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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第327話 自動車化歩兵師団

4月の上陸作戦に向けて、参謀本部では慌ただしく計画の練り直しが行なわれている。俺の思い付いた言葉1つで参謀本部全体が徹夜したりするから、参謀本部ではうかつな言葉を発したくないのだけど、今日はそういうわけにもいかない。


「次の上陸作戦で、自動車化歩兵師団の出来を確かめたい。上陸してから即座に進軍して、ペルシア湾沿岸部の全域を支配したいんだ」

「自動車を載せることが出来る船はまだ少ないのですが……試す価値はありそうです。自動車化歩兵をある程度編成し、現地に派遣しましょう」

「出来れば、師団単位で送り込みたいね。あとは、装甲車も実戦投入したいから砂漠での走破性は確認したいのだけど、砂漠だと厳しい?」

「炎天下での砂漠だと、流石に自動車や装甲車を使うのは難しいと思います。アラビア半島はほぼ全域が砂漠ですから、侵攻計画は慎重に立案したいですね」


参謀本部で働く参謀次長の常久さんは欧州戦線の方で手がいっぱいかと思いきや、最近は暇なようなので計画の立案を手伝って貰った。ペルシア湾への上陸作戦は、上手く行きそうではある。イタリア海軍やオスマン海軍を叩くことで、将来的には地中海で動きやすくなるだろうしな。


装甲車に関しては、機関銃を搭載した3人乗りの戦車っぽい装甲車が完成した。いや、戦車と装甲車の違いとか明確な定義が分からないから、とりあえずキャタピラ、主砲、装甲があることを戦車の条件にした。装甲車は、単に装甲があって機関銃を積んでいるだけの車だな。


装甲車を開発し、生産段階に移行したことで軍には新しく機甲科という兵科が出来た。戦車の研究も開始したし、将来的には主力になることを俺が言っているからか、人気の兵科にはなりそうだ。


「そう言えば、アフリカで再起を狙うイタリア王国軍がオスマン軍を押し返し始めたようです。それに、フラコミュの南の都市へ1万5千人規模の軍を上陸させたとか」

「それだけだと、すぐに蹴落とされるだろ。しかし、一応イタリア王国軍は海軍も持っていたんだな。……地中海はフラコミュ陣営から制海権を奪取出来ないだろうし、無補給?」

「おそらく、略奪で賄う予定なのでしょう。フラコミュ本土は、物資の集積地点が分かりやすいですし」

「日本の都市も、分かりやすい方でしょ。しかしまあ、無謀な作戦だな」


常久さんが、喜々として1万5千人のイタリア王国軍の上陸を報告してきてくれたけど、間違いなく捨て駒部隊だ。後方を攪乱し、1人でも多くの民間人の命を奪うためだけに上陸した軍だろう。フラコミュ軍の本体に捕捉されるまでは、暴れ回りそうだけど……最後は、惨い運命が待っているだけだと思う。


攪乱のために、後方へ上陸するというのは戦局にかなりの影響を与える。スカンディナヴィアが降伏したのも、プロイセン陣営の軍に一気に上陸されて戦線が崩れたからだ。上陸した人数が1万5千ということは、たぶん1個師団規模だな。


「イタリア王国軍が、最低限の海軍を持ち合わせていたことは朗報ではあるけどな。リビアから、スーダン、エチオピア、ソマリア辺りまでがイタリア王国の植民地だっけ?亡命して生き延びた国だけど、国力は低くないのかな?」

「輸送船だけで、敵の虚を突いたような気もしますけどね。海戦が起きた感じはないですし」

「あー、まあ、地中海沿岸の都市は油断してるわな。上陸されるはずが無い地域だし」


イタリア王国軍がフラコミュに止めを刺されなかったのは、きっとアフリカ大陸へ手を出すなと言った初代様のお陰だろう。フラコミュの多くの枠組みを創ったという初代様というのも、完璧では無いよね。捕虜にしたフラコミュ人の中には、崇拝している人がかなり多かったけど。


北アメリカ大陸の制圧が始まった頃から、どんどんとフラコミュ人を独房に送ってはいる。しかし、本当に服従する人の割合は高くない。子供も9割方洗脳されていると言っても良いから、殺さなくて良いのは赤ん坊だけというような状況。


民兵は防具も無しに飛び出して小銃で撃って来るそうだから、フラコミュ人は命の投げ捨てをしているのに等しい。それでも日本軍には少なからず被害が出ているから、有効な手段ではあるんだよね。絶対に屈服しないという戦法は、足止めには最適なのだろう。


ここまでフラコミュが必死なのは、プロイセン陣営が和平案を突き付け、敗戦後の現実を見せられたからかもしれない。もしくは、日本軍が風船爆弾で民間人を殺し過ぎたか。どちらにしても、フラコミュ人は全滅するまで戦い続ける心構えかもしれない。


「まあ、全滅するまで戦うというのなら戦い続けるけどね。何処かで、種の保存的な考えをする人が内部から出て来るはずなんだ。フランス人を、絶やすわけにはいかないって。既にフランス人は確保しているから、本当の意味で絶滅はしないけどさ」

「全滅するまで、ですか。あり得ない話では無いので、話題にしたくもありません。フラコミュの国民が持つ国への忠誠心は、もしかすると日本より上かもしれませんし」


戦争を続けていると、必ずと言って良いほど戦争に反対する人が台頭してくる。フラコミュでその現象が起こるとは考え辛いのだけど、一枚岩じゃ無さそうな雰囲気になって来ているそうだから、もしかしたら内部で揉める可能性も期待をして良いレベルであるかもしれない。


一先ず、上陸作戦は新しい要素が色々と含まれそうかな。空軍とも協力するし、日本の将来を左右する一大計画になって来た。後は、海軍の艦隊決戦がどれだけ上手く行くかか。巡洋艦の大量建造を開始してから、海軍力は増加の一途を辿っているけど、オスマンやイタリア海軍に勝てると断言することはまだ出来ない。

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