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「ああ、そうだ。それは間違いない。君こそ私が長年、捜し求めた理想の女性だ」
「理想の女性?」
彼女はモデルを務める前とはうって変わって、しっかりとした眼差しで私の眼を見つめた。
「君は美しく魅力的だ。そこに疑問を差し挟む余地はない。ただ…」
「ただ?」
「それは永遠ではない。何故なら」
「………」
「人は老化する」
「………」
「君の美しさはいずれ消えていく。そして、見るも無残に醜くなっていく。それは避けられない。それが我々、人間にかけられた呪いなのだ。絶対に逃れられない」
「………」
「私は君の美しさを守りたい。今一番、魅力的な君をそのままで残したい」
私の身体は興奮で熱くなり、そのあまり両手は微かに震え、ともすれば言葉を噛みそうになった。
「実は君より以前に5人、私は女性の美しさを守っている」
「守るとは、どういう意味ですか?」
彼女は私から眼を逸らさない。
「老化せぬように処置したということだ」




