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逆に言えば彼女が誰にもこの場所へ来る事実を話していなければ、もう私の安全は、ほとんど保証されているも同然なのだ。
「はい。誰にも話してません」
よしよし。
ここまでは、とても良い。
あとは…。
「では、さっそく始めましょう」
私は焦りのあまり、つい早口で切り出してしまった。
とにかく、彼女の全てが見たかった。
彼女は覚悟して来ているとはいえ、急に恥ずかしくなったのか顔を赤らめた。
その様子も私をさらに興奮させた。
しばらく後、彼女は意を決したのか「はい」と頷いた。
私は先に立ち、アトリエへと彼女を案内した。
応接間よりさらに広いアトリエには画材とソファー、テーブルの上にピューターの魔法瓶とティーセット、そして大きめのつい立てが置いてある。
私は、つい立ての向こうで服を脱ぐように彼女に伝えた。
私の胸は爆発しそうな期待に高鳴った。
どうか彼女が私の理想通りでありますように。