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今までの5人の女たちよりも素晴らしい素材でありますように。
私は心の中で手を合わせ、強く願った。
彼女が、つい立てにかけてあった白いシーツを身体に巻いて出てきた。
彼女は私の前にあるイーゼルとソファーの中間に立った。
彼女が私の眼を見る。
彼女の顔は真っ赤だった。
私は黙って頷いた。
彼女は一瞬ためらい、それから。
シーツを落とした。
私は息を飲んだ。
私が初めてこの生きかた、自身の欲望に忠実に身を任せるようになってから30年ほど経っていたが、これまでで最大の興奮が全身を駆け抜けた。
彼女は素晴らしかった。
その、あまりの素晴らしさに。
彼女を永遠に私のものにする前に…その…何というか…普通に彼女を味わい尽くしてみたいとさえ思った。
もちろん、それがメインディッシュの材料を全て使って前菜を作ってしまうような愚かなことだと分かってはいる。
にもかかわらず、私の男性の部分が突如むくむくと頭をもたげ、彼女が欲しい欲しいと叫びだした。
これは由々しき事態だった。
私の本来の目的は単なる性の欲望よりももっと根源的な人間としての渇望に、生きざまに近いものであると認識している。
私が私という人間であるための宿命のようなものである。