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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第312話 オスマン帝国の処遇

戦略の話は、フラコミュを倒さない限り、フラコミュ陣営は和平には応じないだろうという確認をした後、フラコミュの倒し方についての話し合いに移る。焦点になるのはフラコミュ陣営の中でも浮いているオーストリアと、オスマンについてだ。


フラコミュ陣営の宣戦のきっかけにしか過ぎない国となってしまったオーストリア=ハンガリー帝国は今、共産主義寄りの政策を敷き始めている。オーストリアでも国家総動員法が制定され、資本家階級に対して過剰なまでの警戒を始めた。徐々に、政府が労働者寄りの政策を打ち出している。


……国民の大半が労働者階級だから、不平不満を抑えようとすれば必然的にそうなるものだけど、このタイミングはどうしてもフラコミュからの介入や扇動があったとしか思えない。戦争が長期化してくると、どうしてもその傾向は現れるし、プロイセンやロシアには警戒するよう伝えるしかないか。


そして現状、一番調子に乗っている共産主義陣営の国家はオスマン帝国だろう。共産主義国家では無いのにフラコミュ陣営に接近し、仇敵であるはずのペルシアとの偽装戦争を行なった結果、ロシアのバクーやエジプトのカイロを陥落させた。


一時は世界最強クラスの国家だったオスマンを弱くは見て無かったけど、俺としては近代のオスマンというだけで「瀕死の病人」というイメージがあり、意外な強さに思える。


近代化が上手く行ったオスマン帝国とか、想像したくは無かったな。……日本がイギリスやフランス、オランダ等の海外植民地を強奪した結果、オスマンを抑える国が無かったという可能性もある。欧州に東南アジアの植民地が無いということは、インドに侵攻されたことは、どれほど世界に影響を与えたのか計り知れない。


オスマンは皇帝を頂点に、広大な領土なのに中央集権化を成功させている。イスラム教が国教ではあるけど、キリスト教徒も多数見られ、ユダヤ教徒や日本教徒もいるという情報も得た。宗教面で、イスラム教国家が寛容なことには違和感しかない。


「オスマンを打倒するべきか。共産主義国家じゃないから、単独での和平にも応じやすいかもしれないし、日本も陸路で攻め入ることが可能だ」

「陸路でオスマンへ攻め入るには、ペルシアを打倒するしかないですけどね。ロシア軍と日本軍の足並みは、揃い辛いです。補給線も別々に確保しないといけないですし、その場その場の指揮官で揉めることもあります」

「補給線を別々にしないといけないのは、結構な問題だよな。線路の幅や砲弾、弾薬や小銃が違うのだから仕方ない話ではあるけど」


今のところ、フラコミュとオーストリアとオスマンに対してプロイセン陣営は戦線を構築している。このうち、オーストリアだけは潰すのが難しい。フラコミュ陣営の中央に位置するため、イタリアやオスマン、フラコミュからの援軍が間に合いやすいからだ。


一方で、オスマンは位置的に少し孤立している。アフリカ方面でイタリア王国残党軍やイギリス軍、エジプト軍に足を取られていることも不幸中の幸いだし、オスマンを集中的に叩く方針が日露普の3ヵ国による会談で決まった。もうしばらくプロイセンは、フラコミュの攻撃を耐えなくてはならないことが決定したのだけど、大丈夫なのだろうか。


一応、プロイセンの対フラコミュ戦線は後方に要塞線を築き上げている。万が一大突破を許しても、時間稼ぎは可能な状態だ。だけど現状のライン川防衛戦を突破された時、何か大きな打撃を共産主義陣営に与えないと、半年も持たずにプロイセンが死ぬ。


中央アジア方面は、冬の間も攻勢は可能だ。ペルシアからオスマンを狙い、日本軍は進軍を続けよう。ペルシアの分配に関しては、ロシア側がカスピ海沿岸地域を求めて来たのでその条件を受け入れる。カスピ海の南側を通行できれば、ロシアのインフラは一層の発展が可能だ。


またオスマンの分配について、日本はペルシア湾沿岸部の割譲権をロシア、プロイセンの両国に認めさせる。一方でアナトリア半島の領有権に関してはプロイセンとロシアが揉め、ヒジャーズ王国や旧エジプト領に関しては結論が出なかった。戦後になったら、そこら辺は独立させるのかもしれない。


「エジプトもヒジャーズも、砂漠地帯だから外国が統治するのが難しいかもな。ヒジャーズ王国には石油があるから確保したい気持ちもあるけど、北アメリカ大陸とペルシア湾、特にアバダン油田の確保は大きいだろうし、独立させるのも問題は無いか」

「あまりに国民の数が増えると、統治の際に問題も起きますからね。現状、要求している分で日本としては十分な戦果だと思いますよ」

「あ、メキシコを攻めるかもしれないことは言っとくぞ。流石に、これ以上メキシコ軍が好き勝手するのは日本が舐められているとしか思えないし」

「メキシコの動向に関しては、ある程度ロシアやプロイセンに伝えているので大丈夫だと思います。戦争が一段落すれば、メキシコへの侵攻計画も絞っていきましょう」


一先ずオスマンを叩かないことには絵に描いた餅状態なので、フラコミュを北アメリカ大陸から追い落とした後はオスマン方面に軍を集中させることとなる。メキシコに関しては、フラコミュ軍を追い落とした余力で行なう感じになるかな。世界大戦後でも別に良いのだけど、世界大戦は思っていた以上に長引きそうだ。


もうすぐ迎える来年が2024年だということを考えると、やっぱり世界大戦は4年ぐらい続きそうだな。来年、北アメリカ大陸でフラコミュ軍との決着を付けないと、流石に不味い状況か。

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