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妖魔狩り  作者: 望月満
16/22

其ノ壱拾五 白銀の矢

 迫り来る炎の塊を見ながら、エリスはフッと目を閉じた。

そして、


「うわあぁぁぁ――!!」


はっと目を開ける。そしてそのまま、自分の体を見、

「何故だ……? どこにも、怪我が、ない……?」

 そうポツリと呟いた。エリスは無傷だったのだ。

そこで、エリスは大きく焦げた自分の右上の壁を見上げ、(さと)った。

炎の塊は軌道をそれ、(まと)であるエリスを外したのである。

「あ、ああぁぁ……。私の、あ、あぁぁあぁあぁぁぁ――!!」

 壮絶な悲鳴を上げるのは、焔の使い手である妖魔の少女。悲鳴の理由は、その頭を貫通した白銀の矢であった。

「矢……?」

 エリスは呟き、顔をしかめた。そして、


ドスッ


「うわあぁぁぁ――!! 止めろぉぉ――!!」

 少女は獣のような悲鳴を上げる。

また矢が飛び、少女の腹部を背中から刺し貫いた。

「がはっ! げほっ! がっ、ぐっ……!!」

 少女は口から血を吐いた。口からどんどん溢れる血は、少女の黒いローブと石畳を真っ赤に染めていく。

エリスは、素早く矢の飛んできた方を見た。

そこは、燃え盛る家の一つ、屋根の上であった。

「!」

 視力の良いエリスが見たのは、

一匹のエルフだった。

独特の(とが)った耳。スタイルの良い体。漆黒の闇のような長髪。

そして、首からはエリスと同じ『蒼』の首飾り。

「妖魔狩り……! 上位の者」

 エルフの少女は、冷酷な色を湛えた瞳で痛みに(もだ)える妖魔の少女を見ていた。

が、視線をフッと外し、エリスと目を合わせる。

エルフの少女はニィッと笑い、そして、

炎の中へと姿を消した。

ドサッ

同時に、妖魔の少女が地面に倒れる。前方に倒れたため、グシャッという音とともに、少女に刺さった矢が、少しだけ動いた。


 フッと目を覚ましたレネは、虚ろに目の前を見つめた。白以外、何も見えない空間。

「ここは、何処だ……?」

 レネが呟いた時だった。

「起きたか、レネ」

「エリス、さん……?」

 レネは聞きなれたその声に、少し安堵して言った。

「ここは、何処だ……?」

 もう一度、レネは同じことを繰り返した。

「ここは病院だ。汝は、背に大きな火傷(やけど)を負ったのだ」

「あぁ。そうか……」

(しばら)くは傷の完治の為に、入院になるそうだ」

「そうか……」

「それから、傷口から(うみ)が出る。痛いだろうが、我慢してくれ。それから……背に大きな跡が残るそうだ」

「そうか……」

 レネは顔を歪めた。それから、エリスを見ようと体を動かす。

「っ!」

 しかしその瞬間、体に激痛が走り、呻き声が小さく漏れていた。

「動くな。動くと、傷が痛む」

 レネはそれを聞き、ピタリと動きを止めた。

「……エリスさん」

「何だ?」

「エリスさんは、大怪我はしなかったか?」

「あぁ。背中を強打したが、自己回復機能で何とかした。それに――」

 エリスはレネに、白銀の矢が救ってくれたこと、そのおかげで敵の妖魔の炎の力に狂いが生じ、助かったことなどを話して聞かせた。レネはじっとエリスの話を聞いていた。しかし暫くすると眠たくなったのか、ベッドに横たわり眠りに落ちてしまった。

前回の投稿から早一週間……

オイ、作者は何サボってんだよ? とか言わないでください……。

何だかねー、スランプなのか、潮どきなのか……。

いやしかし! 300hitは超しましたし! 書けたら書きたい!!

じゃ、書けよ、ってカンジなんですけど……。


 さて、前回エリスが死んだと思った人、挙手!!

って、いないか……。そりゃ、主人公が死ぬわけないもんね。


 今回、新キャラであるエルフが出てきましたよ!

もう、話も終盤だというのに……。

しかし、考えてみればまだまだ書かなければならないことがありました。なので、まだ終わりそうにない……。

もともと、新キャラを出す予定もなかったですし。

では、蛇足ばかりあとがきで書いてしまいました。

さて、次の更新は何時になるやら……。

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