其ノ壱拾弐 灼熱の焔
お久しぶりです☆
では、久しぶりの妖魔狩りをお楽しみいただけたら、
作者として幸いです、、、
セントラルに着いたのは、次の日の昼だった。空のど真ん中に浮かぶ太陽が、光をさんさんと降り注いでいた。そして、
「―――少ないな」
汽車から降りてすぐの広場に立つエリスは、ポツリと呟いた。
この国の中枢都市セントラル。そこは数年前まで人で溢れかえっていた。しかし今は、妖魔の大量出没で人口が激減してしまい、出かける人も少なくなったため、寂れてしまっている。
「・・・・・・ひどい有様だな」
レネも呟き、ふぅっと息を吐いた。
「取り合えず、宿をとるぞ」
エリスはレネに言うと、二人はセントラルを歩きだした。
『今月を持って、閉店いたしました』
『只今、閉店しております』
『誠に勝手ながら、閉店させていただきました』
「・・・・・・こうなると、宿さえも開かないか。こんなところに来る客もいないだろうしな」
「―――野宿」
エリスの呆れているのか、感情がこもっていないのか、どちらともつかぬ声と、レネのポツンとした呟きが上がった。二人が回っていった宿は、すべて閉店してしまっていたのだ。
「町の中で、野宿か?」
「そうするしかないな」
エリスはいたって普通だが、レネは少々呆れていた。結局、他に方法もなく、二人は小さな公園で野宿をすることにした。
妖魔の活動が活発になる夜。セントラルの、ある公園では赤々とした焚き火が燃えていた。そして、その傍で眠るレネの姿。それから、黙ったまま焚き火を見つめるエリス。
パチンッ
焚き火の火が爆ぜ、その瞬間エリスがハッと顔を上げる。
エリスが見つめるは、セントラルの中心の方。そして、
鋭く、巨大な爆発音がそこから響いて来た。
「!」
音とともに、二人がいる公園に振動が起こり、レネがハッとして起きる。
「一体、何だ・・・・・・」
「中心だ。あれを見ろ」
フッと音もなく立ち上がったエリスに促され、レネは中心を見た。と、
「爆発・・・・・・。爆弾か?」
中心からは、黒々とした煙が止めどなく上がり、その下は赤々と燃えていた。
「違う。―――もっとタチの悪いものだ」
「?」
「魔術を使うことのできる妖魔だ。・・・・・・まさか、まだそのような者がいたとは」
魔術を使う妖魔。
もともと妖魔とは、魔術が使える者と、使えない者とに分かれる。しかし、魔術を使う妖魔は、とうの昔にその魔力の大きさ故に、人間に滅ぼされたものだと思っていたのだ。
「行くか?」
「あぁ」
エリスの返事より寸分はやくレネが立ち上がり、二人は疾風の如く走り出していた。
熱を孕んだ風が、身体に真正面から吹き付ける。レネの前を走っていたエリスは、
「レネ、これ以上は危険だ。我が一人で行く。汝はここで妖魔を狩っていてくれ」
レネはコクンと頷き、ピタリと止まった。エリスはそれをしっかり確認した後、中心部へと再度駆けだした。
灼熱の風が、容赦なくエリスを叩きつける。うっすらと顔に汗を滲ませながら、エリスは炎の上がる方へと駆けて行った。
いかがだったでしょうか?
さて、そろそろクライマックスに入りそーなヨカン。
少なくて、あと十話というところでしょうか?
ラストまで。
しかし!です。
最近スランプにおちいってしましまして、なかなか書く手が進みませんっっ
かなりの不定期更新になってしまう可能性があります・・・・・・。
では、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>