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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第313話 大規模な戦略

オスマン帝国を早く打倒するためには、日本軍とロシア軍の協力が必要不可欠だ。しかしながら、武器や弾薬の統一規格をこの会談で推し進めることは出来なかった。日本は日本に近いものを使いたいし、ロシアはロシアに近いものを使いたい。結局、装備は必要な時にセットで融通し合うことになった。


一方で、線路の幅は日本のもので統一してしまうことにする。旧中国領の、新疆と呼ばれる区域からロシアのタシケントへ伸びる鉄道を、日本が敷設するからだ。


プロイセンまでの輸送量を上げるために日本がロシアの都市まで線路を敷設するのだから、他国へ侵攻する際は日本の鉄道事情に合わせろということだな。実際に、ロシアの都市まで線路を敷設するのは中国人だろうけど。


中国人に関しては併合してから3年が経過し、もう従順な人か従順になった人しかいないので、扱いやすくはなっている。戦後、中国人は5%近く減ったかもしれないから、下手すれば世界最大規模の虐殺を行なっているかもな。


まあ、フラコミュ軍をアメリカ大陸から追い落とせば余裕が出て来るし、オスマンへの軍の派遣も増やすことは出来る。とにかく今は、空軍を使ってペルシア、オスマン連合軍の数を減らしている段階だ。既にかなりの被害が敵軍に出ているようだから、想定よりも楽に倒せる相手かもしれないけど。


……戦略爆撃機と戦術爆撃機の実戦投入は、来秋になりそうかな。何よりもパイロット不足が深刻なので、可能な限り実戦を経験した人物を呼び戻して講師役にし、空軍の増員も行なっているけど、まだまだパイロット不足は解消しそうにない。


「日本軍とロシア軍が共闘しているカスピ海東部の戦線ですが、中央で共闘している軍を無くす方が良いと思います。右翼と左翼だけにしてしまい、中央には何も無い地帯をあえて作ります」

「……今、右翼がロシア軍で左翼が日本軍、中央が日本とロシア軍って形なんだっけ。それ、中央軍を無くして良いの?」

「敵軍が中央に突っ込んで来るのを想定して、ロシアと日本の空軍が敵歩兵を殲滅する戦略を取れるかと。ロシアの戦闘機は弾数の多い機関銃を搭載しているようで、歩兵を薙ぎ払うことも出来るとのことですし」

「そうか。日本は戦闘機乗りが少ないし、空軍なら共闘しやすいかもな。……まあ、中央アジア方面軍を監督する毛利さんにも相談はしておいてくれ」


対オスマン戦で彩花さんが提案した案は、中央をわざと空けて敵軍が侵攻して来たら日露の空軍で殲滅するというもの。この後に各国の参謀本部や統一司令部でも検討はすると思うけど、もしかしたら採用されるかもしれない。とにかく敵軍の数を減らしておきたいという方針に、合致している策だしな。


ペルシア方面では、インドの事情も絡んでくる。インドから独立したパキスタンは、実質ペルシアの傀儡国家みたいなものだろう。かなり深くまで、ペルシアの関係者が絡んでいるはず。


しかしパキスタンは現状、日本に対して侵攻する気配を見せていない。ペルシア軍に侵攻されていた地域だし、軍がまだ編成出来ていない可能性もあるけど、たぶん内戦があったパキスタンにこれ以上戦う戦力は残っていないのだろう。


パキスタンは、独立するまでに血を流し過ぎている。それでも、警戒はしておかないといけないのである程度の用意はしておかないといけない。


内戦で血が流れ過ぎたのは、ベンガルも一緒か。ベンガルに関しては独立してからも内戦が起きたので、今のところ世界大戦に参加できるだけの余裕がない。参戦するとして、どちら側に立ってもあまり良くない立ち位置だしな。


「ベンガルは、税収の見直しから始めたんだっけ」

「まともに徴税も出来ていなかったので、まずはそこからでしょうね。ある程度は日本も支援しますが、人口が多いことを活かせていません」


国庫のお金が尽きているような状況だし、戦力を整えることも出来ないのだろう。だからこそ、日本軍の駐屯を認めさせることが出来るのだけど。盛大なマッチポンプは、成功したとの報告を電話で受け取った。ベンガル政府の関係者には日本の諜報員も多く潜り込んでいるし、分離政策は上手く行って欲しいな。


会談は他にも色んなことを確認したり、決めていくけど、アナトリア半島の領有はロシア側に軍配が上がったので日本としてもそれを後押しする。プロイセンは、共産主義陣営のアフリカ植民地を受け取りそうだな。後は、バルカン半島もある程度はプロイセンの勢力圏に入るか。


イギリスのアフリカ植民地は、オスマン軍とイタリア軍が派遣されているようで、至る所が食い破られている。南側は南アフリカ王国がイギリスに宣戦布告をして以降、順調に領土を拡張し、アフリカ横断鉄道も手中に収めた。


この南アフリカ王国がイタリア王国残党軍に攻め入りそうなので、イタリア王国の残党達は長くは持たないかも。


「南アフリカ王国はフラコミュ陣営で参戦こそしていますが、単にイギリス憎しで動いているだけなので、鞍替えをする可能性はあります。一応、日本との繋がりもある国ですし」

「独立時に、武器を提供しただけなんでしょ?それで味方になってくれるのかは、微妙だな。というかイギリスは、流石に恨まれ過ぎだろう」


イギリスが空中分解して空白地帯になった箇所は、当然ながら欧州の南を占めている共産主義陣営の方が侵攻しやすい。空中分解するにしても、もう少し時間は稼いで欲しかったな。あっという間にハイパーインフレを始めたから、介入する暇も無かった。


今のイギリスはスコットランドとイングランドに分裂している状態だから、次代の利権を争っている最中だろう。どちらかはこの会談に来ると考えていたけど、来ないのかな。元イギリスとして、権利の主張ぐらいはしに来ると思っていたから意外だ。途中で来る可能性も、まだ残ってはいるけど。

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