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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十ニ章:世界大戦 3年目

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第364話 聖地

10月18日。スエズを奪取するために、シナイ半島への上陸を開始する。既に紅海の制海権は握っている状態だったから、比較的スムーズに作戦は進んだようだ。上陸した軍隊は、まず最初にスエズ運河へと向かって、陸上からスエズ運河を封鎖する。その後は、エルサレムを目指すことになっている。


エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり、ここを日本教の信徒しかいない日本軍が占領するのは敵軍に大きな影響を与えるはず。味方にも影響は出るかもしれないけど、それ以上にオスマン軍の士気を砕くことの方が重要だ。


「それにしても、日本教ってオスマンまで伝播しているのか。ペルシアやインドにも伝播していた時点で、もしかしてとは思っていたけど」

「宗教のあるところには、大体伝わってそうですね。宗教は集金装置という直球な言葉が、国外でも受けたのかもしれません」

「……オスマン軍が、その集金装置である聖地を守るためにどれだけの軍を繰り出してくるかだな」

「国内に残っている軍は、全て吐き出すはずです。そうなればアバダン方面から、一気にアナトリア半島へ進軍出来るかと」


中央アジア方面軍の監督をしている毛利少将と話をしていると、今後の方針について、少し変更があることも伝えられる。元々、この上陸した部隊が本隊となってエルサレムの制圧に動く予定だった。しかし上陸させる軍の規模を大きく出来なかったので、上陸した軍はシナイ半島を制圧した後、エルサレムを伺いながらスエズ運河とシナイ半島を保持する方針だとか。


肝心のエルサレムを占領する軍は、ペルシアから召し上げた領土から進軍する自動車化歩兵師団の役割らしい。オスマン領内はインフラがそれなりに発達しているようで、道路も整備しているようだから方針を切り替えたとのこと。


……まあ、シナイ半島に上陸した軍の規模が予定より少なかったのは大きいか。純粋にアバダン方面から正面突破を図る気なのかな。上陸した軍が上手く陽動の役目を果たせるなら、そちらの方が良いのかもしれない。


ついでに海軍は紅海のスエズ運河近郊に展開しており、敵の陸上部隊と激しく交戦している。上手い具合にイタリア王国軍が北上しているから、アフリカ大陸のオスマン軍は包囲殲滅が出来そうだな。ロシアやペルシア方面に意識が集中していただろうし、今回の上陸作戦は決定打になりそうだ。


「……吉良さんが戻って来てから、海軍の上層部は揺れてるね」

「陸軍と空軍に続いて、海軍でも豊森家以外の人間を重用しましたからね。海軍だけは大丈夫だとか、思ってたようでどうなるのかは読めないです」

「陸軍は、将寛元帥から代わってなくない?」

「中央アジア方面軍の総司令官に豊森家以外の毛利少将を任命しているのは、今までに無かったような出来事ですよ」


吉良さんがプロイセンから帰って来たので、早速首切り役にしたら海軍の上層部にいる人達は右往左往をし始めた。ここで秀則様が乱心だ、みたいなことも言い出さない辺りは自覚があったのかもしれないけど、何かしそうで怖い。


一応、今いる上層部の半分は残す予定だけど、残りの半分は降格をさせる予定。やっぱりもっと早くに、海軍上層部の居座り問題は解決するべきだったかな。話術が上手い老人ほど、厄介な存在は無いと思った。


彩花さんが、陸軍と空軍に続いて海軍までも豊森家以外の重用を始めたと言っているけど、最初は毛利少将のことだと分からなかった。そう言えば、方面軍の司令官は基本的に豊森家の人間だったか。あと不破野さんとか、超が付くほど出世させてるな。空軍に至っては、島津さんがトップだし。


ただ、毛利さんに関しては途中で豊森家の嫁を貰った男が祖先にいるため、そう遠くない内に豊森家になる。それに加え、少し驚いたけど吉良さんは今川氏真の子孫らしい。後は品川さんと、今川さんも氏真の子孫だ。氏真には駿府城城主にする際、俺の娘を監視役で送っているので、法改正をすればこの時点で豊森姓を名乗る資格がある。


今後の陸軍や海軍の中核となりそうな吉良さんや今川さんが豊森姓を名乗ることになるなら、豊森姓を名乗らせる案も上手く行きそうな気はする。後は島津さんだけど、たぶんどこかで豊森家の女性を送っているとは思う。家系図を遡れば、どこかで豊森家の女とくっついているというのは恐ろしいな。


「今回は、上陸した軍が包囲され無さそうで良かったよ。前回は、オスマン軍が湧いて出て来たからな」

「あれは、すぐに対応が出来たオスマン軍が強かっただけです。ペルシアの援軍として集まっていたオスマン軍が、上陸地点の近くに固まっていたことが、日本軍にとって不運でした」


オスマンへの上陸作戦が上手く行った時点で、残りは消化試合のようなものだ。オスマンが潰れれば、フラコミュ陣営が潰れるのは目に見えている。戦後の交渉でスペインとスコットランドがどれだけ邪魔するかにもよるけど、フラコミュは共産主義じゃ無くなるだろう。元のフランスに戻って、新体制を築くはずだ。


プロイセンも戦後に普通選挙を認めてしまっているので、民主化の波は襲って来る。先手を打っている状態ではあるけど、日本がその影響を受けるかは今のところ、微妙だな。……結局は民衆が、どう思っているかにもよるけど、今の日本の体制は崩したくない。

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