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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十ニ章:世界大戦 3年目

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第352話 ペルシア陥落

8月10日。彩花さんの実家で知永さんや竜馬さんから戦地での話を聞いていると、ペルシアが陥落したという連絡が入った。追い詰めてから、凄く時間がかかった感じだな。ペルシアの底力とオスマン軍の大規模な援軍のせいで、想定以上に手間取っていたから非常に嬉しい報告だ。


「お?イスファハーンが陥落したのか?」

「いえ、アバダンへ上陸した軍団とアフガニスタン領から侵攻していた軍が合流し、万が一にも日本が負けなくなったからでしょう。向こうから休戦協定を持ちかけていますし、ペルシア軍の一部はオスマン軍を捕虜にしているようです」

「はぁ!?まだ休戦を持ちかけた段階でオスマン軍を捕らえているのか?」

「はい。未だに前線では日本軍とペルシア軍、オスマン軍の散発的な戦闘があるにも関わらず、オスマン軍を捕縛しているようです」


どうやら向こう側から休戦協定を持ちかけているらしく、共闘していたはずのオスマン軍を生け捕りにしている模様。早速日本から信用を失うような行為をするのは良い度胸だし、これは下手しなくてもオスマンがぶち切れる案件だな。


……今まで自国を防衛するために一緒に戦って来た軍を、例えこれからは敵になるからと言って捕虜にするのはどういう神経をしているんだろう。補給はペルシアが担当していたそうだし、簡単に捕虜に出来る状態ではあっただろうけど。


日本へ、媚を売っているつもりかもしれない。だけど、完全に逆効果だな。簡単に裏切ることの出来る国が隣国にいるというだけで警戒をしないといけないし、それならいっそ潰してしまった方が良いと日本側は考える可能性もある。心情的にも、よく共闘していたオスマン軍を捕虜に出来るなという気持ちだ。


そう言えば、ペルシアとオスマンは同じイスラム教国家だけど宗派が違ったか。……だから簡単に、売り飛ばすことも出来るのか?ペルシアとオスマンは、元々仲が悪い。しかし元々の関係を鑑みても、今回のペルシアの行動は酷すぎる。


「面白そうだからしばらく放置してくれって言いたいけど、放置してメリットはある?」

「少なくとも、ペルシア軍とオスマン軍で戦闘は起きるでしょうし、既に起きている状態です。日本が休戦に応じなければ再び日本軍との戦闘を再開するとは思いますが……放置するのも良いかもしれませんね」

「いえ、これからオスマンを降伏させるのであれば、素早く休戦して講和会議を開く方が良いでしょう。既に、世界大戦での最大の戦果は得ている状態なのでしょう?それなら一刻も早く、大戦を終わらせることに集中するべきです」


報告書を持って来てくれた愛華さんは、放置するのも良いかもしれないと言うけど、知永さんは次に降伏させる相手のことを考えるならさっさと講和会議に入った方が良いと言う。そして彩花さんが知永さんを支持したので、ペルシアとは休戦後に講和会議へ入ることにした。


ペルシアとの講和の条件はロシアとも相談していたけど、ロシアはカスピ海の沿岸部、日本は旧アフガニスタン領とペルシア湾沿岸部、というかペルシアの海岸地域は全て割譲ということになっている。


一応、ペルシアには大都市であるテヘランとイスファハーンが残ることになるけど、完全に内陸国となる予定だし、パキスタンとの繋がりも完全に切れるはず。


ちなみにテヘランは、賠償金の支払いのためにロシアの委任統治地域となる予定。半壊している都市とはいえ、ペルシアの生産を支えていた都市なので人口は多いし物資は集まるはず。賠償金の分配は日本の得る領土の方が多いし、日本が4割でロシアが5割ってところかな。プロイセンが1割ぐらいは持って行くはず。


休戦に入るに当たって、ペルシア軍は大量の小銃や爆発物、そして数少ないであろう戦闘機を差し出す予定。まだ日本が採用していない未知の技術はあるかもしれないし、その戦闘機はすぐに研究所行きだ。


……まあ、オスマン軍がどういう行動をするかでも今後の展開は変わっていくか。ペルシア領で暴れ続けるなら、包囲する絶好のチャンスでもある。流石におとなしく撤退するとは思うけど、去り際に何かして来そうだな。


「というか、ペルシア領内にいるオスマン軍って詰んでる?」

「詰んでますね。そしてペルシアがこういうことをした以上、ペルシア領内に日本軍が入るのは避けた方が良いでしょう」

「……日本やロシアとの交渉で、少しでも優位に立ちたいからこんなことをしたんだと思うけどね。15万人という数なら『ペルシアの言い分が通らなければ、オスマン軍を解き放つぞ』という、脅しにも使えるかもしれないし」

「オスマン軍が解き放たれて戦闘が再開されたところで、日本軍の方は変わらないどころか増えているでしょうし、ペルシア軍の方は大きく変わりませんから無意味ですよ。本当に何を考えているのか、または何も考えてないのか、個人的に気になりますね」


知永さんからも色々と駄目出しをされるペルシアとは、とりあえず交渉の場で日本とロシアの言い分を聞き入れるかどうかだな。というかよく考えると、ペルシアがオスマン軍を捕虜にするメリットが少なすぎるから何かしら裏の意図はあるかもしれない。


……単純に日本へ擦り寄っただけかもしれないし、その可能性が高そうだから考え過ぎるのも良くないけど。

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