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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第320話 国際連盟

12月22日。ロシアのオデッサで開かれた会談にて、今大戦で初の和平案がフラコミュ陣営へ提案された。内容としては、フラコミュに賠償金を要求している辺り、完全に現時点では相手にされないであろう和平案だ。


この提案をフラコミュは蹴り、逆にフラコミュが、現在の戦線をこれからの国境としましょうと言って来た辺り、フラコミュにもかなり余裕がないことは分かったけど。当然、フラコミュ側の和平案はプロイセン側がふざけるなと怒った。現在の戦線をそのまま国境にしてしまうと、プロイセンは大きく領土が削られたままなので仕方ない。


この会談の結果、スコットランドはアフリカの旧イギリス領の回帰を目指すことと、シナイ半島の右側、改変前だとヨルダンやイスラエル辺りまでの利権を得た。アフリカ大陸から見てスエズ運河を挟んだ対岸にあり、元々エジプト領だったけど、そのちょっと先までを確保した感じになった。


……もはや、意地と意地のぶつかり合いだったな。まあ、最大限スコットランドを抑え込んだ上で判を押させたのだから勝利と言えるかもしれない。これ以上削れば、きっとスコットランドが敵になっていた。その時、スペインがどういう動きを取るのかも分からなかったし、これで良かったのだと思う。


最後の最後に、スペインは国際連盟の草案のようなものを提出した。世界大戦後、プロイセンと日本、ロシア、スペイン、スコットランドの5ヵ国を主軸にした、世界警察のようなものを設立するというものだ。国際連盟に認められることが国の条件となり、戦争の禁止も盛り込まれている。可能な限り、話し合いで解決しようとしている感じだな。


……当然、日本は賛成した。国際的な平和を維持するための機構だから、これに関しては現状、賛成するしかない。いざとなれば脱退するつもりだけど、プロイセンもロシアも似たようなことは考えていそうだ。所詮、こんなものを設立したところで仮初の平和が訪れるのに過ぎないことは分かっているのだろう。


「改変前の世界では、どのぐらい機能したんですか?」

「国際連盟の方は小規模な紛争の解決には役立ったかもしれない、という程度。脱退が相次いで、どんどんと加入国が減っていったんだよね。しかも戦争をすれば除名をしないといけなくなって、完全に形骸化した。第二次世界大戦の、抑止力にはならなかったかな」


日本に帰る道中で、彩花さんと話しながら備え付けられているベッドに寝転がる。今回の会談は、一定の成果があったからまだ良かった方だろう。日本はペルシアの南半分と、ペルシア湾の土地を囲い込むことに成功したし、プロイセンもロシアもそれぞれ大きな利益を得る分配になっている。


プロイセンはスカンディナヴィアのデンマーク領とノルウェー領に加えて、同じドイツ人が多いオーストリアの併合と、ハンガリーの傀儡国化が大きな戦果となるだろう。後、アナトリア半島はたぶんトルコとして再独立させると思う。アナトリア半島に関しては完全に騒動の種となりそうだし、緩衝地帯を作ることになった。


ロシアはフィンランド領に加えて、オーストリア=ハンガリー帝国の一部とペルシアの北部地域、それにアラビア半島のほぼ全域を手中に収めることとなる。いや、ヒジャーズ王国がどれぐらいか分かってなかったのだけど、ほぼサウジアラビアと言っても良いからロシアの得た領域はかなり大きい。


まだまだ絵に描いた餅状態だけど、今回の会談内容は最終的な分割案の根幹になると思いたい。とりあえず今回の会談名は、オデッサ会談で良いのだろうか?○○会談とか、地名をそのまま名前にして良かったのかな?


「スペインが何かしらの領土要求をしてくるとは思ったけど、国際連盟の草案だけだから不気味だよ」

「日和見をしたこと自体は、国として正しい判断ですけどね。漁夫の利を狙うのは、戦略の基本です」

「……漁夫の利を得た後に、動き辛くなることぐらいは分かっていたと思いたいね」


国際連盟は、物事を解決するために「総意」を大事にするらしい。いわゆる全会一致で物事を決めたり、紛争の仲裁を行なう模様。全会一致を念頭に置いていたら失敗することが俺には分かっているけど、口出しはしない。可能な限り、国際連盟は置物にしたいしな。


……国際連盟の原則の1つとして制定されそうな軍備の縮小に関しては、抜け道も多いから日本としては大歓迎だ。周囲の国々が勝手に軍縮をしてくれるのであれば、侵略国側から見てこれほどありがたいことは無い。


「抜け道とは、どのようなものですか?」

「商船を建造して、戦争時になったら転用したり?武器弾薬まで制限するなら、その武器工場を多く建設したりとかね」

「……軍縮は、かなり厳格にしないと効果は出ないでしょうね」

「そもそも日本は戦艦の保有をしていないから、戦艦の保有数の制限とかは怖くないな」


スペインの草案は、かなり深く作り込まれている。一応、戦争が嫌いではあるのだろう。帝国だけど、議会が強い上にイギリスよりも公平な選挙をしている。この世界では、もしかしたらスペインが1番民主寄りの政治形態なのかな。現在のスコットランドとか、下手したら半分独裁状態じゃないか?


イギリスの元首相がスコットランドの政府に所属している以上、スコットランドとイングランドに関しては、いつイングランドが潰れるかという話になりそうだ。

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