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第ニ話 目覚めその2



○7月3日17:03(+11時間)


 目が覚める。


 またかと言いたい。


 今度は周りを海に囲まれた岩礁の上にいるんだが。


 それも森の見える砂浜の海岸からちょっと遠い。多分1キロぐらい。


 相変わらず全裸であり、何故か体のあちこちに擦り傷が付いている。

 多分岩肌で切ったのであろう。

 海水が体に触れるたびにそこから滲みて痛い。


 裸足で岩の上を歩くのは中々ハードだ。


 頭痛は辛うじてある程度おさまったものの、首の痛みと筋肉痛は収まるところを知らない。

 腹の調子は下す一歩手前だが、大自然に還元すれば良いだけなので特に問題はない。

 ズボンとパンツをずらす作業さえもいらない。なんたって全裸だからだ。


 それにしても、またもや絶望的な状況だ。


 この世に神がいるなら教えてくれ。

 俺は異なる世界を2つ渡ってここに召喚されたのか?

 もとの地球で2回テレポートしたのか?

 はたまたここは地獄か天国なのか?

 夢なら醒めてくれ。


 1つ目の問いの召喚されたかの有無に僕自身が答えよう。

 知ってる海と知ってる空と知ってる木々が生え並んでいるので、まぁ、日本のどこかだろう。

 植生的に多分沖縄か小笠原諸島周辺。


 2つ目の問いのテレポート疑義に僕自身が答えよう。

 現在空が赤みがかっており、おそらく時刻は17時前後。

 先程から記憶が飛んでるので時間的な超越がないかぎり、記憶のない自分または外的要因によって10時間近くかけて先ほどの砂浜から運ばれたと考えるのが妥当であろう。

 まぁ、その前の砂浜での光景において何故そこに居たのか不明な為、引き続き考察が必要である。

 波に運ばれてウトウトしながら岩肌にぶつけた記憶は一応あるが、自分の思考放棄によりそのまま二度寝をかましたのだろう。



 3つ目の問いの地獄か天国かについて僕自身が答えよう。

 もしここが地獄なら、僕が全裸である理由として卒塔婆に服を全部取られたと解釈できるが、いささか裸にしては快適な温度であり、生活に不便のない環境である。

 よって地獄ではない。

 さらに、天国と仮定するなら、今僕が置かれている状況になんの説明も無いため、システムが今の職場のように不親切であると考える。

 よって現在いる世界は現世でしかないと考える。


 4つ目の夢から覚めてほしいという願いを僕が聞こう。

 おめでとうこれが現実だ。


 自分の中での現実逃避の問答に区切りをつけ、嘔吐によってイガイガになった喉を海水でゆすぐ。


 しょっぱさと苦さが口の中を駆け巡る。


「水が欲しい」


 水さえあればこの酔いから抜け出し、体に潤しを与え、当面のサバイバルに生存の可能性を付与することもできるかもしれない。


 水の確保を当面の目標とする。


 そうと決まれば、周りに5個の岩が海の上に現れてるだけのこの場所では水なんか確保できるはずもないので、早々にこの場を放棄しすることを選択。

 1キロほど先に見える小さな砂浜に泳いでいくと決める。


 とりあえず暗くなるまでに渡り切らなければと思い、一番近い陸地に向かって海に飛び込む。


 波もなければ海も綺麗でほのかに温かい海水温度だと多分1キロぐらいのこの距離だと余裕だろう。


 予想タイム1時間未満。


 また延々と泳ぐ羽目になるとは。

 もう2度と無いと思っていたがこんなところで昔海で14km泳いだ経験が生かされるとは当時の自分は思いもしなかったであろう。


 浜辺に向かって進み始める。


 やっぱり筋肉痛が残っていたが、動いているうちに体があったまってきて、だんだんと痛みがなくなってきた。

 擦り傷に染みる痛みもだんだんと麻痺してきたので、無心で海岸を目指す。


 穏やかな波とちょうど良い海水温がバカンスとして海水浴するにはとても良い環境だなと思いつつ、是非とも今の状況以外でここに来たかったなと思いながら、腕と足を動かし続ける。


ーーーーーーーーーー


○7月3日18:30(+12.5時間)


 波に押されながら砂浜に辿り着き、よろよろの脚で砂浜を踏みしめる。


 お酒に溺れる生活をしている体には酷な運動だった。

 不動の大地に降り立ったことにひとまず安堵する。


 すでにあたりが暗くなり始めている。


 砂浜や岩の上で長いこと寝てたおかげで眠気は全く無いので、寝床の確保は後回しでもいいだろう。


 とりあえず水のありそうなところを求めて浜辺を見渡すが、なにかがおかしい。

 僕が寝そべってたあとはどこにある?


 潮は引いているので、どこかにその跡は残ってるはずなのだが、無い。


 俺が砂浜で二度寝してから岩の上で起きるまでにこの距離を流されたと想像していたが、見当違いなのか?


 多分さっき寝た時は海のすぐ近くだったので、体内の遺留物を海にぶち撒けたのち、波にさらわれて岩礁に着いたと。

 で、そこそこ長い間流されてしまい、もはや初めに起きた時と同じ陸地か島にいるかどうかでさえも怪しい。


 朝起きた時に周りをもっと見渡して状況把握と安全な場所への移動を怠ったのが悔やまれる。


 ようやく状況を理解し始めたと同時に頭が活性化してくる。頭痛が収まりつつある今、喉の渇きの方が酷い。


 とにかく早く水を探さなければ。



ーーーーー

装備品一覧

生まれたままの姿、ネックレス

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