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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第306話 ベンガル独立

日本の内政方針が固まり、来季の予算会議は大変なことになりそうだと仁美さん達と話し合っていた10月21日に、ベンガル地方が独立を果たして国になった。正式名称はベンガル共和国。今のところ、このベンガルを認めているのは日本だけだけど。


インドでは内戦が長引き、インドの北東部、ベンガル地方には難民が集まっていた。そしてこのベンガル地方でも、内戦は発生していた。この地域には日本が介入しやすく、食料のばら撒きによって人を集めることも出来たため、必然的に日本が支援していたグループの1つが内戦を優位に戦っていたのだ。


独立意欲が強く、併合は難しいと判断したので1つの国として独立させた形になる。行政については、もろに日本が介入する予定だけど。現時点で国としては機能していないので、案外簡単に日本へ依存させることは出来そうだ。


もちろんインドの中央にあると言われている臨時政府は却下したけど、実効支配が出来ていない以上、何の制約も無い。ベンガル地方自体も元々自治権に近い権利を持つ、英領インドの中でも特殊な地域だったようだし、インドからの分離独立までは簡単に誘導出来た。


問題は、ここから露骨に日本寄りの政策をすることでベンガル国民の警戒を招く恐れがあることか。徐々に、思想の誘導はしていかないといけない。日本が支援した組織が内戦に勝ったからと言って、日本寄りの態度を示すか問われればそうとは言えない。むしろ、手の平を返そうとしているので厄介だ。


……まあ、現ベンガル政府が日本を利用するだけ利用して後は切り捨てようという魂胆だったのは日本側も知っているので、独立直後に更なる内戦を引き起こさせる。その際に、日本軍も進駐して反乱軍を鎮圧。盛大なマッチポンプを行なうと共に、日本軍の駐屯をベンガル政府に受け入れさせる。今は、これだけで良いか。


「ベンガルは人口が多いですから、その分色んな思想があるのは面倒ですね。国として纏まる前に、内戦が起きたのも納得の状況です。ベンガル地方だけでも、様々な人種と思想を持ち合わせていますからね」

「ベンガルは反日派と親日派で思想を分離させる工作をして、将来的には反ベンガル政府への悪感情に変換できるよう工夫していこうか。大きくニ分化させた後で、ベンガル政府に反感を持たせよう。完全な日本の傀儡国家となるまで、3年はかかりそうだけど」

「3年で、親日派と反日派に区分することは出来そうですね。その後が勝負ですから、やはり時間はかかりますか」


将来的には反日派の政府が日本軍を使って、親日派の反政府組織である過激派集団の人達を殺すという形にしたい。この形に持って行くことで、国民目線で反日派の排斥が必要だと思わせ、穏健で支配のしやすい親日派だけの国家になるはずだ。


一歩間違えると反日派だらけの国家になるけど、諜報員が多く潜伏出来ているので何とかなると思いたい。まあ、隣国だし経済自体は日本に依存せざるを得ないから、親日派も増えるはず。不可触民の層は、わりと親日派に誘導出来たしな。


彩花さんの計算では、3年で国民の二分化は終了するらしい。その間のベンガル政府の動向が、その後のベンガルを決めるだろう。


「インドは北西がパキスタン、北東をベンガルに独立された形だな。内戦も泥沼化しているし、例のムガル帝国の後継者達が、更に複数に分裂して争っているんでしょ?人口が多いと、内戦は凄惨になるな」

「最近は、ドラヴィダ族が南部で独立をしようと画策しています。日本の誘導に、乗らなかった不可触民層の姿もありますね」

「……これは、狙い通りに纏まった独立が不可能になったな。可能な限り、インドは細分化していこうか」


どうやら思っていた以上にインドは内部分裂を起こしそうなので、国力としてはかなり落ちるだろう。旧中国領に逃れて来た民族も多く、その人達の日本人化も進めている。最低でも、将来の遺恨は絶対に残る形だな。百年後、世界全体で自由思想が勝っていれば、日本はかなりの非難をされそうだ。


仁美さんが言ったドラヴィダ族は、どうやら1億人近くいるとのこと。正確にはドラヴィダ語を話す人達だけど、ドラヴィダ族で良いだろう。ドラヴィダ族の大半はシュードラと呼ばれるカースト制度の最下層であり、奴隷階級だ。その下に不可触民がいるわけだけど、ドラヴィダ族はヒンドゥー教の被害者達と言ってもいいはず。


日本としては、ドラヴィダ族を支援して是非とも独立して貰いたい。民族自決の精神が高まるのも良くないことではあるけど、インドの不統一の方が目先の事案でかつ重要なことでもある。


……ドラヴィダ族の国家は、ドラヴィディスタンとなる予定の模様。○○スタンという国名は中央アジアによくある国名だけど、どういう共通点があったのかは忘れた。まあ、そんなに重要な共通項では無かった気がする。ベンガル地方の独立のせいで、インド国内の雰囲気は最悪に近いそうだから、早めに独立するかもしれない。


このドラヴィディスタンの建国予定地はインドの南、南西部が中心になる予定だから、セイロン島から目と鼻の先に建国されることになる。海峡レベルの海を挟んで対峙するわけだから、仲良くはしていきたい。征服や併合に関しては、世界大戦後に検討する形だな。


……ずっと続いている世界大戦は、あと何年続くかの予想も出来ないけど。北アメリカ大陸は半分を制圧して、フラコミュ軍は崩壊を始めているのだけど、民兵組織の抵抗が本当に厄介な状況だ。2024年の冬が来る前には北アメリカ大陸を制圧している予定だったけど、流石に猶予期間が短かったかな。


欧州戦線が動かないことを考えると、我慢比べになっているのは確実だ。フラコミュが折れるまで、あと何年の月日が必要なのか、参謀本部に再計算させてみようか。

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