其ノ壱拾七 師との再会
「久しぶりね。エリス」
階段に立つ女性は、見たところ三十代半ばほどである。鮮やかな萌黄色の長髪と、銀の瞳が魅力的である。女性は、淡い黄色のカーディガンと白いブラウス、下は柔らかい素材のズボンをはいていた。
「どう? その後? 実に三年ぶりの再会ね。三年前、ここを私が訪れた日から、ずっと会っていなかったものね」
カツ、カツ、と女性は階段を下りてくる。
「師匠。言っていただければ、我から顔を見せに行きましたのに……」
「いいの。弟子を使うようなマネはしないわ。それに、私が会いたいと思ったから来たのよ」
「しかし……」
エリスは申し訳なさそうに、顔を歪めた。
「それよりエリス。そちらのお嬢さんは?」
女性は階段を下りきり、エリスの方へと歩みよっていた。女性はかなりの長身である。
「こちらは……」
「エイレネ。レネと呼んで構わない」
レネはそう言い、ぶすっとした表情を浮かべた。どうやらレネは人見知りをしているようである。
「レネちゃんね。よろしく。私はアヴィロス・エン・ロストよ。アヴィーでいいわ。変わった名前なのは、北方の生まれだからなの」
女性はレネと同じ目線にしゃがみ、右手を差し出した。レネもその手を握り、握手をする。
「エリス。レネちゃんはあなたの弟子なの?」
「いいえ。我は、レネを守り切ることができません。そんな者は、師匠とはいえない……」
エリスは目を細め、少し首を振った。後半は、独り言に等しかった。
「……アヴィーさん。そのことは、あなたの右足と関係があるのか?」
「!」「……すごいわね」
エリスは驚き、アヴィーは感嘆の声をもらした。
「アヴィーさんの右足は、義足だな?」
「そうよ。どうして分かったの?」
「……歩くとき、両足で音が違っていた。それにしゃがんだとき、少し軋むような音がした。歩き方も、ほんの少しだがぎこちない」
「……フフッ」
アヴィーは笑い、そして、
「すごいわ! すばらしい観察力を持っているのね、レネちゃん。これは驚いた」
アヴィーはまだ少し笑いながらそう言った。そして、エリスを振り返る。
「エリス。この子に“あの日のこと”を話してもいいかしら?」
「あぁ。構いません」
アヴィーはレネを見る。
「じゃ、少し長くなるからそこのソファーに座って話しましょう」
アヴィーはレネとエリスを連れだって、ソファーに座る。
「ねぇ、エリス。“あの日のこと”って、あの日のこと?」
質問的におかしい質問を、それまで黙っていたエルピスがエリスにした。
「あぁ。そうだ」
エリスは簡潔に返事をし、どこか遠い眼をした。
「じゃ、最初の方はエリスが話してあげて。後を引き継ぐわ」
エリスは頷き、そして、
語り始める。
「我がどういう経緯で母を、家を失ったかは知っているな。我は家を飛び出し、森を走り続け、この町にたどり着いた――」
うわぁ。
更新のペースがww
本当に読者さまには申し訳ないことばかりです。こんなダメダメ人間の小説を読んでいただけるだけでも、感謝感謝です!
さて、実に何日ぶりの投稿でしょうねww
次は、何とか頑張ります! もう、ここまできたら完結させるしかないでしょう!!
といっても、更新のペースにご期待はしないでくださいね。かなりショックをうけますよ(←チョww
また、現在「メビウスリンク」という掲示板サイトでも、小説を公開中。三作品書いていますが、そのうち二作品はたぶん書きやめになるかとww
現在、奇跡的にも生き残っている小説「Raven 〜レイヴン〜」に興味のある方は、何とかヤフーで検索してみてください。