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織田信長の天下統一を手助けして現代に帰った俺が何故か祭り上げられている件について  作者: 廃れた二千円札
第十一章:世界大戦 2年目

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第297話 自給率

案の定予算会議が延長してしまい、予算会議が継続している10月2日に、今年の農作物の収穫量は激減しそうだという報告が入る。例えば、お米の収穫量に関しては前年比で75%を割りそうだと言って来た。要因は色々とあるみたいだけど、夏に日照時間が少なかったことが最大の要因らしい。


現在の日本では、およそ6億人分の食を生産しないといけない。日本全体の1年間でのお米消費予定量は530億キロらしいので、それを生産量が下回っていたら少し不味い状況になる。昨年までの余剰量を貯蔵している分が500億キロ以上あるので、生産活動を止めても余りそうなのが現状だけど。


そして今年のお米の生産量は、750億キロまで激減したそうだ。去年から25%減って750億キロってことは、1000億キロのお米を生産しようとしていたってことか。自給率200%って、よく考えたら平常時は無駄に生産し過ぎている状態だよな。プロイセンやロシアに、援助できている最大の理由でもある。


無駄に生産している分は、家畜の餌にしたりバイオ燃料の研究材料にもしているけど、それでも余る分は肥料として土地に還元している。とりあえず、収穫量は低下したけど問題は無いということだ。


「研究予算は、風船爆弾への投資を継続するのか。それよりもミサイルに投資した方が良いとは思うけど、風船爆弾の戦果が予想外に良かったから難しいところだな」

「指向性を持たせられれば、現時点では最強の兵器と言っても過言では無いですからね」

「持たせられたらね?まあ、コスパが良い時点で使うのを止める気は無いし、研究を継続させても良いか」


愛華さんは風船爆弾に指向性を持たせられれば最強の兵器と言うが、コストパフォーマンスの面は大きい。もう少し値段が高かったら、見向きもされないような兵器だしな。あくまでも、この日本でも大量生産が可能な安上がり兵器だから重宝されているだけだ。


北アメリカ大陸でも東海岸にたどり着く前に使えなくなりそうだし、他国が真似をしだすと非常に厄介でもある。都市への爆撃を防ぐためにも、やっぱり固定式対空砲は設置しておいた方が良いよな。国境付近の重要な都市には、対空砲をキチンと用意しよう。


既にセイロン島やインド国境に近い地域は対空砲の設置もしているから、機能するかを確かめたい。前に報告で聞いた感じでは、鳥が飛ぶスペースすら無い弾幕で撃ち落とすとか聞いたけど、実物は見ていない。


……次の戦いのためにも、手札は残しておきたい。ミサイルは完成しても、秘匿した方が良いか。


「とうさま。かあさまがつかれてます」

「ん。お母さんは日本のお金の使い方を決めていたから、疲れちゃったんだよ。そっとしてあげて」

「とうさまは、なにをしているのですか?」

「んー、そう聞かれると答え辛いなぁ」


お腹が大きくなっている仁美さんは、予算会議の出席日数を減らして周囲が手厚くサポートしている。今回は教育関係で中学の教員の雇用準備費用だったり、改良型の爆撃機や戦闘機の開発費の確保が課題だったようだ。


……久仁彦も、随分と会話が成立するようになったけどまだ2歳半か。それにしても久仁彦に、何でこの人は働いてないんだろうという眼差しを受けるとは思わなかった。いやまあ、久仁彦の周囲で1番暇な人は俺で間違いないが。最近の楽しみは、ゴロゴロしながら戦場からの報告書を読むことだし。


「戦術爆撃機に、1番力を注ぐべきか。制空権さえ確保すれば、単純に考えて、敵兵を殺すことが1番重要な役目になるしな」

「小型の爆弾を複数回、今まで以上の個数を落とせるような構造にするみたいです。現状は4個が限界ですが、これからは12個になると言ってました」

「エンジンが倍になったら、運べる爆弾の量は3倍か。飛行機の大型化に伴うリスクに関しては大丈夫?」

「一応、今まで以上に頑丈にはなるみたいです。大型化するために、被弾確率は上がると思いますが」


彩花さんと会話をしながら、空軍の構想を練る。爆撃機と戦闘機に関しては今までとは根本から違う第2世代型の設計段階に踏み込んでいるので、他国の飛行機と少しずつ歩みが違って来ていると思う。爆撃機は戦略爆撃機と戦術爆撃機に枝分かれをし、戦闘機から迎撃機が枝分かれした。


要するに敵の要塞や都市、インフラを破壊するための爆弾を搭載した戦略爆撃機と、敵歩兵師団を攻撃するための戦術爆撃機に分けるということだな。迎撃機に関しては基地上空や都市上空を守るため、航続距離を犠牲にした格闘戦に特化した飛行機という分類になる。


また、第2世代型はエンジンの数が2基に増える予定だ。エンジンの小型化を頑張ったお陰で、高い出力を持つようになった。今まではエンジンが1基だったから不安だったけど、より安全にもなったということだ。一応、エンジンが1基でも墜落しないように設計するらしい。


大型になるけど、速度が上昇することで、被弾率は下がるとか研究チームは言っている。新型機の実戦投入は来年度の春を想定しているから、思っていたよりも早い。というか、昨年の春に初めて飛行機が飛んだ国とは思えないな。今年の春には、本格的に戦闘機を使い始めているし。


飛行機の話ばかりをしていたら、久仁彦が飛行機の絵を描き始めた。途中、彩花さんから鉛筆の持ち方を矯正されたり、途中から友花里もお絵かき組に加わって久仁彦とは別に家を描き始める。


2歳にしては思っていた以上に上手い久仁彦の絵を見て感心したり、友花里が家の横に間取り図を描き始めてドン引きしたりしながら時間は流れる。この2人が日本のトップに立つ頃には、全ての戦争が終わっていると良いな。

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― 新着の感想 ―
>仁彦に、何でこの人は働いてないんだろうという眼差しを受けるとは思わなかった。 親父がたまにゴルフに行くニートと思ってたらプロゴルファーだったって話思い出したわw
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