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第8話 家に帰ってドリルに戻ろう

読みに来て頂きありがとうございます。


>自宅に帰り再びドリルに挑む事にした。

 小学三年生になると一気に科目が選べるようになっていた。


 国語・算数・社会・理科・英語


 ……そうか。今の小学生はこんなに早く英語を教わるんだ。


 全てのドリルを出す。


 先ずは基本となる国語から始めて次に算数にしよう。



 国語は漢字が増えて問題が読みやすくなったからかスムーズに進められた。


 算数はそろばんが出てきた。懐かしい。

 簡単な計算を暗算で解こうとしたら文字が書けなかった。監視されているのだろう。真面目に進めますか。


 ジャッと五珠を上げて、パチパチと珠を弾くのは新鮮だ。

 昔は振って楽器にしてみたり、逆さまにして滑らせて遊んだな。怒られたけれど。



 次は……薄いから社会に挑みますか。


 ……その判断が甘かった。




 小三の社会のドリルは十数ページしかないのですぐにで終わるだろう。


 警察や消防の仕事の説明文の穴埋めなどは簡単だった。


 楽勝~と思った所で「地図記号」!


 ……ほとんど覚えていない!


 選択式では無いから思った以上に厄介だ。

 「Y」の上部が湾曲しているが消防署?さすまた使うのって警察では?

 交番と警察署でも違うんだ……

 工場と思ったらただの煙突か……


 教科書や参考書が無いから何度も繰り返す。

 近い答えなら△が付くからそれをヒントに回答を導き出す。

 約60個あった記号に全て○が付いた頃にはかなり時間が経過していようだ。

 どれくらい時間がたっただろうか。


 合間に少し寝したりご飯は食べたけれど……あ、パンはすごく美味しかった! 今度はお金を払って買ってみよう。

 合間の気分転換に何度か百マス計算のタイムトライアルも随分した。少しずつ早くなっている!


 ちょっとのつもりがムキになっていたらしい……気をつけよう。


 そうだ。

 一旦、ステータスを確認してみよう。



****************************

ニコ(谷中 虹琥)

Lv.176

16歳


<スキル>

神との交信(トータルレベルx10秒)

学習ドリル Lv.12→国語(小学4年まで)

         算数(小学4年まで)

社会(小学4年まで)

理科(小学3年まで)

英語(小学3年まで)

識字 Lv.3(自国語の文字は読める)

会話 Lv.3(自国語の会話ができる)

思考加速 Lv.3(任意で1時間、通常の60%の思考能力が向上)

心眼 Lv.2(ある程度の速度を目で捉えられる)

方向感覚 Lv.1(地上半径1km以内であれば道に迷わない)

索敵 Lv.1(半径50m内の危険を察知できる。おおよその位置もわかる)

****************************


 一気にレベルが上った上に社会をクリアしたらスキルが2つも増えた!


 新たに増えた方向音痴気味の僕には「方向感覚」はとてもうれしいスキルだ。

 索敵も冒険に出かけるならば絶対に必要だけど敵がいなければ意味なさそう。

 街中には身の危険はないと思うけど索敵を使ってみようかな?


「索敵」


 ……おぉ。何となくだけれど人の位置が感覚的に分かる気がする。

 街中だから沢山の人がヒットしている。

 思い描いた感じではどれも緑っぽい点で見えている。あくまで感覚的なものだけど。


 ……あれ、赤い点が近づいてくる!?


 家の前!?


 ドンドン!


 扉を叩いている!?開けない方が良いかな……


 バン!

 

 思いっきり叩いてる……逃げるか? 


 バンッ!!


 ドアが開いた!鍵はかけていたはずなのに!?



 立っていたのは食堂のケイトさんだった。

 


 ケイトさんは僕の目の前までズカズカッと進んできた・・・近いっ!


 折角の「心眼」を使う余裕が無かった……。



「なんでウチに来ないの?」


 え?


「あれから三日経っているよ?」

「え?」


 そんなに経っていた!?


「あれ?」

「あれ?じゃないでしょ! 毎日顔出してって言ったよね?体調は良さそうだから寝込んでいた訳ではないでしょ?」


 夢中になり過ぎていて約束を忘れていた……本気で心配して来てくれたんだね。大反省。


「倒れてたりしてなかった?大丈夫?」

「はい。色々と勉強をしていました。睡眠も食事もしていますから大丈夫ですよ」

「そう?それならいいけど」


 あれ?バスケットを持って来ているのはもしかして?


「これ、持って来たから食べて!」


 ブンッ!って音がしそうな勢いでバスケットを差し出された。


「開けてみていいですか?」

「……どうぞ」


 開けてみると食堂で美味しかった物が詰め込まれていた。


「湯気が立っている…急いで来てくれたんですね。ありがとうございます!」

「……」


あれ?


「…………」


 返答間違えた?

 あ、そうか!


「一緒に食べます?」


 お腹空いてるんですよね!



「……言葉」


 言葉?


「なんで他人行儀な言葉に戻っているの!?」


 あれ?


「友達になった時に止めようって約束したよね?怪我して忘れちゃった?」


 あぁ、そうなんだ。そんな約束をしていたんだね。


「怪我をしてからまだ記憶が混乱しているみたい……ごめんね」


 間違ってはいないと思うけど心苦しい。


「怪我をして……そうだったんだね……私もごめんね」

「多分、忘れている事が多いから前と違って感じるだろうけれど許してね」

「うん……分かった」


 よかった。それなら、


「一緒にご飯食べない?」

「うん……食べよ」


 色々な事を話しながら一緒にご飯を食べた。



 誰かと食べるご飯はやっぱり美味しいな。

いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。

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