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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十ニ章:世界大戦 3年目

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第369話 5周年

2025年3月11日。俺がこの世界に来たから5年という月日が経ち、世界大戦が始まってからもうすぐで3年の月日が過ぎようとしている。今年見た夢は日本改革党のメンバー達が増えて行って、資金の調達も楽になったとか言ってるだけだったので言及はしない。大阪万博後、さらに景気が悪くなるなんて「知ってた」としか言い様がない。


改変前の日本のことは一先ず置いておき、今は欧州戦線の動向に注目する。3月10日に攻勢の開始を強行した日本軍は、蓄えていた毒ガス弾を一気に要塞線へ撃ち込み、フラコミュ軍の殲滅を目論む。どうやら、フラコミュに4月からの攻勢開始が知られていたようで、作戦の一部を文人さん自身が変更して即座に攻撃を開始した。


毒ガスを使う以上、すぐに日本軍は進軍することが出来ない。恐らく今は、毒ガス弾の7割ほどを撃ち切った後で、毒ガスが晴れるのを待っているのだろう。


「……すぐには死なないが、死ぬよりも苦しい目に会う毒ガスか。即効性と遅効性の毒を混ぜてあるのも、嫌らしいところだな」

「毒ガス弾を撃ち込んだ時、フラコミュの要塞線から何度か砲撃が返って来たようですが、その後はパタリと止んだようです」

「その砲撃で、毒ガス弾が誘爆しなくて良かったよ。ガスマスクは、完璧じゃないんでしょ?」

「ガスマスクより、防護服の方が完璧ではありませんね。肌に触れても影響のある毒ガスですから」


毒ガスから身を守る術はまだ不十分だけど、解毒薬は出来ているので最低限の自衛は出来るとのこと。毒ガスの開発から始まったから、どうしても防護服やガスマスクの開発は追い付かないし、追い付けない。


出来ればこちらの防御を万全にしてから、しっかりと計画を立ててから攻勢を開始したかったのだろう。それが出来なかったのは、フラコミュの諜報力を舐めていたからだな。しかし毒ガス弾を数発撃ち込んだだけで、抵抗が止まるのは相当ヤバい。


フラコミュの要塞線、広い範囲に毒ガス弾を撃ち込んだみたいだけど、効果は十分にあったみたいだ。不発弾になったらこちらに被害が出るかもしれないので、着弾したら必ず爆発するようにもしていたようだけど、それが上手く行った形かな。


毒ガス弾の後には、普通の砲弾も撃ち込むことで要塞線の破壊も目論む。プロイセンも列車砲を開発したみたいなので、列車砲を用いての後方地域への砲撃も開始している。


「毒ガス弾は高価……値段が高いですし、効果が無いと困るので効果はあって欲しいですね」

「何で彩花は今、言い直したの?」

「何でも無いです。あ、化粧品の商品化が完了したので、今月の下旬には販売を開始していると思いますよ」

「お、予算会議までには間に合ったのか。これからどんどん発展する産業のはずだし、価格設定は間違えないようにして欲しいとだけ伝えておくよ」


化粧品の開発期間が長くなったのは、一通り開発してからセットで売り出す方針があったからだ。昨年から、工場を建てたり研究したり開発したりしているけど、彩花さんの有り余る財力が無ければ難しかったはず。


銀行からの融資にも限界がある以上、やっぱり一般人が起業するのは難しいのか。特に1から商品開発をするのは、難易度が高すぎる。……それでも民間企業が増えて来ているのだから、金儲けに対する人間の執着心みたいなものは感じた。


プロイセンの方で開発をしたセロハンテープやバンドエイドは日本でも売れ行きが好調だし、明佳さんと香保子さんの会社には日本で開発する余裕は無いけどあったら便利、みたいなリストを作って送りつけた。その中には、魔法瓶や湿布薬などが含まれている。


……湿布薬自体は、今の日本でもあるけど貼れるタイプがまだ無いんだよね。それに種類も少ないし、筋肉痛によく効く湿布薬とかは開発して欲しい。魔法瓶の方は純粋に俺が手元に欲しいだけだけど、便利だし開発して損は無いはず。


研究費はこれ以上割合を増やさないと決めている以上、どうしても予算の兼ね合いは難しい。次の予算会議では、高速道路の建設が始まるからインフラの費用が跳ね上がるのは確定しているし、軍事費はこれ以上削れないのが痛い。戦争が終わっても、メキシコ侵攻を視野に入れているからある程度しか削減出来ないしな。


「新型の爆撃機と戦闘機の開発が完了したのなら、生産するために空軍の予算は増やすべきだよな。割を食うのは、海軍か」

「航空機の生産経験は空母の開発にも繋がるものですし、海軍も空軍の優先に理解を示すと思いますよ。今の海軍上層部は、話が通りやすくなっていますし」

「空母は空母でお金がかかるんだよなぁ……。戦争が終わったら、しばらくは内政に励みたいよ」


ただ、メキシコ侵攻に関しては完全に余力だけで行なう予定だ。それに講和会議で現在の国境線に文句を言わなかったら、侵攻もしないと思う。現状は、メキシコがスペインに掛け合っているみたいだし、文句を国際的な場で言って来そうな感じはしているけど。


流石に、戦争が終わった後の日本を相手に喧嘩を売ることは無いと思う。だから現在の国境線で文句を言うなら侵攻も辞さないという意思を伝えれば、それだけで引き下がると思いたい。……一度フラコミュに侵攻されてボロボロになった地域を、再度侵攻して奪っても、メリットが無いというのは大きいな。


新規に獲得した領土の開発が終わるまで、新しい土地を囲い込む動きはメリットよりデメリットの方が大きい。そして北アメリカ大陸とペルシア湾沿岸部、アフガニスタン領の開発は、終了まで早く見積もっても5年近くかかるだろうな。

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