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episode,003 預言という猛毒




ククルは、夕方近くになってから都市へと戻ってくると別の宿屋へと向かい一室だけ借りて、一週間ほど泊まる事にした。



「むー、どう考えても……可笑しいんだよねぇ……」


(この“一番目のアーティファクト”、原因はマナクリスタルの石化?でも、もしも石化していたとしたら……もう、この土地は崩壊する筈だし……)



ククルは空間を開いて、大きな分厚い本を取り出してテーブルに置いてからポーチから水色の粉を取り出してから本に振りかける。


そうすると、あの時のアーティファクトのレプリカが顕れる。



「……核には、異常は見られない……」

「って事は、まだマナクリスタルは石化はしていない……というより、健在って考えてもいいのかもしれない」



ククルはアーティファクトを見つめながら、出会った青年の事と水晶珠の事を思い出していた。



「……これって、もしかして……なんだけど、何か裏で何かが動いているって事になるのかな?」

「よしっ、明日……また広場にて彼らをコッソリと覗いてみようっ」








次の日になり、ククルは広場が見えて青年からは見えないと思われる位置にやってきては様子を見ていた。


沢山の人々が、“預言”を求めて集まっているのだが青年の表情は愛想笑いだけで目に宿るのは、嫌悪感と苛立ちだけだった。



人々は、日々の生活にまで“預言”をしてもらっている。


例えば、夕食の献立。

例えば、テストの結果。

例えば、天候について。


人々は、“預言”の通りに生活をしている。

自分の意思ではなく、“預言”によって自分の人生を決めている。


“預言”に、依存しているのだ。



(中毒のような、そんな感じなのかもしれないね……)

(もう、当たり前のように……それがある感じ)



ククルは考えてみても、もっと詳しく知るべきだと考えて教会の方を見つめる。


水晶珠から聞こえた女性の声、それが何なのかを知れば“一番目のアーティファクト”の崩壊の兆しが分かるかもしれない。



「……侵入、してみるしか……ないよね?」



ククルは、夜が来てから教会へと忍び込む事を決めた。


“聖女”にしかないとされる“預言”が、どうして男性である青年が扱えているのか。

そして、水晶珠から聞こえた女性は何者なのか。



「決行は、真夜中だね」





ーNEXTー→


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