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第54話 中学生のドリルも終わったので公爵邸に行こう

読みに来て頂きありがとうございます。


>女神から呪いの再発があと五日と宣告されてニコは中学生のドリルに挑んでいる。

 女神様から宣告されたミリア様の呪いが再発する期限の五日目になった。


 教科書と参考書のおかげでスムーズにドリルも進められて中学三年間分を二日半で終わらせる事ができ、残りは各教科を繰り返した。スキルのおかげだ。睡眠? 毎日数時間はとった。ケイトに知られたら怒られる程度だけど。『回復』と女神様の栄養ドリンクのおかげだね!


 ステータスを見ると気になってしまって手が止まるので見ていなかった。

 さて、どうなったかな? 『ステータス』

 


****************************

ニコ(谷中 虹琥)

Lv.1220

16歳

<スキル>

神との交信(トータルレベルx10秒)

学習ドリル Lv.43→国語(中学3年まで)☆

          数学(中学3年まで)☆

          地理(中学3年まで)☆

          歴史(中学3年まで)☆

          公民(中学3年まで)☆

          理科(中学3年まで)☆

          英語(中学3年まで)☆

識字 Lv.10(大陸内の文字は読める。古代文字も読める)

会話 Lv.10(大陸内の会話ができる。人型の生物であれば会話ができる)

思考加速 Lv.10(任意で1時間、通常の200%の思考能力が向上)

並列思考 Lv.1(もう1人分の思考が可能)

心眼 Lv.10(音速程度は目で捉えられる。自動で危険を避ける)

方向感覚 Lv.10(自分を起点に半径5km以内であれば道に迷わない)

索敵 Lv.5(半径5km内の危険を察知できる。位置もわかる。地形の詳細もわかる)

鑑定 Lv.10(そのものの詳細が分かる)

魔法→火属性 Lv.10(上級魔法が使える)

   水属性 Lv.10(上級魔法が使える)

   地属性 Lv.10(上級魔法が使える)

   風属性 Lv.10(上級魔法が使える)

聖魔法→回復 Lv.5(重度の傷や病気を回復できる)

    解呪 Lv.3(ある程度の呪いを解ける)

錬金術 Lv.3(ある程度の物質変換を行える)

鍛冶 Lv.3(仕組みがわかればある程度のモノを作れる)

****************************



 目を見張るほどの変化は感じないけれど成長している!

 これならばいけるかな?

 

 今日はアポイントを取っていないので直接公爵家に向かう。

 数日ぶりの太陽はものすごく眩しかった。


 お言葉に甘えて公爵邸の正面玄関に向かうと衛兵さんを通してアーカムさんがすぐに来てくれた。


「ニコ、もう来たのかね?」

「はい。間もなくミリア様の容態も再び悪くなる可能性がありましたので」

「そうですか……では中へ」


 扉を開けて邸内に通してくれようとする。


「アーカムさん、デムスさんと聖女様を呼んで頂けますか? それと『神輝石』も用意してください」


 絶対に治すという意思は伝わったかな。


「では、公爵に戻ってきて頂くから応接室で待っていてくれたまえ」


「すいません。よろしくお願いします」


 応接室に通されて、待つ事になった。


 集まるまでまだしばらく時間がかかりそうなので改めて考える。


 呪いはいつどこで受けたのだろうか?

 誰から受けたのだろうか?

 それとも自然に?

 遠隔で呪う方法はあるのだろうか?


 僕としては呪いを解く事しか考えてなかったのであまり考えていなかった。

 それが女神様の言う「見逃し」の一つなのだと思う。

 

 女の子が苦しまないようにするのが最優先だ。

 だから今日、呪いが解ければ原因究明は後でもいいと思う。


 そんな事を考えていると公爵夫妻がアーカムさんとデムスさんを引き連れて入ってきた。


「ニコ、すまんね」


 公爵に謝られる。


「いえ、急にすいません。治しきれなかった僕の責任です」


 実力不足だったのだから当然だ。


「それで、治せそうなのかね?」

「はい。必ず治します!」

「それは心強いな! 今は元気そうなのにまた倒れてしまうのかと思うと娘が不憫で堪らない」

「僕も同じ気持ちです! ミリア様の為に必ず!」


 皆さん、心配そうだけど笑顔を見せてくれた。


「公爵様、今まで聞けていなかったのですが原因に心当たりはありますか?」


「うむ……それが無いのだよ」


 ミリア様は王都ではほぼ屋敷の中だけで過ごしていた。

 使用人達も身元がしっかりしており、ミリア様を大事にしている者ばかりなのでありえないとの事。


「倒れられる前はどちらかに行かれていませんか?」


 こうなったら前世の推理小説に出てくる探偵ように考えよう。


「どこか……その前は我が領都にいた。ずっと屋敷にいたが」


 公爵がチラッとアーカムさんを見る。


「王都に向かう前に領都から半日程の町で行われた祭りに領主代理で出席されておりました」


 アーカムさんが教えてくれた。


「では、町人に接触をされていますね?」


 可能性が出てきた。


「そうなのですが、町長以外には会っていないのですよ」


「町長は信用出来る方なのですか?」

「私の血縁で信用できる人物だ」


 公爵が教えてくれた。町長が公爵家の血縁?


「町長は貴族様なのですか?」

「そうだ。特別な町なので公爵家としては特別な扱いをしている」


 特別って……。


「公爵領の「水瓶」と呼べる大きな湖があるのだよ。飲水にも農業にも使われている大事な水源だ」


 アーカムさんが再び教えてくれる。


「もしかしますがお祭りはその湖を祀るためですか?」

「あぁ、水神祭と呼ばれている。年に一度行われるお祭りだ」


 これは……。


「本当に水神様はいるのですか?」

「それは見たものはいない。形式的に行われているというのもあるが」


 たぶん……。


「そのお祭りですが領主は何か行う事がありますか?」

「湖に祭壇を設けて供物を捧げるのは領主である私か代理の者が行うしきたりだ。祭壇に向かう際には誰も近づかないようにしている理由は分からない。記録が残っている二百年以上前からずっと変わっていないようだ」


 ……うん。


「二百年以上とは長い歴史のある行事なのですね。すごいです」


「そうだな。この国でも古い行事の一つだろう。若い頃は私が毎年行っていたのだがしばらくは行けなくて町長に任せていたのだが、あの時はミリアが行きたいといってな。任せたのだよ」


「そうですか。でも、何も起きなかったのですよね」


「あぁ、ミリアの外出はそれくらいだが護衛もしっかり付いていたので何もなかった」


 ……確定だよね。


「分かりました。後は聖女様が来られたら始めたいと思いますのでよろしくお願いします」


 この世界には推理小説は無いようだ。そもそも貴族が読まないだけかもしれないけれど。



 聖女様が来られるまで時間が有りそうなので他の確認もしておこう。


 デムスさんに魔族領から採取した薬草で作った薬を見せてもらった。

 真っ赤に輝く粉薬だ。かなり貴重だから元気なうちは飲ませられないとデムスさんと公爵が持ち歩いており、ミリア様のお部屋にも隠すように置いてあるらしい。

 そうだスキル『鑑定』。


>薬:名前は無い。熱を下げる効果が強い。呪い全般の抵抗力を高めるが、特に水属性に対して強力な効果がある。


 『炎帝蘭』の効果が強いのが分かる。これだけで治せないとは本当に根が深い。



 そして『神輝石』はアーカムさんに差し上げたけれど準備だけお願いした。

 こちらもスキル『鑑定』。



>特殊魔石:『神輝石』とも呼ばれる。微弱な虹色の光を放つ。通常の魔鉱石よりも魔力量が多い。魔力を吸収し増幅して発生させる効果がある。


 詳細が分かった、魔力の増幅器なんだね……でも効果それだけ?


 ああ、そういう事か。


 謎はある程度解決したよ。ワトスン君。

 


 「ある程度」だけどね! 

いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。

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