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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十ニ章:世界大戦 3年目

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第362話 増収

日本の今年の税収は、去年より6%増えている。全体的に好景気が続いているため、インフレも少しずつ進行中だ。一方で支出もそれに合わせて増えているし、国債は新しく雇用した土木作業員の雇用費用分を発行することになった。災害復旧は何とかなったし、復興も始まっているから順調ではある。


「税収が増えるということは、所得が増えているってことか。特に民間企業の収入が増えてそうなのは良い事だな」

「酒税の影響も、多いですね。これまでは回収し切れていませんでしたが、今年に入ってようやくまともに回収されたと思います」

「税金は、回収するのも一苦労だからな。……消費税とか、導入するのも面倒そうだ」


借りた国債を返す余裕は、現状無い。返すお金があるなら、少しでも多くインフラ開発に回したいからだ。既にアスファルトで覆われた道路になっている地域は多いけど、それは本土だけ。これからアメリカ大陸や旧アフガニスタン領のインフラ開発も本腰を入れるとなると、お金は吹き飛ぶ。


自動車の交通量も増えて来たし、環境汚染は意識しておかないといけない。自動車に関してはとりあえず燃費の改善に集中して取り組んでいるけど、少しペースが遅いかな。研究員を多方面で活用しているから、おざなりになっている分野もわりとある。


仁美さんが酒税について、ようやく回収できるようになって来たと言っているけど、要するに今まで100%の回収は出来て無かったということだ。2022年の1月に導入して、2024年の9月現在まで、取りこぼしていた税金はかなりの額になってそうだな。


まあ、改変前の日本も税の回収率は100%じゃ無かったし、100%の方がおかしいからある程度回収出来ていれば問題無い。将来的には各個人の収入と消費を把握して過払い金が無いか、脱税が無いかはチェックしておきたいけど、何十年後になるんだろう。


「税の種類は、増やしたくないね。改変前の日本とか、税の種類が多すぎるって話題だったし」

「そうなのですか?改変前の日本の税について、具体的には消費税と所得税、アルコール税や住民税のことしか聞いていませんでしたよ?」

「えーと、ちょっと思い出す。所得税と消費税、固定資産税、自動車税、ガソリン税、酒税、タバコ税、相続税、贈与税、住民税、法人税、関税……今の日本だと、贈与税や相続税も一括で所得税だから割り切りやすいな」

「関税も聞いていましたね。しかしロシアの商品に関税をかけると、売れなくなるでしょう」


今の日本だと、固定資産税が無いのは大きいと思う。これが無いから、今の日本は資産の保有を制限するために、土地の所有面積によって購入時や売却時の土地の値段を決めたり、建築費用も変わってくる。彩花さんの実家とか、どれだけのお金を注ぎ込んで土地を囲い込んだのか分からないぐらいだ。


俺が羅列した中で、仁美さんにまだ言ってなかったのはたばこ税と法人税ぐらいか。たばこ自体、日本に普及していないし、たばこ税は課すことは出来ないな。……今の日本は、何故かたばこを吸うと肺が真っ黒になることを知っているし、たばこを吸う人の平均寿命が短いことも把握している。


実態を把握し、制限をすることが出来るのは今の日本の良い所ではあると思う。法人税の方は、民間企業が死にそうになるだろうし、今は免除だな。将来的に、民間企業が増えたら導入するかもしれないけど。


新税をこれ以上増やすのは止めた方が良いだろうし、増税はまだしなくてもインフレは加速しない。ただ、税を課さないとインフレは止まらない。自然なインフレは国民全体が裕福になっている証拠でもあるけど、貧困層は困っているだろう。


……その貧困層の9割以上が、働けるのに働かないような人間なので問題無いか?残りの1割弱も犯罪者か自業自得な状態なので、同情は出来ないな。国民総中流が達成されているか否かで判断するなら、間違いなく達成している状態ではあるんだよね。


「計算機は、小型化がまだ無理か」

「そうですね、一家に1台という目標は、まだ難しい状態です。秀則さんの思い浮かべる電卓になるには、まだ最低でも5年はかかるかと」

「大型の方もまだ足し算と引き算と掛け算しか出来て無いし、理論を詰めるのが先だね。まあ大型の計算機も、使えないことはないと思うけど、どうせ暗算の方が早いでしょ」

「……暗算のミスの方が、打ち間違えるミスよりも少ないことは確実でしょうね。計算自体は間違えないですし、活用したい気持ちはあるのですが、まだ難しいです」


1年以上もの時間と大量の人員と金を注ぎ込んだ計算機開発プロジェクトは、最終目標を電卓にしていたけどまだまだ時間はかかりそうだ。大型の計算機みたいなものは完成したけど、誰も使っていない。日本には暗算が得意な人が計算役を務めることが多いし、暗算の国家資格みたいなものまである。


人は計算を間違えることも少なからずあるけど、計算機は計算を間違えない。しかし計算機を動かすのも結局は人間なので、数字を打ち間違えたらそれで終わりだ。


コンピューターに辿り着くには、あと何回のブレイクスルーをすれば良いんだと少し憂鬱な気分になる。とりあえず計算機を作ろうということで手を出したけど、技術のブレイクスルーが起きるまでは、お金を垂れ流すしかないか。

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