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第6話 外に出かけてみよう

読みに来て頂きありがとうございます。


>女神様に会い、その翌日は外出する事にした。

 翌朝、目が覚めたらまだ日が昇ったばかりのようだ。


 今日は外に出てみよう。ちょっと怖いけど。


 顔を洗い、服装は何が正しいか分からないけれどクローゼットから外着を選んで身なりを整える。革のショルダーバッグもあったので斜め掛けに肩から下げる。


 お金も少し持っていこう。

 リビングのチェストにお金が保管されていた。

 この世界に来てから確認していなかったけれど金と銀、銅でそれぞれ大小のサイズと数少ないけれど白金ぽい硬貨があった。

 白金ぽいのは超高額なんだろうと直感で分かる。虹色に光っているし!

 相場が分からないので白金以外を数枚ずつ一緒に保管されていた革袋に詰め、ショルダーバッグに入れた。


 ドアを開ける。

 さて、冒険の始まりだ! ……街の中だけど。



 家の前はとても良い匂いが広がっていた。

 お向かいのパン屋からだ。

 看板の文字も読めるようになっていてホッとする。


 う~ん。それにしてもいい匂い。急激にお腹が空いてきた!

 改めて世界が違っても同じ匂いなんだと思った。


 

「あれ?ニコじゃないか」


 お店からエプロンを着けたおじさんが出てきた。店主かな。

 背が高くて筋肉もすごい。眼光も鋭いから睨まれたら間違いなく腰を抜かす自信がある。本当にパン屋さんなのか!?。


……あ、でも言葉も理解できている!


 こちらも返さなきゃ。

 当たり障り無く「おはようございます」と言ってみた。


「おう、おはよう!」

 返ってきた。通じたみたい!


「夜、明かりが点いていたみたいだから帰ったんだと思ったんだよ!大怪我したって聞いてたから心配してたんだぞ!」


 取って食べられるかと思ったけれど本当に心配してくれていたのが分かる目だ。

 優しい目をされるとさっきまでの怖いと感じたイメージは吹き飛んだ。


「はい。先日帰ってきました。心配かけたみたいですいませんでした!」


 関係性とかいつもの接し方とか分からないから丁寧にしてみる。


「相変わらず礼儀正しいなぁ」


 正解だったみたい。


「これからどこかに行くのかい?」


 お腹が空いて、なんて言ったらパンを買ってけって言われるかもしれない。これから外を冒険するのに家の前で終わってしまう。

 だから少し濁す。


「生活にちょっと足りない物を買いに行こうと思ったところです」


 本当は全て揃っていて大丈夫なんだけれどね。


「そうか。じゃ。帰りにウチ寄りな!パンやるから」


「ありがとうございます。では後で寄らせてもらいますね」


 ニコリと笑い別れる。

 店長さんも笑顔で手を振ってお店に戻って行った。


 とても優しい。本当に心配してくれていたんだな。


 それにしても、自分としては日本語感覚で喋っていたのに会話になっているなんてすごい能力だ。どうなっているのかは本当に疑問。考えてもしょうがないけどね。


 さて、どっちに行けば料理屋さんあるんだろう。

人通りが多い方に向かってみよう。


この街のメイン通りが近いのだろう、人通りも増えて馬車も行き交っている。

匂いから沢山の飲食店が並んでいるみたいだ。


さて、どこにしようかな・・・と悩んでいたら、


「ニコ!帰ってきてたの!?」


 同世代っぽい女の子に声をかけられた。

 知り合いらしいけれど中途転生者の自分では名前を知らない。

 どうしよう・・・


 エプロンを着けた女の子は一気に距離を詰め寄ってきたかと思うと頭から足先まで眺め出した。


「怪我、大丈夫なの?傷は残っていないの??」


 すごい剣幕だ。


「……大丈夫、です」


 彼女はホッと息をついた後、僕の両肩を押さえるとこちらの顔を覗き込んできた。


「やつれているよ?ご飯食べてないんでしょ!?」


 まくし立てられた。そして腕をつかんで引きずるように目の前のお店に連れ込まれた。

 たしかにお腹は空いているけど。やつれてはいない、と思う。


「うちで食べてきなさい!はい、座る!!」


 空いた席にポンと座らされた。


 それにしても元気だなぁ。看板娘なんだろうな。

 三角巾に収めた金髪をまとめ直しながら厨房の方に向かっていった。


 店の中は思った以上に広く、多くの人がいた。朝早いうちから繁盛してるのはここで朝ごはんを食べてから仕事に行く人が多いのだろうと思った。

 街行く人達よりも中世風の革鎧らしいものやローブを着た人が多いからこれから仕事や冒険に行く人かな。ファンタジー世界の酒場のイメージ通りだ。ここはお酒が出るか知らないけれど。


 店の奥の方では何かを見たり話し合っている。気になるから後で行ってみよう。


 そんな光景を眺めていたら背が高い細身の男性が近寄ってきた。エプロンを着けているし金髪だからあの子の父親かな。


「ニコ、久しぶり。ケイトがごめんね!無理やり連れてきちゃって」


 ケイトって名前なんだ。よかった。すぐに分かって。


「いえいえ。お腹を空かして歩いていたので助かりますよ」

「そうなんだ。それじゃあよかった。ご馳走するから食べていってね」

「いえいえ!払いますよ!!」

「怪我が直って久しぶりに顔を見せてくれたんだし、なによりケイトが喜んでるからいいんだよ」


 手を振りながら厨房に戻っていく。


 その背中にありがとうございますと声をかけて料理を待つことにする。


 自分とはどんな付き合いがあったのだろう。

 元々人付き合いが得意ではないから十六歳からにしてくれたのだろうけど、今の自分は何かしらの過去があるようだ。今も奥に座っている見目の麗しい男の人がこちらに手を振ってきている。取り敢えず手を振り返しておこう。


 あ、こっちに来る……?


 デザインの施された革鎧が似合っている。腰に提げている剣も握りに綺麗な装飾が入っているのが見える。名剣なのだろうと思う。

 僕、そんな止事無(やんごとな )さそうな人と面識があるだね……。


「ニコ! この間はありがとう!」


 テーブルの横に座って笑顔で握手を求めてきた。よく分からないけれど敵意も無さそうなので握手を交わす。


「あの時、助けてくれなかったら危なかったよ」


 危なかった?僕は彼と何をしてたんだ?


「ゴブリン討伐だからと気が緩んでたからニコにサポートしてもらわなかったら危なかったよ」


 ゴブリンとは何とファンタジー!

 僕も冒険者的な生き方をしてたのかな?


「仲間は皆、君に臨時に入ってもらって感謝している」


 どうやら僕はこの人の仲間では無いようだ。


「僕は役に立ってちましたか?」


 何をしたのかが分かるかもしれないと疑問を投げかけた。


「役に立つどころじゃないよ! 正確で的確な判断は聞いていたよりも凄かった。何より僕も勉強になったからね。また依頼するからその時はよろしく!」


 席を立ち、去ろうとした時、


「そうだ。仲間と相談して君に追加で報酬を出すように決まったから後でマスターから受け取ってくれ。では」


 自分のテーブルに戻っていった。他の4人は所謂パーティーメンバーなのだろう。

 名前を聞きそびれたけど素直に「とても良い人」なんだと思った。


 でも僕はあの人と何をしたんだろうな。

いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。

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