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妖魔狩り  作者: 望月満
10/22

其ノ九 疑念

 一方その頃、(はぐ)れてしまったレネはというと、

人ごみに揉まれ、エリスの背を見失い、

「・・・・・・はぁ」

 独り、溜息をついていた。その後すぐに辺りをキョロキョロと観察しだす。人ごみで視界は(さえぎ)られ、小さなレネにとっては辺りを見まわすだけでも一苦労だった。その時、

チラリと視界の端が、ホームの柱の下にあるベンチを捉える。レネは人ごみの中、そちらへ向かって歩き出す。そして、ベンチの前まで行くと、そこに腰掛け足をブラブラさせた。

レネはエリスと逸れた場所で待つ方が、無駄に動いて入れ違いになるより良いということを、ちゃんと分かっていたのだ。


 一方のエリスは、

一体何処でレネと逸れたのかも分からないため、来た道を引き返して歩いていた。

大量に行きかう人々をなるべく避けて歩くため、壁沿いに進む。

壁際には、浮浪者や家のない者などが、力なくもたれていたりした。そんな中、エリスは歩み、

そして―――――、

「!」

 目の端に、何かを捉えた。それは、

壁に貼られた、一枚の紙だった。

賞金のかかった罪人が写されている紙。その紙の写真に写されている少女。それは、

まぎれもない、レネだった。

蒼い髪と蒼い瞳。違うのはまだ少し今より幼いということだけ。

内容によると、

エイレネ(当時五歳)は、家族である父、母、姉、妹の四人を殺害し、逃亡したらしい。

「・・・・・・・・・・・・」

 黙ってエリスはその紙を見ていたが、すぐに目を離し、歩きだした。

しかし、その目は僅かに陰りを帯びていた。


 二人の乗る汽車がホームに着く頃、

「あ」

 ベンチに座り、ボ〜っとしていたレネが、ふと声を上げた。そして、すくっとベンチの上に立つと、エリスの姿をしっかりとその目で捉える。

エリスもすぐにレネの姿に気付いて、こちらへ駆けよって来た。

「急ぐぞ」

 エリスはレネの手を取り、急ぎ足で汽車に乗り込んだ。

ピ―――

鋭く長い汽笛の音とともに、二人が乗った後、すぐに扉が閉められる。二人は乗り込んだ扉に近い席に向かい合って座る。レネはじっと外を眺め、エリネはレネを見ていた。

―――あの紙は何なのか?家族を殺したとは?

「レネ」

 エリスが名を呼ぶと、レネはエリスを蒼い瞳で見返してきた。

「汝、犯罪者なのか?」



 暫くの沈黙。エリスはじっとレネを見、レネは少し目を伏せていた。

そして、

「違う」

 きっぱりと、そう言った。が、

「しかし、世間ではそうなっている」

 と付け足す。

「・・・・・・何故だ?」

「―――話すとしたら、最初から話した方が良い」

 レネはそう前置きして、ゆっくりと自分の“本当”の身の上を語りだした。

次回、レネの過去が明らかになりますよ!!

さて、最近色々とありまして、投稿がなかなかできていません。。。

すいません。しかも、最近全然、というか、全く私の小説を読んでくれている人がいない。。。

と、ブルーになっていたのですが、アクセス数グラフの方の不具合で、出ていないだけでした☆

読者がいる、ということはやっぱり作者にとって、一番の糧となりますね☆


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