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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第四章:遠方からの来訪者

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第81話 名付け

「愛莉様、凄いです!見たことも無い船です!」

「アリスちゃんに見覚えがあったら俺が困るわ。

……今回も助かったよ。加藤さん、ありがとう」

「絵を描くのは好きだから、このぐらいならいつでも大丈夫だよ」


加藤さんが描いた絵を見ながら、はしゃぐ加藤さんとアリスちゃん。見た感じ同い年に見えるけど18歳と8歳だから歳の差10歳である。それなのにアリスちゃんの方が年上っぽく見えるという。身長は同じぐらい。


「エレベーターの作動中をイメージして書いてもらったけど、普段は船にしまっている飛行機を上に移動させて、空へ飛ばすんだ」

「何故、秀則様はエレベーターのことを知っているのですか?」

「知っているから。アリスちゃんへの説明は愛華さん達に任せる」


アリスちゃんがエレベーターを知っていたことに疑問を感じているけど、他に疑問を感じるポイントは無かったのだろうか。エレベーターが身近なものだったから、違和感に気付いたのかな。


「エレベーターもフランス人達に作らせようか。後は通信とか……電気工学の分野の発展も見込めるな」

「既に、フランス語を話せる人がフランス人達を居住区に送ると同時に、学ぶ技術の選別も始めています。エレベーターが便利な物であれば、すぐにでも仕組みを学びましょう」

「……エレベーターを活かせるような高層建築物が、今はまだ無いけどね」


愛華さんによると、早くもフランス人居住区へと輸送しているようだけど、汽車が過去のものなら失笑されてそうだ。欧州では電車がもう、実用化されているのかな?学ぶ分野が多すぎて、選別に困る。まあ、最初は彼らに日本語を学んで貰わないといけないのだけど。


アリスちゃんにはフランスのことを教えて欲しいし、フランス人にとっての日本語教師よりも日本人にとってのフランス語教師の方が適任だったので手元に置いた。親衛隊の中でフランス語をかじっていた人は、アリスちゃんに発音を教えて貰っている。何気にフランス語が達者な社長令嬢の怜可さんは、もうアリスちゃんと仲良くなっていた。


……ここまで日本の発展が遅れていると、フランス人側に合わせろと言う人も居そうだな。それはそれで困るけど、働かないなら食糧の供給を途絶えさせれば良いから問題は無い。この日本は、そういうことを平気で出来るのが、ある意味強みなのだろう。


「調子に乗った人は隔離……他の地方へ移送するようにして。そういった気持ちは、伝染するからね」

「隔離した後は、どうしますか?」

「……今の日本の常識に合わせるよ。働く能力があるのに、お金が無くて、働かない人間は餓死するしか無いんでしょ?」

「……既に、フランス人の1人が物乞いになっているようですが」

「今の日本人で、外国人に食料やお金を渡す人なんていないと思うけど。あと、伝染したら面倒だからその人には別の地方に住居の用意をお願い」


外国人のための制度を用意したけど、要求がエスカレートしないように配慮はする。というか現段階で要求のエスカレートが起きると俺の立場が無くなるから止めて欲しいのだけど、2000人を超える大所帯なら問題児の1人や2人はいるようなので、伝染しないように集団から引き剥がす。何かを要求する度に、配給品の鮮度や品質を一段階落とすぐらいの嫌がらせは、たぶん実行されるだろう。それを止める気は起きない。


「アリスちゃんレベルで働いてくれていたら、厚遇してくれ」

「私、1日に2時間も教えて無いですよ!?」


逆に、日本のために働いてくれる外国人に対しては極力こちら側も尽くすようにも言う。完全に、俺が戦国時代にいた時の手法だ。降伏して来た人材を雇う時に、達成した仕事量と仕事への態度を評価の基準にして、尽してくれる人にはこちら側も厚遇する。……今の日本の社会の根幹は、大体俺が作っていることを再度実感した。


「これが、赤城ですか?それとも、加賀です?」

「あ、口に出てたか。よく船の名前だと分かったね。これは空母の赤城だよ」

「船の名前だということは、会話を聞いていれば察することが出来ます。船の名前は、1隻ずつ付けるのですか?」

「1隻ずつ、名前を付けるね。船の数が多い艦種には数字も名前に入っていたけど、軍艦の名前は格好良い名前が多かったよ。確か、戦艦は旧国名だった気がする」


彩花さんが船の名前について聞いて来たので、今の日本では数字で船を呼んでいたことを思い出す。つい最近就航した船は九式小型戦闘艦72号だとか。大量建造の影響か管理社会の影響か、1隻ずつ名前を付けることは止めたのだろう。風情も何も無いけど70隻も同じ型の砲艦を建造するのは進歩が無いというか、思考停止している。


「これから内燃機関を導入した大型の船には、1隻ずつ名前を付けようか」

「それならば、最初の船の名前は秀則様が決めて下さい」

「……待って、俺のネーミングセンスを知って言ってるよね?」

「秀則様が名付け下手なら、豊森家の人間は全員名付け下手です」


とりあえず愛華さんに名前を付けようと提案したら、最初の船の名前を付けて下さいと言われた。1番最初に建造される内燃機関を導入した大型の船は、おそらく駆逐艦になるだろう。どうしよう、第二次世界大戦で戦った駆逐艦のネームシップとかで良いだろうか?


「大和は勿体無いし、神風……はなんか嫌だから……初風で良いか」

「初風ですね。良い名前だと思います」

「いや、確か初風って名前の船もあった気がするし、俺が一から名付けた訳じゃないよ」

「それでも秀則様が命名した名前という事に、意味があります」


結局悩みに悩んだ末、初風という名前にした。初という漢字を使いたかったし、やたらと風の付く大日本帝国海軍の軍艦名が思い浮かんだから、初風だ。確か初風って名前の軍艦もあったような……?


流石に1つ1つの名前を覚えている訳じゃないけど、確か初風はあったはずだ。でもまあ、愛華さんが良い名前というなら問題は無いし、凛香さんも彩花さんも納得した表情だから大丈夫なはず。個人的には、妥当な名前になったと思っている。たぶんこれから建造される駆逐艦は、初風型駆逐艦という感じになるのだろう。

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― 新着の感想 ―
神風も元々悪い意味なんて無いんだけどなぁ。
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