表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十ニ章:世界大戦 3年目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

405/425

第367話 バグダード

2025年1月9日。新年の行事も一通り終わった頃に、オスマン戦線で新しい動きがあった。バグダードにて、一般市民が武装化。数十万人規模の軍が誕生し、日本軍に襲い掛かっている。北アメリカ大陸でよく見たフラコミュの一般人による民兵化を、ここでも見ることになるとはな。


相対する日本軍は、補給が追い付いたので弾薬が十分にあり、火砲が火を吹いている。淡々とオスマン人を処理していく日本軍を相手に、オスマンの民兵達はすぐに組織的な抵抗が出来なくなる。どうやらフラコミュ人のような、強靭な精神力や規律は無かった模様。


シナイ半島を制圧したことでオスマンはエジプト地域を放棄せざるを得ない状況にまで追い込まれ、実際にエジプトにいるオスマン軍を放棄したのか、イタリア王国軍の活躍をよく聞く。イタリア王国軍も、宣伝を頑張っているのかな。戦後は、イタリア本土に戻れると思う。


「ヒジャーズ王国軍は、大したことが無いのか」

「所詮、オスマン帝国の傀儡国の軍隊ですし、規模も小さいです。しかし、思っていた以上に進軍が遅いですね。ヒジャーズ王国を降すのは、時間がかかるかもしれません」

「……時間がかかっている理由は、砂漠か。北アメリカ大陸への侵攻で何度か躓いたのも、砂漠だったよな。砂漠を素早く横断するのが、難しいのは分かるけど、今回は迂回も難しいのか」


彩花さんが想像以上に時間がかかっていると言っていたのは、砂漠の攻略について。昼間は暑く、夜間は寒い。そんな砂漠に、日本軍はまだ適応していないということだ。こればかりは、対策も難しいしな。


アラビア半島は、砂漠地帯も多い。と言うか、アラビア半島のほとんどが砂漠だ。ヒジャーズの領土はほぼ砂漠と言っても良いので、無理にヒジャーズ領に侵攻するよりかは、オスマンを先に降す方が良い。


オスマンの中心都市は、アナトリア半島の中央部にあるアンカラと黒海への入り口のイスタンブールだろう。イスタンブールは沿岸の都市なので、強襲上陸を仕掛けることは可能かもしれないけど、そのためにはダーダネルス海峡を突破しないといけない。


このダーダネルス海峡は狭く細長い地形で、突破するのが不可能に近いと俺は知っているので、仕掛けるならアナトリア半島の沿岸都市だと思う。しかし現状、地中海に日本の艦隊が出るのは怖すぎるから見送りだな。


とりあえずバグダードに集中した後は、西進をしてダマスカスやエルサレムを視野に入れる。オスマンの南半分を攻略してしまえば、オスマンとの講和も可能だと思いたい。


フラコミュとの戦争への終結に向けて、大規模な作戦も立案段階だ。日本軍による毒ガス攻撃を行ない、フラコミュの要塞線の中央部を突破する作戦自体は統一司令部でも受理され、今は細かい日時の決定を行なっている。実際に攻勢に出るのは、雪解けを待ってからだから4月以降かな。


プロイセンの北部地域は、3月でも普通に肌寒く、3月上旬でも雪が降る。中央部を突破したら、プロイセンの北部地域に残されたフラコミュ軍を包囲したいから、4月以降の攻勢になった。


プロイセン軍の士気もいつ崩壊するか分からないから怖いけど、フラコミュは毒ガス攻撃を受けた時点で士気が壊滅するという文人さんの読みがある。上手く行けば、数十万人規模での捕虜を獲得し、この世界大戦の決定打となるだろう。


北アメリカ大陸から回収した部隊は、中央アジア方面や欧州方面へと派遣されたけど、全体の軍量自体は少し減った。北アメリカ大陸での日本軍の死傷者の数は、約30万人。一方のフラコミュ軍は、計算するのも難しいほど人が死んでいる。風船爆弾とかで死んだ人の数とか、日本は分からないしな。


……あの風船爆弾、結局は大規模火災を引き起こしたり、着地地点の近くにあったガソリンに引火して大爆発を起こしたりと、フラコミュに甚大な被害を与えていた。民間人の死傷者の数は半端ではなく、それがフラコミュ人の日本人化の1番の妨げになっているとも言われる。


まあ、親や子供が敵国の兵器に殺されたのに、その敵国の国民になれと言われても中々に難しいのだろう。中には、そういう状況なのにも関わらず日本人化を果たして日本人としての責務を果たし始めた人間もいるみたいだけど。切り替えが出来る人間というのは、いつの世も強いな。


「最終的に、捕らえたフラコミュ人は3496万人か。……その内、既に処分したフラコミュ人が120万人って、完全に虐殺だな」

「処分したというよりかは、自決の手段を渡しただけですね。どう足掻いても懐柔できないフラコミュ人は、周囲に悪影響を与える前に処分しています」

「奴隷として、強制労働とか出来ないの?」

「無理ですね。何か持った段階で、それは監視役の日本人に向かって投げられます。生産性も著しく低いでしょうし、監視役が勿体無いですよ」


彩花さんに、反抗的なフラコミュ人男性はギリギリまで追い込んで見極めているということを聞いて、強制労働が出来ないのか聞いてみたら無理だと言われた。強制労働をさせる環境を整えるのが面倒だし、コスパも悪いから殺すとのこと。


今の日本なら、本当にギリギリまで見極めているのだと思う。フラコミュ人の中にはフラコミュに対して敵意を持つことで精神を安定化させた人とかいるみたいだし、日本人化はゆっくりと進んでいる。北アメリカ大陸の開拓は、フラコミュがある程度行なっている地域も多い。


将来を見据えれば、日本が北アメリカ大陸を領有したことは大きい。今はとにかく、インフラ整備を進めていこうか。フラコミュが焦土作戦を行なった地域はボロボロになっている地域も多い。その修復は、早めにしていきたいかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ