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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第311話 プロイセン王

前の世界はどうなっていたのか分からないけど、この世界のプロイセン王国は18世紀に入る直前の1696年に成立している。前身はプロイセン公国で、プロイセン公国の前身はドイツ騎士団国らしい。ドイツ騎士団がプルーセンを征服し、ドイツ騎士団国になり、そこからプロイセン公国になったという感じ。この辺は知識として全く知らなかったので、学ぶこと全てが新鮮だ。


その後、19世紀半ばに北部ドイツ連邦の盟主になったプロイセン王国。これによりプロイセンの王様はドイツの皇帝となったけど、ドイツ帝国がプロイセン王国を併合したように感じたそうで納得がいかなかったのか、プロイセン王国に国名が戻っている。


実質的にはプロイセン王国が周囲の小国を呑み込んだことになるのだけど、その頃にはもう周囲の国がプロイセン王国の勢いを止められなかったのだとか。だから対普大同盟を組まれたのだけど、ロシアと同盟を結んだプロイセンが何とか耐え忍んだ。


この対普大同盟を主導していたのが、フランス共和国になる。改変前より早くに民主化が成功したフランスでは平等主義を掲げた結果、徐々に国力が衰退していた。新大陸やアフリカでイギリスやイタリアとの戦争も激化し、徐々に戦費が嵩んでいった。限界を迎えた国で、共産主義革命が起きる。それと同時に、対普大同盟は解散した模様。


以降、プロイセン王国はロシアに加えてオーストリアとも仲良くしながら安定した成長を続けていたが、北のデンマークに対して圧力をかけていたところ、スカンディナヴィア連邦が成立。共産主義圏の拡大により、欧州の雰囲気が一変したそうだ。


そのオーストリアから宣戦されたことで、世界規模の大戦となった。結局、オーストリアにいたプロイセンの政治犯が横領をしていたことに関しては事実だったみたいなので、自業自得かもしれない。


晩餐会の翌日には、現プロイセン王であるジャミルさんともご挨拶。ジャミルさんから見てバルヘルムさんは叔父になるそうだ。外見的にはたぶん30代半ばなので、若い王様なのだろう。この人がプロイセンで普通選挙を認めたため、プロイセンの最後の王様となる可能性はわりと高い。


まあ、認めなかったら民衆の爆発はしていたかもしれないし、単に大臣クラスから入れ知恵をされただけで、民衆の不満はそれほど高くなかった可能性もある。どちらにせよ、この人の判断がプロイセンの更なる民主化を招く。その後、プロイセンがどうなるのかは見物だ。


恐らくプロイセンが戦争に勝利した暁には、オーストリアから領土を割譲させ、ドイツ人の統一国家としてドイツ連邦が成立するはずだ。その時、プロイセン王家の存在は間違いなく邪魔になる。そう遠くない未来、ドイツ連邦の政府首脳陣が、慈悲のある人間であることを願っておこう。


最初の会談では、軽い自己紹介の後に戦略の立て直しについて話し合う。いずれの国も、被害は出ているし多くの血が流れている。日本軍も中央アジア方面軍や欧州に派遣している軍隊、北アメリカ大陸に上陸させた軍やアラスカ方面で戦っている軍など、それぞれの軍の死者数は合計すればそこそこ多い。


まあ、1番血を流しているのは間違いなくプロイセンだ。プロイセン領内が主戦場となっているのだから民間人への被害も多く、また1番フラコミュからの攻勢を受けている。ロシアも中央アジア方面でロシア領内が戦場になっているけど、こちらはそこまで大した被害ではない模様。


「日本の民間人に、被害は出ていないよね?」

「フラコミュの艦隊がフィリピン沖で決戦に挑む直前、日本の漁船団の一部が沈められています」

「それ、聞いてないんだけど。いや、でも被害としてはそこまで大したことは無かったのか」

「……民間人の死者は、合計すると38人です。プロイセンやロシアに比べれば、1万分の1程度ですね」


日本の民間人への影響に関しては、ほぼ軽微と言っても良いぐらいだ。38人の死者が少ないと思えるのが戦争の怖い部分でもあるし、書面の数字しか見ていない者の感想になる。ちなみにプロイセンの民間人への被害は、およそ50万人と言われる。まだ戦争が始まって、1年半が経過した時点での数値だけど、かなり多く感じるな。


軍人はこれとは別に、プロイセンだけで100万人ぐらい死んでそうだ。欧州での戦死者は、戦争が始まってから1年半で680万人を突破したと言われている。正確な数字を出そうとすれば、もっと多くなるだろうな。来年はさらに戦争が激しくなるだろうし、両軍共に必死だ。国家の存亡がかかっている戦いなのだから、当たり前と言えば当たり前だけど。


人口が改変前の第一次世界大戦の時より確実に多いから、戦死者が多いことは予測出来ていた。第一次世界大戦が来年中に終わらなければ、世界での戦死者は1000万人の大台を突破するだろう。その時、プロイセンやロシアによる要求はさらに過酷なものとなるはず。


賠償金の請求はプロイセンの通貨であるマルクで行われるだろうし、十数年後には破棄される条約になってくれそうで非常に順調ではある。


……この空白の期間を、極力長くする必要もあるのが難しいな。復讐心だけで戦争が出来るようにしないと、2度目の世界大戦は起きない。フランス領内を、荒廃させるのも不味いのか。

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