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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第317話 イギリスの後継国

ロイズさんが和平案の話し合いに参加したことで、日本の立ち位置が若干怪しくなった。ロイズさんはロイズさんで、プロイセンやロシアの反応を見て考え込んでいる模様。


とりあえず、今日の会談が終わった後に日本人留学生としてプロイセンに派遣した品川さんと吉良さんに連絡を取る。この2人はそれぞれ留学した陸軍士官のまとめ役、海軍士官のまとめ役だけど、プロイセンで色々と情報を集める役回りもしている。この2人から、スコットランドの戦力を教えて貰おう。


スコットランドの戦力に関してはプロイセンやロシアに傍聴されても問題がないので、電話で教えさせた。……電話だと盗聴されているのがほぼ確定しているから本当は嫌だけど、急いでいるから仕方ない。


「品川さんだよね?イギリスの動向について調べておいてと言っていたと思うけど、スコットランドの保有戦力について、現時点で知っているだけの情報を教えて」

「秀則様ですか!?げ、現時点で判明している分ですが、イギリスは南がイングランド、北がスコットランドに分裂しました。陸軍に関しては、イギリスが保有していた陸軍の7割方をスコットランドが保有していると思われます」

「海軍は?」

「……ほぼ全ての英国海軍がスコットランドのエディンバラへ移動したとのことなので、スコットランドは英国艦隊のほぼ全てを引き継いでいると思われます」


電話で聞いた感じでは、英国陸軍の7割をスコットランドが引き継いでいるということと、イギリスの海軍大臣が英艦隊を全てスコットランド領となっているエディンバラへ移動させたことを確認することが出来た。


「……彩花さん、エディンバラってどこ?」

「イギリスの、北西部にある港町のはずです。品川少佐に、スコットランドとイングランドの境界線を教えて貰うことは出来ませんか?」

「その声は、彩花様ですか。スコットランドとイングランドの境界線は、マンチェスターとリバプールのラインが国境となりそうな雰囲気です」

「ん?その言い方だと、まだ国境の確定すらしていないのか。いやまあ、そこら辺は後回しになるわな」


スコットランドとイングランドの国境になりそうな都市のマンチェスターは、確かロイズさんが住んでいる街だ。前回ロイズさんと会った時に、マンチェスターの位置は聞いていたな。確か、ブリテン島の中央からやや南の位置だから……スコットランドは、領土もイギリスの7割方を引き継いでいるのか。


これはもう、スコットランドがイギリスを乗っ取るのだろう。スコットランドは王政ではないため、正式な国名はスコットランド共和国となる。そして追加で聞いた情報だけど、やっぱりアイルランドは独立しているようだ。しかも、赤化しそうな雰囲気とのこと。


イングランドも赤化するかもしれないということは、統一戦争が始まる可能性も高い。やっぱり、世界大戦へ大きな影響を与えるだけの力はもう残っていないのかもしれない。今前線にいる英国軍のほとんどは、既にプロイセン軍の一部となっている上、彼らにとっては祖国が滅んでいる状態だ。素直に、スコットランドへ帰属するかは怪しい。


……戦場で他国のために戦っていたのに、その途中で祖国が滅びるのってどういう心境になるんだろう?イギリス兵は、少ない分練度は高かった。国への忠誠心は、かなり高かったはずだ。だからこそ、彼らが欧州に派遣されている間に国が崩壊したと見ることも出来るけど。


「明日を迎えるのが憂鬱だな。イギリスも、オスマンを押え付けて領土拡張をしようとしていたのは日本と同じじゃねーかと言いたいところだよ」

「しかし、ロイズさんは日本の強大さを1番知っている人物かもしれません。今日のあの反応は、当然のものなのでしょう」

「……説得は無理そうだし、日本が無害だとアピールするしかないのか。ペルシア湾は、他国に渡したくないのだけど」

「秀則さんがそこまで言うんですから、ペルシア湾には相当な量の石油が眠っているんでしょうね。……幸い、ペルシアそのものを制圧するのは日本です。ペルシア湾周辺だけであれば、交渉出来る余地はあるかと」


彩花さんの言う通り、ペルシア湾には大量の石油が眠っている。改変前の世界の石油産出国であるドバイ、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦などは全てペルシア湾に存在する国家だった。日本が欲しいのは、ペルシア湾の周辺に存在する油田だけだ。


ペルシア湾の周辺にペルシア最大の油田であるアバダン油田も存在するし、ぶっちゃけペルシア湾の周辺だけ確保出来れば資源的には何も問題が無い。もしもそうなった場合の1番の問題は、領土が守り辛いことだけだ。


日本から離れた飛び地に油田地帯だけの領土があるのは、流石に維持をし辛い。奇襲を受けたら、すぐに陥落してしまうだろう。ペルシア湾の周辺だけを日本領とした場合、その周囲をロシアとイギリスに囲まれる形になる可能性はそれなりに高い。最前線基地にしようとしても、防衛計画を立てるだけで一苦労しそうだ。


……割譲させる領土をペルシア湾の周辺に限定すれば、寸断のされやすい地形にもなる。やっぱり地続きにするためにも、ペルシアの領土はある程度確保をしたい。このペルシアの領土をどう分割するかで、今後の戦いやすさは劇的に変わって来るのだから、悩ましいところだ。


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