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「どういうことか詳しく教えてくれないか?いきなりそんなこと言われても、はいとは言わねぇぞ」
「まずはヤンゼルという人を知っていますか?」
「誰が使っても、どんな条件で使っても強くなれる武器を作るのが上手い昔生きた鍛冶屋だろ?」
「はい。伝説と言われたヤンゼルは数多くの武器や防具を作り、その中でも最も出来の良い——」
「七色シリーズのことか?」
「そうです。あれを壊すのを手伝ってください」
「嫌だ」
「はい?」
何を言ってるのかわからない顔をしてるな。
「だから嫌だと言ってる。そもそも俺は金が発生しない依頼は断ることにしてる」
「…………何でですか!?」
頭に情報が入ってきたのか。
「今言ったろ。依頼にならないなら帰れ」
確かあそこにあれがあったな。
「あなたはあの連中がしてることを許せるんですか!?」
棚を漁ってるリュウマに少女は語り掛ける。
「他者の作った力に酔った奴らを好き勝手にさせてホントに良いんですか!!」
「これやるから、さっさと帰れ。名前は無いがそこらの鈍らよりは格段に斬れる玩具だ」
出した物は片刃の短剣。余った鉄くずで作った正真正銘の我楽多だ。懐剣にするには長く、剣の代わりにするには短い半端な剣。
「あと早く外の連中を——」
「え?」
少女の疑問とリュウマの言葉は壁が吹き飛ぶ音と共に消えた。




