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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第329話 逼迫する財政

2024年3月11日。例年よりも5日早い予算会議が始まった。やるべきことが多すぎて、話し合うことが多すぎるからだ。


1番注視されたのは、ペルシア湾沿岸地域への上陸作戦だ。唐突に決まって、何かそのまま決行する流れになったんだけど、十数万人を輸送しようと思ったら結構なお金がかかる。現状、北アメリカ大陸へ100万人規模で送り込んでいるので、軍の予算はかなり困窮しているのだ。


それに加えて、巨大地震からの復興費用や堤防、防波堤の見直し、インフラ整備や本州四国連絡橋を架けることまで視野に入れると、お金が幾らあっても足りない。研究費も研究員が増えたことで膨張し続けているし、自主的に散財し過ぎている。


とりあえず、戦争中に軍事費だけは削れないので堤防や防波堤の見直しは後送りだ。そもそも、5メートルぐらいの高さの津波までなら耐えられる防波堤は多いし、堤防は基本的に頑丈だ。無理に30メートル級の津波を耐えようとしなくても良いだろう。


……また来たら文句は言われそうだけど、もう一度来るのは100年後とかその辺だろう。一方で本州四国連絡橋は、災害復興にも役立つだろうしどのぐらいのお金がかかるのか、試算させることぐらいはしておこうかな。将来的に、絶対に必要だと思うし。


「研究費はもういっぱいいっぱいだから、お金を削る分野と集中する分野で分けようか」

「戦術爆撃機と戦略爆撃機、戦闘機と迎撃機は区別し続けますか?4種の機体に分けることで、お金が余計にかかっていると一部から意見が出ていますが」

「んー、それは、分けるべきだと思うぐらいには差があると思うよ。でもまあ、戦闘機と迎撃機はまだ一緒で良いか。どちらも敵機を撃ち落とす必要があることには変わりないし、航続距離と速さの選択だしね」

「あとは、やはり空母の研究開発費と建造費が非常に高いです。建造中の軽空母は、一度建造をストップした方が良いかと」

「……試しに建造していた軽空母は建造中に、色々と問題が起きたんだよね?それなら、白紙にするのも仕方ないか」


研究費について、仁美さんと相談をしながら選択をしていく。空母に関しては一昨年の夏頃から建造を開始していた軽空母が一度完成しそうになったのだけど、わりととんでもないトラブルが起きて建造停止となった。詳しくは聞いてないけど、水上機を載せようとしたら沈みかけたとか。


空母の研究はやっぱりお金がかかるし、同時並行で進めていた潜水艦に関してはプロイセンの技術を模倣出来たから、これからは潜水艦への注力をしていくことになるかな。既に潜水艦は6隻を同時並行で建造中で、今年の春の決戦には間に合わないものの、夏頃には実戦運用を開始出来るとか。


ただ、潜水艦の武装は魚雷6本という少し心許無い数字だ。そこそこ大きな潜水艦なのに、定員は12名。この潜水艦が6隻あったところで、戦局を大きく変えるのかは微妙だな。


潜水艦に特化しているのはプロイセンなのだけど、あまり上手くは運用していない。というか、フラコミュはソナーと爆雷を積んでいる巡洋艦や駆逐艦の数が多いから、積極的に潜水艦で攻撃しに行けないんだよね。そしてプロイセンは潜水艦以外、艦艇の研究をあまり進めていないから、プロイセン海軍はフラコミュ海軍やイギリス海軍と比べると1歩も2歩も遅れている。


まあ、世界で1番遅れていた日本の海軍が他所の海軍に対して遅れてるとか口が裂けても言えないのだけど。海は数でごり押している状態が続いているから、被害は大きい。だから艦艇の研究は引き続き投資したいところだけど、潜水艦以外はどの艦種も少しずつ減額。空母は全カットして、予算を浮かせる。


その分を、復興費用と四国に作る新しいタイプの街作りに回した。戦争中に、軍事費をカットして内政に集中するとか負けフラグっぽいのだけど、四国は新しく災害に強い街にしないと今後も大変だから資金を確保した。


「台風が四国に直撃するのは珍しくないし、地震の前も台風で大変だったことは聞いたしね。それなら、災害に強い街作りは優先させておきたい。戦争とは、切り離して考えるべきだと思ったよ」

「モデル都市は、早めに作っておいた方が良いという判断ですか。将来的には今回の戦争で獲得した海外の領土に街を作る際の、手本にしたいのですよね?」

「うん。特に北アメリカ大陸は、効率的に都市を配置し直したいしね。……フラコミュの抵抗が激し過ぎて、占領した北アメリカ領は瓦礫だらけなんでしょ?」

「……街を消し飛ばした区画もありますからね。列車砲の集中砲火は、小さな街1つを消すぐらいの破壊力があるみたいです」


この新しいタイプの都市は、北アメリカ領の西海岸から順次配置をしていく。アメリカはハリケーンが襲うし、地震やその他の災害も普通に起こる。とりあえず今は、高潮や地震、大雨や暴風に耐えられるような街にしていきたい。


それと同時に、高層建築物にも手を出して行く。人口は増加傾向だから、マンションみたいな建物から作って行きたい。エレベーターも簡易的なものは出来ているし、準備は整っている。更地になってしまった四国の南側は、十分に活用して日本の発展に繋げよう。


「熊本、鹿児島、和歌山なども建物の倒壊が多かったのですが、都市を作り直しますか?」

「作り直すしかないけど、お金は大丈夫なの?」

「……戦時国債を発行するしかありませんね」

「……復興支援国債みたいに、名前は変えておこうか。軍事費として使うわけじゃないし、金利は極限まで低くしても大丈夫だと思う」


国債の発行は、慎重になって行う。イギリスのように延々と国債を発行し続け、紙幣を刷り続けたら、きっと日本でもハイパーインフレは起きてしまう。そうならないためにも、返せそうな範囲で国民から借りるしかないな。


今回の予算会議は長引きそうだけど、一応税収は増えているから、何とかなる範囲かな。本当に、巨大地震の爪痕は大きい。日本に住む以上仕方のないことなんだけど……地震をなくす方法とか、無いのかな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 日本は災害が多すぎて 他国が占領したところで運営できないって 言われるくらいですからねぇ…
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