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妖魔狩り  作者: 望月満
21/22

其ノ弐拾 再びセントラルへ


本当に、更新ペースが遅くて、申し訳ないです……。


「ところでエリス。これからどうするの?」

 アヴィーの問いにエリスは俯いて少し考え、すぐに口を開いた。

「もう一度、セントラルへ行きます」

「そう。それは?」

「――気になる人物が、一人いるからです」

 エリスの言葉に、少々レネが眉を(ひそ)める。アヴィーは小さく首を(かし)げた。

「その気になる人物とは?」

「一人……いや、一匹の、エルフです。師匠は、セントラルに現れるというエルフの話を、聞いたことはありませんか?」


「…………。もしかしたらそれは“セレネ”というエルフかもしれない」


「セレネ――?」

 エリスは師匠の口から出た名を繰り返し、呟いた。

「そう。普通全く関係性のない人間と妖魔の争いに、エルフが首を突っ込むようなことはしないわ。それなのに、そのセレネというエルフは、主にセントラルで妖魔の狩りをしているらしいの」

 エリスはアヴィーの言葉に、礼を言った。そして、


「でもエリス――。あまりそのエルフとは、関わらない方が良いかもしれないわよ……?」


 そんなアヴィーの言葉に、首を傾げる。

「何故ですか?」

「……いえ。やっぱりいいの。それより、何故そのエルフの興味を持ったの?」

「我は……死にかけたときに、そのエルフに助けてもらいました。そして、我の前から消える瞬間に、エルフは笑いました。助けてくれた理由と、微笑みの意味を聞きたい」

「――そう。助けてくれたの。……それなら、大丈夫でしょ」

 アヴィーの答えに、エリスはレネを振り返った。

「レネ。我はセントラルへ行く。汝はどうする?」

「私も、行く。エリスさんに付いて行く」

 レネは力強きながら、そう言った。



 セントラルへエリスとレネが旅立った、二日後の夜……。



 厚い雲が空をおおい、月明かりを遮断していた。

 闇の世界の中、荒い息と共に走る者が一人。


「くそっ。ハァ、ハァ、ハァ……。一体、奴が何処にいるのかも分からねぇ」


 悪態を吐くのは、男の妖魔。

「どうする……。奴は上から弓矢でねらっ――!!」

 その妖魔が、焦り気味の言葉を発しきらない間に、


ドサッ


「く、そ……がっ……!」

 腹を白銀の矢が射抜いていた。そのまま男は、地面に倒れる。口からは言葉と共に血があふれ、地面に赤黒い染みを付けて行く。

「何で……あん、な……」

 それが、男の最後の言葉となった。

濁った色の瞳をうっすらと開いたまま、男は息絶えた。



 そして、


「――……死に絶えたようですね」


 弓を可憐な体勢で構えたままの、一匹のエルフが呟いた。エルフは今、セメントでできた高い建物の屋上に立っている。

「今日も上々のようですね。では、狩りを続けるとしましょう」

 エルフは独り言にしては長い言葉を発すると、ゆっくりと体勢を直す。

そして、


「――の前に、接客をしなければならないようですね」


 ふっと、その漆黒の長髪をなびかせながら振り返った。エルフのため、身のこなし一つ一つがどれも美しい。エルフが振り返った数メートル先。そこに、


「汝、“セレネ”だな?」

 

 妖魔――エリスが立っていた。

「これはこれは、エリスさんですね。私はあなたを待っていましたよ。――ずっと、ずっと」

 妖艶な笑みを意味あり気にエルフ――セレネは浮かべた。そして、






「貴方を狩るために――」






 言葉一つ一つを噛み締めるように、ゆっくりとそう言った……。

 

 さて、やっとエルフを出せました。

アニメとか小説とかマンガとかでいうと、ここから第二期的なものになるのでしょうが、

もうすぐ終わります。はい。

えっと…………もう、十数話程度で終わりますね。

あ、十話も行かないかもしれませんが……。


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