第5話 スキル「神との交信」を使ってみよう
読みに来て頂きありがとうございます。
>ドリルを一区切りにして神様と交信する事にした。
眩しさに目を閉じたがすぐに光が落ち着いたのを感じたので室内を見る。
テーブルには長い金髪の女性が座っていた。
白いローブみたいな衣装は見覚えがある。
女神様だ。
交信って声だけかと思っていたのに。ちょっと驚く。
いかにも西洋の女神様なんだけれど日本人にも馴染みやすさを感じるのはアジア系の趣きが……
「ニコ、お茶」
「……あ、はい!」
有無を言わせない声に反射的にキッチンへ走った。
「お菓子もあったよね?それも」
用意してくれた人だから知ってますよね。
女神様は焼き菓子を一口齧り、お茶を飲むみ、ふぅと一息。
あれ?
…………
顔を俯けた?
…………
お茶が熱かったかな?
…………
お菓子が美味しくなかったのかな?
…………
もしかして、怒られる?
「ふああぁぁぁ!美味しいぃぃ!!」
ガバッと顔を上げて叫ばれても!?
「そこまで!?普通のお茶とお菓子ですよね!?」
大げさ過ぎません!?
「だって、『あの場所』では食事は必要ないので食べ物も飲み物もが無いんですよ!」
「天国って桃とかお酒のイメージですね……」
「お酒も桃も現地が勝手に思い描いたものだと思いますよ。多分、死んだ後もお酒を飲みたいとか甘いものを食べたいとかの願望でしょうね」
そんなところでしょうね。
確かに死後の事は誰にも分からないですよね。
でも美味しそうに食べますね!
「あ……お菓子無くなった……」
ションボリされても!
急いでスナック菓子(この世界に有りなのか!?)を持って行き、お茶のおかわりを淹れる。
「ありがとう!やっぱり君はいい子だね!!」
満面の笑みでパリッとポテト菓子を齧っている姿は親しみ感が湧く。
「そんな事より話したい事がたくさんあるのでしょ?時間はそれ程無いですよ?」
「そうです!たくさんあるのですが・・・」
「時間が許す限り大丈夫ですよ」
女神の微笑み、とは良く言ったものだ。
「多分見られていたと思うのでご存知だと思うのですがレベルとスキルですが自動で上がるように出来ませんか?」
「あれは不親切でしたね。変更しましょう」
あっさり承認。
「調整に少しだけ時間をください」
「いつでも大丈夫です。それと国語と算数以外もこれから増えるのですよね?」
「はい。取得条件は分かっているようですね」
たしか社会や理科、英語は小学校三年からの履修だったはず。女神様の言葉からこれから増える事が確定した。
「あ、それ以前に、何故スキルが『学習ドリル』なんですか?この世界なら戦闘技術とか魔法なんかのスキルの方が合っている気がするのですが」
「ニコは体を使う事は苦手だったじゃないですか」
・・・運動は苦手だったのは否定できない。
「そう、運動は苦手でしたけど勉強もそれほどじゃなかったですよね!」
「心読まないでくださいよ・・・それで勉強させようと?」
「意外と楽しくないですか?」
「そうですね。まだ小学生の問題だから難しくないですが攻略してる感じがあって楽しいです」
ステータスの表示はあって正解だったな。
「そのステータスで私からも提案です」
「また心を読まないで・・・提案ですか?」
「あなたは裏表が無いから大丈夫ですよ」
ニヤリと笑いながら言われても・・・
「画面に能力数値ですが無くてもいいですか?」
Lv.100以上で表示とあった。
「僕も思ったんですけど意味や比較もできなければ不要だと思います。変に数値が低いと落ち込みますし」
「ですよね!RPGぽいから面白いかなーって思ったんですけどね。無しにします。見たいと思ったら表示は可能なので言ってくださいね。あ、低い能力知りたいですか?」
「何故、低い能力だけ……結構です」
そしてこれから生きる上で知りたい事。
「僕のこの世界に来る前の人生ってどんな事をしていたんですか?本当にこの家の持ち主は僕なんですか?」
「んーそうですねぇ」
指を顎に当てて少し考えているようだ。
「この家はあなた個人の所有で間違いないです」
こんな良い場所に一人暮らしなんてすごい。
「あなたはこの都市の生まれで家族は別の国に住んでいます。両親と弟と妹が一人づついて健在、の設定です」
「実際に存在するんですか?」
「います。でも、今のニコには実感が湧かないでしょうから実在するとだけ覚えおいてください」
確かに前世の記憶が残っている身としては違和感に感じるだろう。
「独り立ちしているのとかなり遠方の国なので家族が会いに来る事は無いでしょう。でも、会ってみたくなったら言ってくださいね。その時に情報は授けます」
「はい。ありがとうございます」
そして我が身の状況について。
「最近までの僕って何か働いたりしていたんですか?それとも学校みたいな所に通っていたのですか?」
立ち居振る舞いに関わるから気になる。
「既に働いていますよ。仕事の最中に大怪我をして街の外で治療を受けていたのでしばらく家にいなかった、という事になっています」
前世の名残りを感じますね。
「僕は何の仕事をしていたのですか?」
「あなたは・・・・あ、時間」
前置きが長かったから!
「知りたい事はドリルを進めれば分かりますよ。ではまた」
女神様は一瞬の光と共に消えてしまった。
まだまだ聞きたい事はあるけれどまたお会いして聞けばよいか。ドリルを進めれば分かるとも言っていたし。
次にお呼びする時は忘れずにお茶とお菓子を用意してからにしよう。
いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。