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平井のエッセイ・日常系とか旅行記とか

茄子よりも嫌いなもの

作者: 平井敦史

 諸君、私は茄子が嫌いだ。

 あの味が嫌いだ。

 グニュグニュした食感も嫌いだ。

 皮の紫色も、食べ物とは思えない。

 煮浸しなどにした日には、見た目も最悪だ。


 ことほどさように、私は茄子が嫌いなのだが、そのことを知らぬ近所の人が畑で採れた茄子をひっきりなしに持って来てくれる。

 そして、私には茄子以上に大嫌いなものが一つある。それは……食材を粗末にすることだ。


 私の茄子嫌いを知っている家族は、敢えて茄子を使った料理を作ろうとはせぬ。

 が、その結果茄子がしなびて廃棄されることになるのは許せない。

 となれば、仕事が休みで私が調理当番の日に、茄子を消費するしかないではないか。


 まずは焼き茄子だ。

 茄子の皮を剥き、半分に切って塩水に浸しておいてから、オーブントースターで適当に焼く。

 生姜をおろして醤油を()えて、茄子にたっぷりかけていただきます。

 うむ、やはり生姜醤油の力は偉大だな。


 次はテンメンジャン炒めで行こう。

 茄子を適当に輪切りにして、豚肉、ピーマンと一緒に炒め、酒で溶いたテンメンジャンで味付ける。

 それにしても、何で茄子というやつはこんなに油を吸うのだ? フライパンにたっぷり入れていたサラダ油があっという間になくなってしまったではないか。

 子供が新しい知識をどんどん学び取っていく様を、「スポンジが水を吸い込むように」などと(たと)えることが多いが、「茄子が油を吸い込むように」と言い換えてもよいのではなかろうか。

 まあいい、完成だ。

 うむ、豚肉美味(うめ)え。ピーマンも美味(うめ)え。


 また茄子か。いい加減にしてくれ。

 仕方ない。今度は麻婆茄子にするか。

 簡略化されたお手軽レシピで行こう。

 まずは茄子を手早く炒める。また油が一瞬でなくなった。吸い込み過ぎだ、馬鹿。

 十分に火が通ったら皿に取っておいて、フライパンで刻み生姜に刻みニンニク、そして合い挽きミンチを炒める。

 ミンチの色が変わったら火を止め、味噌とテンメンジャン、トウバンジャン、砂糖に味醂等で味付け。茄子も投入して味を絡めたら出来上がり。

 うむ、ミンチ美味(うめ)え。


 しかし、夏もそろそろ終わり。茄子の旬も終わりだ。これで一安心……。え、まだ採れるの!?

 よろしい、ならば焼き茄子だ。一心不乱の焼き茄子だ。

むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。


追記

感想をいくつか頂戴しました。

大変ありがたいのですが……なんか、茄子ダイスキーによるツンデレだと思われてる?

あの、ガチですからね?

ほとんど好き嫌いのない私の唯一の苦手が茄子でして、これまでは家族が食べても自分の分は無し、とかだったのですが、諸事情により、私も食べないと消費し切れない状況になってまして。

今年の夏は本当に、これまでの一生分の何倍、何十倍というくらい茄子を食べました。

もぉお腹いっぱいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 好き嫌いはいけません、物は大切にしましょう、という教育に良さそうです。 [気になる点] 煮浸し美味しいのにっっ!!! ←茄子を食べるのに、一番好きなのが煮浸しです。
[気になる点] ぐにゅぐにゅしない品種もあります。 白、緑、縞々の茄子もあります。 貰い物じゃ、どうしようもないか……。 [一言] 茄子にツンデレする人と初遭遇。(*´艸`)キャー
[良い点] 茄子の肉詰めは美味しいのです~( ´艸`)世界で一番好きな食べ物ですね( ´艸`) 10個くらい食べるのです(´▽`)
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