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「処置?」
「そう」
私は自分が5人の女たちにしたことを思い返した。
すると自然と笑みがこぼれてきた。
「私はまず、裸婦画のモデルを彼女たちにさせた。もちろん、彼女たちの美しさを確かめるためだ。そして次に」
私はそこで、わざと間を置いて彼女の反応を見た。
紳士ぶっていた私の態度の変化に彼女は気づいていないのか?
面接していたときより、遥かに彼女は堂々としている。
私は急に一抹の不安を覚えた。
それは極々小さな路傍の石のような違和感だったが、ひどく胸騒ぎがした。
否、もう大勢は決しているのだ。
ここからの取りこぼしは、あり得ない。
今は勝利の美酒に酔う時間ではないか?
何を恐れることがあろうや。
私は突き進んだ。
「睡眠薬入りのコーヒーを飲ませる」
私の言葉で彼女は、ちらりとコーヒーカップへと視線をやった。
そうだ、そのコーヒーだ。
しかし、もう遅い。
じきに眠たくなってくるだろう。
私のこの独白を子守唄にするがいい。




