第15話 再び女神様に会おう
読みに来て頂きありがとうございます。
>小学六年までのドリルを終わらせて女神様に会う事にした。
そろそろ女神様に会いたいと思う。
女神様専用のティーカップを用意してお茶を淹れ、お菓子を幾つかテーブルに並べる。
ステータスを開き「神との交信」。
大きな光が収縮して小さな玉になり弾けた。
眩しさから背けていた顔を正面を向けると、テーブルに座る女神さ……
「ニコ、お肉が食べたい」
あれ?
「お菓子とお茶じゃないんですか?」
「うん。お菓子も食べるけれどニコが前に食べていたからお肉も食べたい」
あのお肉は食べ切ったはず。
「足してあるから。確認して」
「心読まないで下さいよ……って女神様、いつの間に」
「熟成させた食べ頃のだからね。美味しく焼いてよ!」
「はい。分かりました!急いで作ります!」
直ぐに焼かないと話が出来ない!
肉だけでは物足りないかな?主食も用意しよう。
パンかな?でも女神様は多分…
「そう、ご飯もね〜」
はい。分かりました。
貯蔵庫からお米と前よりも高そうなお肉が本当にあったので出す。焼く前に少しでも常温に戻さないとね。あ、付け合わせもこの際だから作ろう。定番だけど人参とアスパラでいいかな。
お米を炊きはじめ、肉を切り塩胡椒を振る。
「女神様、時間も無いのでお話しさせて頂いで良いですか?」
「もぐ……いいですよ」
これからご飯を食べるのにお菓子頬張ってますね!
先ずは軽めの話からさせてもらおう。
「ドリルは小学生で打ち止めではないですよね?」
「……もぐ……うぐっ!……ぷはぁぁ……そうですね。思っている通りですよ」
欲張って詰め込まなくても……誰も取りませんよ!?
でも、そうすると小学生のドリルをもう少し繰り返す必要がありそうですね。
「それと、前にも聞きましたけれど、身体を強化するようなスキルは出ないのですか?」
「ん~不要です」
「剣と魔法の世界で、ですよ?魔法は使えるようですが身を守るには不安を感じますが……」
「パリッ……不要です」
「何か理由とかあるのですか?」
「まだ、早い……が理由です……あ、これ美味しい。食後にまた出してね!」
「はい……でも、教えて頂けないのですね。分かりました」
身体強化の件は保留にしよう。
「ヒントとしてはもうニコのステータスでは答えは出せる、とだけ教えましょう」
「……? 自分で考えれば分かるレベルの事でしたか」
後で悩もう。重要な事を聞かなければ。
「十六歳になるまでのニコの事、ですよね?」
「はい。思った以上に心読まれるんですね……もう諦めてますが」
「読もうと思わければ聞こえないんですけどね」
止められるのならば止めて……いえ、もういいです。このままで。
「心を読んだ方が会話も進みますからね~。そもそも女神に隠し事は出来ないんです!」
ビシっと音がしそうなほどサムズアップされても。
ポテトチップスを咥えながら言われても威厳が無いですよー。
「敬虔な信徒であるニコしかいないから大丈夫!」
……両手でサムズアップされても。ま、いいです。話しやすいので。
「話をそらさないでくださいね!ニコ」
「あ、はい。すいませ……女神様がそらしたんですよ?」
「ま、許します。私は寛大なので!」
「……話しが進まないです」
「まず、過去のニコの記憶を今のニコにそのまま直接書き込むことはできますがおそらく上書きされて前世の記憶が消えたり不整合が出て苦しむ可能性があります」
「急にまじめに……ありがたいですが。たしかに異世界転生モノで前世の記憶を思い出して熱を出したりするのありますよね」
「脳の処理が追いつかないからですね。それでも上書きしますか?」
このまま生活するには一番だろうけど、せっかく残っている前世の知識が無くなる可能性が高いのは困る。
「上書きはいりません。なのでおおよそでも教えてもらえませんか?」
「そうですね。では一緒にご飯を食べながら教えましょう」
ご飯も丁度炊けたようなので肉を焼き始める。ものすごくいい匂いだ。
付け合せの野菜は茹でたのでサッと火を通して肉と一緒にお皿に盛り付ける。
ご飯も別皿を用意して盛る。お茶碗が欲しくなるな。
料理とカトラリーをテーブルに並べる。
自分の分は女神様の対面に並べた……女神様と一緒にご飯を食べるなんてすごいと思う。
「さ、食べましょう!」
そう言って女神様は食べ始めた。
大きく切って頬張る姿は威厳みたいなものを感じるけれど人間と変わらないと思えた。
姿かたちが同じだからかな。前世であれば海外の女優さんと一緒にいるような気がする。そんな機会はあるわけなかったけれど。
「モグ・・・そんな事を考えているとニコの分も食べちゃいますよ?」
「おかわりはすぐに用意できますから!」
あ、本当にこのお肉おいしい!
……って話しが進まない!いいけれど!
いかがだったでしょうか?少しでも気になって頂けた方はまた来て頂けるととてもうれしいです。