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第70話 ケイトも一緒に女神様とお話ししよう

読みに来て頂きありがとうございます。


>女神様をスキル「神と交信」で呼んで話しをしていた所に食堂のケイトが来た。

「先ず、こちらはスー姉様。僕の遠縁の方でたまたま遊びにきていたんだ」

「スーです。よろしく」


 女神様とケイトはリビングのテーブルを挟んで座る。僕はケイトの横に座った。座らされた。


「……ニコ、この人は貴族?」


 こっそり聞いてくる。


「……貴族ではないよ?」

「そうなんだ、でもとても偉い人に感じる……」


 鋭いね!


「私は……」

「ケイト、よろしくお願いしますね」


「は、はい? よ、よろしくお願いしま……す?」


 ケイトの反応がおかしい?


「……ニコ、なんで私の名前知っているの?」


 また、こっそり聞いてくる。


「さっき、来た時に名前を言ったからだよ」

「そ、そうか……」


 モジモジしている。

 入ってきた勢いは何処に行ったんだろうね!



「いつもニコの事を気にかけてくれて感謝します」

「い、いえ、滅相もない……です」


 ケイトはモジモジしながらまた僕に寄ってきて、


「……ニコ、なんで私の事を知っているの?」


 再び、こっそり聞いてきた。


「あぁ、以前にケイトの事を話していたからかな? おいしい食堂の元気な看板娘がいるんだよ、って」



「そうなんだー可愛い元気な看板娘だなんて照れるな~えへへ」


 「可愛い」なんて言ってないけれど嬉しそうだからそのままでいいか。

  あ、でも豪放磊落な性格だから忘れやすいけれど整った顔立ちに金髪碧眼は高貴な雰囲気のある美人さんなのは間違いない。


「そういえば今日はどうしたの?」


 ケイトの訪問理由は聞いていなかった。


「ニコ、その前にケイトにお茶と追加のお菓子を」

「あ、すぐに用意しますね!」


 聞きそびれた。

 多分、会えてなかったから様子を見に来てくれたのかな。


 僕が食料庫でこの世界で出して問題無さそうなお菓子を選んでお皿に盛って、キッチンでお茶を淹れているとスー姉様とケイトは食堂のメニューについてケ花を咲かせていた。

 スー姉様は食べるの大好きだものね! あ、こっちを睨まないで!


 そう言えば、ケイトって普通の街娘なんだろうか。あの怪力は特殊な力なのだろうか?


 こっそり。スキル『鑑定』。


>ケイト・ルミリア:ルミリア王国王女。食堂「まるいひつじ亭」の看板娘。現剣聖の娘。次期剣聖。力が以上に強い。ニコが好き。


 王女なんだ……ん?……王女? ……王女様なの!? その上、次期剣聖!?


 スー姉様……女神様を見る。


 あ……ニヤリとこちらを見ている……!!



「でも、ケイトって見目麗しくて王侯貴族らしいですよね」


 女神様、踏み込んだ!?


「え? 見目麗しい……初めて言われた! ニコ、私って貴族っぽい?」


 立ち上がってカーテシーだっけ?淑女っぽい礼をしてみる。

 サマになっているな……って、聞かないで! 


「そ、そうだね。見える! 見えるよ!!」


 貴族以上なのだし!

「そんな力強く言わなくても……うん。でも街の食堂の娘じゃ程遠いね」


 ストン、と座り直した。


「家系に貴族はいないの?」

「昔からの食堂やっているんだよ? 無い無い」

「そうなんだ」


 本人は知らないようだ。両親も知らない? それはないと思う。


「お貴族様だったらお嬢様っぽいドレスとか着てみたいよね! ご飯はお父さんの方が絶対美味しいと思うけどね!」


 貴族より上なんだけどなー。そして食堂には貴族も食べに来ているからお父さんの方が美味しいのは間違いないと思う。量もね。


「そんなにお店って昔からやっているの?」


 気になるから少しだけ質問してみる。


「詳しいことは聞いていないけれど、うちの家はかなり昔から食堂を経営しているみたい」

「そうするとマスターはずっと料理をしているんだ?」

「そうだね。私が物心付いた頃からすでにお店の料理はお父さんが作っていたかな。あ、その前はお爺ちゃんがマスターをしていたんだよね」


 あぁ。あの「放浪の料理人」だね。


「お母様は? お会いした事がないけれど」

「ずっと旅に出ていてほとんど帰ってこないかな。知らない土地のお土産を買ってきてくれるから許しているけれど」

「何をしているんだろうね? ずっと旅に出ているなんて」

「ん~色々な街や外国を見て回っているらしいよ。その土地の人たちと友好を深めたりしてお友達を作っているんだって。街の食堂の女将さんなのに面白いよね」

「案外、この国のためになっているのかもしれないよね」

「そうかもしれない。物凄く人懐っこい性格だから」

「ケイトはお母さんに似ているのかもしれないね!」

「そうなのかなー。そうだといいんだけどね」

「あ、そうだ。お母さん、剣の扱いがものすごく上手いんだよ! 旅の自衛の為に腕を磨いているだって」

「そう言えば、ケイトもお店で剣の勝負を挑まれていたね」

「そう。私はお母さんに教えてもらったの。そこそこ強いと思う」


 剣聖はお母さんなんだろうな。その血を引き継いでいるんだろうね。


 ケイトは王族。おそらくマスターは王様、お母さんは女王様で剣聖。「流浪の料理人」ことお爺様は前マスターで前国王で間違いない。


 でも、食堂の主人が王様? この国の運営ってどうなっているんだろう。食堂に偉い人の出入りは……ある。けれどいつもご飯を食べたり飲んでいるだけだけで政治の話しをする時間は無いと思う。


 気になるけれど自分から近付く事はしないでおこう。虎の尾は踏まない。君子危うきに近寄らず。


「今更なんだけどさ、ニコ。なんでお化粧してカツラを被っているの?」


 あ! すっかり忘れていた!!


「あ、とっても似合っているからね! そもそもニコに会いに来たのはお店で女の子の格好したニコを見かけた人が何人かいてね。気になったんだ!」


「え……お店でも広まっているの?」


「う~ん。一部の人?」


 これは相当広まっている!


「これは今日の仕事で依頼されたから止むを得ず……」


 依頼から始まっているから間違っていない。


「そんな依頼もあるんだね……ニコも大変だね」

「うん……大変」

「でも可愛いからいいね! 噂ではスカート履いてたって聞いたから今度、よろしくね!」

「グー!じゃないよケイト! スー姉様もグーってしない!!」

「じゃ、私は可愛いニコが見れたから帰るね! まだお店終わってないし」

「途中で抜けて来たんだ……」


 ケイトが扉を開けた。


「あれ? ピリム!」


 僕も扉の外を覗くと「まるいひつじ亭」の制服を着た、短い茶髪で猫のような雰囲気の女性がいた。


「ケイト、マスターの命令で迎えに来た。帰るぞ」

「分かった。じゃあね、ニコ」

「ニコ、失礼する。マスターが近々来るように言ってた。報酬渡すのと依頼の相談あるって」

「分かりました。明日にでもうかがうとお伝えてください」

「承知した。ニコ、かわいいぞ」

「ピリムさんもサムズアップですか……見なかった事にしてください」

「それはムリ」

「……そうですか」


 ケイト達が帰っていった。もうお化粧はしない。絶対。


 そしてまた二人に戻った。


「スー姉様、ケイト、こちらの世界の人間に会って大丈夫なのですか?」

「神と分かるものは何も無いので大丈夫です」

「今後の問題にならなければいいです」

「記憶の操作は簡単ですからね!」


 さすが女神様ですね!


 それにしても……。


「見落としている、の意味を理解しました」

「まさか、だったでしょう?」

「まさか、でした」

「ニコはこれからどうするのですか?」

「情報も集めますけど勇者が戻るまではドリルを頑張って高校までレベルアップします!」


 グッ!と気合を入れる。


「無理はしないようにね」

「はい! スー姉様」

「……私としてはその呼び名のままでいいのですよ? ニコル?」


「ニコですって!」



 グー! じゃないですよ!

いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。

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