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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第326話 パキスタン王国

2024年2月5日。インドのデリーで行われていた内戦はあらかたの終止符が打たれた。統一インド解放戦線がデリーとその周辺地域を制圧し、デリー市長となったのだ。何回か団体名が変わっているのはご愛敬。


……デリー以外の独立していない地域の都市もほぼ独立都市と化したので、首都で行われていた内戦はほぼ市長を決めるための戦いになっており、相当な数の犠牲者が出た悲惨過ぎる内戦となった。


「デリーが荒廃し過ぎたそうだから、すぐ近くにニューデリーという都市を作るそうだね。旧デリーとニューデリーを含む一部地域で、デリーという国と認定してしまおうか」

「ニューデリーを作るというのは、荒廃した街から、瓦礫の撤去すら出来ないということですね。……インドはもう、統一勢力が現れることが無いと思います」


彩花さんがインドに統一勢力は現れないだろうと予想した後、続いて愛華さんがインドの南西部についての情勢を教えてくれる。


「南西部のドラヴィディスタンも、ほぼ独立した国として機能をし始めています。こちらはペルシアからの支援を受けていますが、ペルシアの傀儡国というわけでは無さそうですね」

「あくまで、ドラヴィダ族が集まっただけの国だからな。イスラム教を信仰しているわけじゃないし、独自の文化もあるそうだから、普通の隣国としてお付き合いしたいものだね」

「……人口が1億人近くいる以上、扱い方を間違えたくはないですね。対岸にあるセイロン島は要塞化を致しましたが、無闇に敵を作るわけにはいかないですし」


インドはこれで、パキスタンとドラヴィディスタン、ベンガルとデリー。そして各々の勢力圏に入っていないインドという5ヵ国に分裂したことになる。残りのインドというのはもう各豪族が自由好き勝手にしている無法地帯になっており、治安の悪化は深刻な問題になっている。


まあ、中央が立て直したからその混乱もすぐに解消するとは思う。ベンガルの方は上手く親日派と反日派の工作を続けているけど、親日派の一部がベンガル内部で国を興そうとしてまた面倒なことにもなっている。


パキスタンもペルシアとの繋がりが途絶えたから社会不安が襲っているようだし、インドはもうボロボロだな。イギリスの通貨を使っていた弊害も起き、各国の経済レベルは人口を考えると遥かに低いレベルになっている。


「ベンガルは、日本円を使い始めたんだよね?」

「はい。しかし偽札が横行し、それを取り締まる警察が不足している状態です。その偽札が日本へ流れて来ても困るため、貿易などは出来ない状態になりました」

「……ベンガルとの貿易は、物々交換になりそうだな。というか偽札が横行するの、早すぎないか?」

「日本の場合は、規律と告発で偽札の抑制をしているのですが……ベンガルに、告発制度は導入出来無さそうですね」


ベンガルも、日本円を使い始めてすぐに偽札が発行され出したらしい。いやまあ、紙幣のお金だから偽札を刷ること自体は楽なんだよね。日本の場合、偽札を刷った時の罪が重すぎるから流行らないだけで、他国だと当然こうなる。


……未だに、人権剥奪だけはやべえと思っているからな。その人に対しては、何をしても良いって判決だから、今の日本の異常性が滲み出ている。日本の全国民が、その悪人に暴力を振るい続ける事が出来るというのは、まだ異常だと思える。


とりあえずベンガル政府には硬貨を使うようにとアドバイスして、日本の銅や銀、金を買わせる。対価は人だけど、将来的な遺恨になってくれると嬉しい。日本の金や銀の産出量は、中国領や北方大陸領、オーストラリアのお陰で相当な量を産出しているから、比較的安定はしている。


守備のための日本軍を養ってくれている状態ではあるし、将来的にどう転んでも大丈夫なようにはしているから、ベンガルの運命は占領での併合か外交的な併合かだな。ベンガルの人口をどう生かすのかはこれから考えていきたいところだけど、ベンガル政府は紡績業を主軸に据えたみたいだし、しばらくすれば国として自立出来るだろう。


「で、パキスタンは未だに日本軍へ攻撃してないの?」

「はい。ペルシアからの影響力が日に日に弱まっているのと、トップの判断が遅いため、意図せぬ内に日和見状態になってますね」

「……放置して後ろを刺されるのも嫌だし、不可侵条約とか締結出来ない?ペルシアの傀儡国家って、どのレベルの傀儡国家なんだろうな」

「一応、政府高官の半数以上がペルシアの出身ではあります。しかしその人達の立場も怪しい上、名目上のはずのトップが親日路線に変更しようとしているため、様子見が1番かと」


パキスタンは元々、インドに住むイスラム教徒がペルシアによって意図的に集められ、インドの占領地管理のために独立したような国家だ。だから日本軍を攻撃するかと思ったけど、彩花さんによるとトップが親日路線で生き延びようとしているらしい。


お飾りのトップとはいえ、一度手にした利権を守り抜きたいのだろう。ペルシアとはもう国境を接していないような状態だし、上手く行けばパキスタンが寝返ってこちら側の味方をしてくれるかもしれない。同じイスラム教徒の国を守るため、背中を刺す可能性もまだ残っているけど。


正式な国名はパキスタン王国だから、そのお飾りトップが王様なのか?どちらにせよ、そのお飾りトップがパキスタンの命運を握ってそうだな。

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