第40話 公爵邸へお見舞いに行こう
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>スキル「神との交信」を使い、女神に不足している情報を確認した。
女神様は満足して帰られた。
大きめに作ったハンバーグを四つも食べれば当然だよね!
さて、今日から毎日、公爵邸へミリア様のお見舞いに行くのだけれど、女神様からの言葉が気になる。
一つはミリア様が一時的な回復である事。伝えるべきかは悩む。
もう一つ、僕は「見逃しが多い」とは何か気付いていない事があるのだろう。もっと情報収集に力を入れよう。
「まるいひつじ亭」でご飯を食べてからお見舞いに行く事にする。
アーカムさんとデムスさんがいたので挨拶をして隣に座る。
「おはようございます」
お二人からも挨拶を返してもらった。
「おはよう、ニコ。昨日はありがとう。今日も来てもらえるのだな?」
「はい、アーカムさん。ご飯を食べたら伺おうと思っています」
「そうか。では、私と一緒に行こう」
「そうですね。ぜひ!」
お屋敷の前でどうやって入れてもらうか困らなくて済む。
急いで食べて待っているアーカムさん達と共にお店を出ると馬車が停まっていたので僕とデムスさんを先に乗せられ、最後にアーカムさんが乗る、速やかに馬車が走り出した。
会話をしていたらすぐに公爵邸が見えてきた。
……ミリア様の容態を見て一時的回復なのかを伝えよう。
正面から入り、ミリア様の部屋へすぐに向かう。
アーカムさんがノックした後、おそらく公爵の「入れ」の言葉と共に入室する。
ベッドの横には公爵夫妻がいた。
「おはようございます」
僕から挨拶をする。
「おはよう、ニコ」
公爵様からも返してもらう。
「ニコのおかげでミリアはもう、からだを起こす位には回復した」
ミリア様に近づくと半身を起こしてこちらを見ていた。
真っ白な髪の長さが伏せっていた時の長さを長さを感じる。
「ミリア様、おはようございます」
「おはようございます。ニコ様」
軽く笑顔を浮かべている。
「様付けはお辞め下さい。ニコ、で結構です」
格上の方からの様付けは厳しい。
「わかりました。ニコ」
軽い笑顔に凛とした声は気品を感じる。
「ニコ、ありがとうございます。全て聴きました。聖女様の時より具合が良く感じがします」
完全に治っていない事は伝えにくいな……
「でも、完治ではないですよね?」
……気付かれている?
「昨夜、心の中で声が聞こえたのです。『まだ終わりではない』……と」
「その声はよく聞かれるのですか?」
「過去に何度か。神託みたいなものと思っております」
公爵夫妻は既に聞いていたのか黙ってミリア様を見ている。
「神様の言葉、ですか……」
女神様? かな。でも、昨夜は何も言っていなかった。
「はい。いつもは一言だけなのですが昨夜は「ニコに頼りなさい」とのお言葉も頂きました」
やはり女神様だろうな。
公爵夫妻とアーカムさん、デムスさんがこちらを見ている。
「はい。おそらく治しきれていません。僕の力不足が原因です」
「『神輝石』を以てしても駄目なのかね?」
デムスさんだ。
「『神輝石』があっても不足しています」
「なんとも……どれだけの病なのだ……」
「病……実際は呪いと思われます」
昨日の鑑定で「氷の呪い」と表示されていた。
「呪い……聖女様の『癒やし」と「解呪」で一時は治まったのは呪いに対して効いていたのかもしれないな」
聖女様か……勇者がいるなら当然存在するよね。
「聖女様もこられたのですね」
「ええ。しばらくは調子が良かったのですが、数日で元に戻りました。その後も何度か試されましたが徐々に効き目が無くなってしまったのです」
公爵夫人が教えてくれた。
「効果が無くなった後も数日に一度はお見舞いに来て頂いております」
「良い方ですね。おそらく僕の回復は聖女様より少しだけ効き目が良いだけと思って下さい」
皆さん、やはり少し気落ちしている。
「でも、あなたが治してくれるのよね?」
ミリア様が、僕をじっと見つめてくる。
ボンヤリとだけど治す道筋は分かっている。
「はい。ギリギリになると思いますが任せてください!」
笑顔で返す。そろそろ帰ろう。
「ミリア様、また明日も来て良いですか?」
「ぜひ来てください。待っていますね」
ミリア様が手を伸ばしてきたので、僕も手を取る。少しだけ温かい。
『回復』
気休めでしかないのは申し訳ないけれど、ミリア様は笑顔を見せてくれた。
僕も笑顔を返し、僕は公爵様達と応接室へ向かう。
「ニコ、本当に来てくれてありがとう」
公爵から礼を言われる。
「いえ、ミリア様の容態も気になりますから。そして、完全に治せなくてすいません」
本当に心苦しい。
「いや……いいんだ。一時的でも回復出来たのだし……それに治す見込みもあるのだろう?」
「はい。どのように、と聞かれると困るのですが目処は立っています」
「分かった。ニコに頼らせてもらおう。どうか、頼む」
改めて公爵から頼まれる。
「はい。毎日、同じ時間に来ますね」
「では「まるいひつじ亭」で落ち合おう」
アーカムさんからの提案だ。とても助かる。
「ありがとうございます。お願いします」
帰りはデムスさんと一緒に「まるいひつじ亭」まで送って頂く事になった。自宅まではいいと固辞した。車中、
「ニコ、本当に完治していないのだね?」
再確認された。
「はい。ミリア様も仰っていた治ってはいません」
「どれくらいで治せると思っている?」
どれくらいドリルに挑めるかにかかっている。
「そうですね……二十日くらいはかかると思っています」
日数的には大丈夫だと思いたい。
「そうか……では、数日、私の頼みたかった依頼をお願いできないか?」
以前、他にも頼みたいと言っていたけれどミリア様用の薬草だったのか。
「何故、今なのですか?」
「その二十日の間にミリア様の容態が元に戻った時の為だ」
保険としての薬か。
「今度採ってきて欲しい薬草から作る薬があれば数日であれば抑えられると考えている」
「でも、その採取に時間がかかれば意味が無い気がしますが」
「国境を越えた場所だが、移動の手配はする。それがあればニコならば二~三日あれば足りると思っている」
どんな移動手段なのか気になるな。早い馬車でもあるのかな?
「僕って信頼されていますね」
「当然、信頼はあるさ!」
すごいね『ニコ』!
「確かに僕の方の準備に時間がかかった場合を考えたらあった方が良いですね。お請けします!」
「では、明後日でいいかね? 色々手配もしたいし、明日、公爵様とアーカムさんに伝える……お二人には私から伝えよう。ニコはミリア様に数日来れなくなる旨を伝えてくれ」
「はい。分かりました!」
そんな約束などをして『まるいひつじ亭』の前で別れる。デムスさんはお店で少しお茶を飲んで帰るそうだ。
……あ、ケイトが見てる。
「ケイト、依頼の準備をしないといけないからまた明日来るね!」
見られているのに声をかけないわけにいかない。
「ニコ、お昼は「本当ごめん、準備しないといけないから!」」
ケイト、ごめんね。お昼までかなり時間があるし、何より今日も朝ごはんが多かったよ!
だけどそんな涙目で食べてけオーラ出さないで!!
結局早いお昼ごはんを食べる事になりました。
……あれ? デムスさんがいないな。いつの間にか帰ったみたい。
いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。




