈は愛しのリリーナを思い浮かべる。
「なるほど、かしこまりました、ではイエローダイヤモンドはいかがでしょうか?」
「イエローダイヤモンド…?」
「はい、イエローダイヤモンドには、永遠の幸せ、深い絆、などの意味が含まれております」
「そうなんですね!」
「はい、お客様はそのご友人の事をとても大事に思っていらっしゃるようなので」
店員は結奈に優しく微笑みながら説明をする。
「イエローダイヤモンド…いかがでしょうか」
「はい、ではそれにします!」
「かしこまりました、では少々お待ちください」
店員は結奈に軽く頭を下げ、その場から離れていった。
(ドキドキするなぁ…リリーナちゃん、喜んでくれるかなぁ…)
………
「ル-ちゃーん!」
リリーナはまるで数年振りの再会かのように、結奈に飛びつく。
「リリーナちゃん!!」
「ル-ちゃん!!ル-ちゃん!!指輪選んでくれた?!」
「勿論!!」
ジャーン!と結奈は綺麗にラッピングされた箱を取り出す。
それにあわせてリリーナも同様ラッピングされた箱を取り出した。
「交換!!ル-ちゃんどうぞ!」
「ありがとう!はい!どうぞリリーナちゃん!」
結奈はリリーナから箱を受け取り、ラッピングを剥がす。
箱の中にはキラキラと輝く綺麗なブルーの宝石が付いた指輪が入っていた。
「綺麗…」
結奈は宝石の輝きに心を奪われる。
宝石が綺麗なのもそうだが、リリーナが自身のためにこの指輪を選んでくれたと考えると、宝石はさらに輝いて見えた。
「わぁ!凄く綺麗!!」
結奈が顔を上げると、リリーナが指輪を空へとかざしていた。
「ル-ちゃん!とっても綺麗!!ありがとう!!」
「フフ…こっちこそ…綺麗な指輪をくれてありがとう」
結奈は頬を染め、うっとりとした表情を見せる。
「ねぇねぇ、ルーちゃん、付け合いっこしよ!」
「わかった」
二人は指輪を入れ替え、お互いの指に指輪をはめる。
「…んふふ」
リリーナは指輪が付いてある自身の指を眺めながら、満足そうに笑みを浮かべる。
「ル-ちゃん、今日着いてきてくれてありがとう!またこうやって一緒に遊びに行ってくれる?」
「勿論だよ!」
「本当!…嬉しい!嬉しいよ!ルーちゃん!」
リリーナは結奈は両手を包み込み、嬉しさを表すかのように、ピョンピョンと跳び跳ねる。
「じゃあル-ちゃん!!次はカフェに行こ!」
「うん!」
パシッ!
「きゃあ!!」
「ルーちゃん?!」
二人がカフェを探しに走り出そうとした瞬間、結奈の細い腕が誰かに掴まれた。




